10年以上住んでいるにもかかわらず、まだまだ知らない場所ばかりの東京を僕なりにディグ(掘り起こし)って、いく【トーキョーディグ】。
僕は東京が世界一ファッションの多様性がある街だと思っています。
そんな東京のファッションの素晴らしさを多くの人に伝えるために、この【トーキョーディグ】をベースにした英語ブログ「TOKYO FASHION DIG」の執筆を始めました。
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この記事でご紹介しているお店などは、グーグルマイマップで共有しています。
新宿で開催中のNIGO®アーカイブコレクション展
今回は新宿の文化学園服飾博物館で開催されている、「未来は過去にある”THE FUTURE IS IN THE PAST”」に行ってきました。会期は2022年9月14日(水)~ 2022年11月13日(日)です。
この展覧会では、屈指のヴィンテージコレクターとしても知られるNIGO®氏のアーカイブコレクションから選りすぐられたアイテムが展示されています。
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こちらは、今回の展示会の図録。
図録も購入しました。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中 (@yamada0221) September 22, 2022
コンパクトサイズですが、充実した内容で読み応えたっぷり。
買えるのは会場のみっぽいですが、一般発売したらいいのに、と思います。 pic.twitter.com/LXfrV5jV6E
図録のあとがきに、今回の展示物がどうやって選ばれたのかが記されていたので、引用します。
6月にNIGO's VINTAGE ARCHVE ROOMにおいて今回のSUKIMONO BOOK撮影用や文化服装博物館での展示用にアイテム選別を2日間行った。NIGO®さんと今回の展示のキュレーターであるSUNTRAP(高円寺のヴィンテージショップ)のケンジくんとアツシくんと私の4人で、大量のコレクションを1点1点見ながら「懐かしい」「コレ何?」「こんなの持ってたんですか」とワーワー!と子供のように大はしゃぎで、本当に楽しかった。そんな気持ちが今回のSUKIMONO BOOKに詰め込めたらという思いで作りました。その時にNIGO®さんが教えてくれたことやSUNTRAPのふたりがくれた知識がこの本にも展示にも紹介されています。
この文章は、スタイリストの原田学氏によるもの。
原田氏は好き者のためのブックシリーズ、『THE SUKIMONO BOOK』のセレクターを手掛けており、今回の「未来は過去にある”THE FUTURE IS IN THE PAST”」の図録は、『THE SUKIMONO BOOK』シリーズの1冊として製作されています。
これまでにされている『THE SUKIMONO BOOK』はこちら。
そして、SUNTRAPは文中にもある通り、ヴィンテージに強い高円寺の古着屋さん。
最近は情報発信の場をインスタグラムに移す古着屋さんが多い中、ブログを頻繁に更新してくれているという、ブログ好きの僕にとっては嬉しい古着屋さん。
特にアメリカでの買い付けの様子を記したブログは、リアルなアメリカの雰囲気が感じられて毎回更新を楽しみにしています。
ヴィンテージにあまり興味がない僕が見入るくらいの服の魅力
さて、本題である展覧会のご紹介に戻りましょう、と言いたいところですが、残念ながら会場内は撮影禁止。
こちらの入り口の壁面のヴィジュアルと、NIGO®氏をはじめとした関係者のコメントが記載された部分のみが撮影可能でした。
NIGO®氏がこの展覧会を開催するきっかけとなったのは、昨年のKENZOのアーティスティックディレクター就任だったそうです。
会場内の雰囲気は上掲のNIGO®氏のインスタグラムからある程度伺えるようになっています。
文化のNIGOアーカイブ展、行ってきました。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中 (@yamada0221) 2022年9月22日
ヴィンテージにそれほど思い入れのない僕でも見入るくらい、圧巻のコレクション。
アメカジ好きの人ならたまらないかと。
スペースがそれほど大きくないので点数はそこそこですが、興味がある人は必見だと思います pic.twitter.com/T56Uv9RF3P
で、僕が展示を見た感想ですが、そもそも僕はヴィンテージアメカジにはそれほど強い興味はありません。
一応90年代のヴィンテージブームを経験した世代ではあるのですが、当時はヴィンテージレプリカのジーンズやスウェットをいくつか所有していただけ。
その後、すぐにコムデギャルソンをはじめとしたデザイナーズブランドに熱中するようになったので、ヴィンテージアイテムに対しての憧れなどは、特にありません。
今回展示されていたのは、1920年代から1960年代を中心とする、アメリカのヴィンテージアイテム。
「これは○○なのでレア」という注釈が付けられたアイテムがいくつかあったのですが、そもそも僕は「レア」という価値観に重きを置いていないので、「へーそうなんだ」くらいしか感じません。
ですが、今回はそんな僕でも見入ってしまうくらい良い展示会でした。
デザイン、シルエット、ディテール、生地、プリント、付属物、縫製。
生粋のヴィンテージコレクターであるNIGO®氏たちが厳選しただけあって、服自体の魅力が非常に強く、また情報量も多いので、一度会場をざっと見た後、それぞれの展示品にじっくり見入ってしまいました。
少しでも興味がある人は、可能なら是非会場に足を運んでもらいたいと思います。
ちなみに、YouTubeにはNIGO®氏のコレクションルームを紹介している動画がアップされており、今回の展示会の雰囲気を少し味わえるようになっています。
更にちなみに、こちらの過去記事では1999年のNIGO®氏のオフィスが紹介されています。
ごりっごりのヴィンテージを見た若者たちのリアクション
僕が訪れたのは平日。開場の10時頃に会場に着いたのですが、オシャレな若者の大行列ができていて、びっくりしました。が、こちらはお隣にある文化服装学院の学生さんの課外授業(おそらく)。
僕が開場の10時直後に訪れたら、オシャレな若者の長蛇の列。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中 (@yamada0221) September 22, 2022
文化の学生さんの課外授業(多分)でした。
展示の紹介文では割とアイテムのレア度にフォーカスが当てられていたんですが、女の子たちは「可愛い!可愛い!」と率直にデザインの良さを楽しんでいたようでした。 pic.twitter.com/tYW5lceaCD
僕はこの若者の大行列の後に続いて入ったので、会場内では周りに二十歳前後の学生さんが沢山いる、という状況でした。
これはこれで好機と思い、若者がごりっごりのヴィンテージアーカイブを見てどんなリアクションをするのかを伺っていました。
すると、意外にも女の子たちは「これ可愛い!」という声が多数。
アロハシャツやスカジャン、ポップなボディカラーのピーナッツのスウェットなど、定番のヴィンテージアイテムも、そのデザインの良さは若者にも伝わっていたようです。
https://www.pinterest.jp/pin/2462974774765421/
やっぱり、良い服の素晴らしさは世代を超えて伝わる。
このことを確認できたことも、この展覧会を訪れた収穫でした。
最愛のラーメン屋さんが閉店!
この日のお昼に向かったのは、以前のトーキョーディグでもご紹介した、新宿の貝出汁中華そば 貝香屋。
実はこの前日の夜、ツイッターで急遽閉店がアナウンスされたのです。
皆様にお知らせがございます。
— 貝出汁中華そば 貝香屋 (@kaikayakaidashi) 2022年9月21日
貝香屋ですが明日で閉店することとなりました。
ご愛顧をいただきながらの閉店。
そして突然のご報告となってしまったこと、大変申し訳ございません。
現在新たな物件を探しております。
営業再開の折にはこちらで告知いたします。
何卒よろしくお願い申し上げます。
貝香屋は今一番好きなラーメン屋さん。なので、最後に絶対食べておきたいと思い、この日はオープン直後に伺いました。
お願いしたのは濃厚あさり。
ワンアンドオンリー。特にこのスープが本当に美味しいんです。
今日で閉店とアナウンスされた、大好きな新宿の @kaikayakaidashi で、最後の濃厚あさり。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中 (@yamada0221) 2022年9月22日
店主さんによれば、物件が見つれば再開する可能性ありとのこと。
やっぱりとても美味しかったので、絶対にまた食べたいです。 pic.twitter.com/nwVeoAmA8V
どうやら再開する可能性は高そうなので、また食べられる日が来ることを心待ちにしています。