90年台のファッション誌を中心に、昔のファッション誌のアーカイブを兼ねてご紹介する企画、90sアーカイブ。これまでの記事はこちら。
今回は、先日YouTubeでもご紹介したMR 1999年4月号です。
MRはデザイナーズブランドを中心に扱うモード誌。残念ながら休刊してしまいましたが、僕は世界一のメンズファッション誌だと思っています。
表紙は木村拓哉さん。着用しているシャツはコムデギャルソンオムプリュス1999年春夏コレクションSecret Tresure、通称フリル期のシャツです。
見開きはジル・サンダー女史が出掛けていた時代のジル・サンダー。ジャケットとシャツが同色など、当時人気だったミニマルデザインを牽引していたジル・サンダーらしいデザインです。
キムタク☓コムデギャルソン
木村拓哉さんページ。ジル・サンダーやプラダなどと同じくミニマルデザインで人気だったヘルムート・ラングなどを着用。
左ページは表紙と同じコムデギャルソンオムプリュスですが、よく見ると型違いですね。しかし、凄いイケメンっぷりですね笑。
インタビュー。
右ページもコムデギャルソンオムプリュス。こちらは1998年秋冬コレクションだと思います。
右ページはイッセイ・ミヤケ。
右ページのシャツは当時僕が好きだったクリストフ・ルメール。
マーク・ジェイコブスが手掛ける新生ルイ・ヴィトン
ルイ・ヴィトンのサッカーボール。
ルイ・ヴィトンのアパレルラインが始まり、そのデザイナーに就任したのが当時気鋭の若手だったマーク・ジェイコブスでした。今の感覚だとラグジュアリーブランドがサッカーボールみたいな商品を出すことってそんなに驚きませんが、当時はかなり斬新だったんですよ。
イケメンですね。
ポール・スミス。
ジャケットのシルエット、特に丈の長さはかなり時代を感じますね。
今、再評価したいジョゼ・レヴィ
ジョゼ・レヴィ。後のディオール・オム、現セリーヌのエディ・スリマンも一時期籍を置いていたブランドです。この綺麗な配色が当時大好きでした。
ジョゼ・レヴィのシグネチャーと言えるデザインが、左のジャケットにあしらわれているパイピング。同様のパイピングがシャツなどの他のアイテムにも用いられていたんですが、配色が絶妙でした。
当時のアイテムが欲しくてたまにディグってみるんですが、なかなか見つからないですね。今はブランドは活動していないようですが、もっと評価されても良かったのではないかと思うデザイナーです。
ドルガバもミニマルデザイン
ドルチェ&ガッバーナ。時代の空気を反映して、かなりミニマルなデザインです。
狭く浅いVゾーンも当時風。
マッチョな印象のパンツのシルエットなんかには、ドルガバらしさが感じられますね。
丸井系に属しますかね?日本のブランド、エブーオム。プラダスポーツなどが打ち出して人気だった、クリーンな印象のミニマルスポーツテイスト。
アメリカのデザイナーズブランド、リチャード・エドワーズ。トレンドを反映したブランドはどこも大抵似たような雰囲気でした。
今も昔も変わらないマーガレット・ハウエル
ですが、マーガレット・ハウエルは今も昔も変わりません。ナチュラルな雰囲気のカジュアルスタイル。こういった芯がしっかりしたデザイナーには個人的に非常に好感が持てますね。
オランダのデザイナーズブランド、ソー・バイ・アレキサンダー・ヴァン・スロベ。デザイナーはアートに造詣が深く、デザインもアーティスティックな雰囲気。
こういったアプローチのブランドも、今見ると新鮮ではないでしょうか。
右ページは山本耀司が手掛けていたダーバンのブランド、A.A.R。永瀬正敏さん。
デザインの背景が垣間見えるデザイナーアトリエ訪問
MRの好きな連載のひとつが、こちらのデザイナーのアトリエ訪問。今回はジョー・ケイスリー・ヘイフォード。ひねりの効いたデザインで人気のブランドでした。
デザイナーのジョー・ケイスリー・ヘイフォードは2019年にガンでお亡くなりになってしまいました。
デザイナーだけでなく、他のアトリエスタッフも登場したりするのがこの連載の素敵なところ。
デザインの背景にあるものが色々垣間見えるのも楽しかったです。
左ページはコムデギャルソンオムの丸の内の新店舗オープンの記事。
当時のデザイナーは田中啓一さん。当時大学生だった僕は神戸の実家に住んでいましたが、服好きが高じてコムデギャルソン青山店をはじめとした東京のお店を見るために東京旅行をし、この店舗もそのときに訪れました。
当時人気だったダニエルとアソブという兄弟モデルのファッションページ。
アーティスティックな20471120
90年代後半の日本のファッションカルチャーを語る上で欠かせないブランド、20471120。当初はポップでキッチュなイメージが強くありましたが、この頃からこのページのようなアーティスティックな作風にシフトした記憶があります。
アンダーカバーの傑作レリーフシリーズ
アイテムページ。右ページはアンダーカバーの傑作、レリーフシリーズ。ポケットなどのディテールが全てデニム素材のアタリで表現されています。ストリートとモードのクロスオーバーとも言うべき、アンダーカバーらしい逸品です。このシリーズ、少し前に欲しくてディグってみたんですが、やっぱり人気で高価なんですよねぇ。
真っ白のアウターで1ページ。これもミニマルデザイン人気の高さが伺えます。
右ページのシャツはコムデギャルソンオムプリュス。
その人らしさが垣間見えて毎回楽しみだった、著名人の旅支度を紹介する連載。この号は俳優の田口トモロヲさん。
エディ・スリマンが手掛けるサンローラン・ジーンズ
服飾評論家の出石尚三さんによるアイテム研究の連載。様々なアイテムの歴史を紐解いていくという、毎回非常に勉強になる内容でした。当ブログ執筆においても数多く参考にさせてもらっています。
ジーンズの元祖、リーバイス501のディテール深堀り。
で、面白いのがモード誌らしく、最新のデザイナーズブランドのジーンズも掲載されているところ。いわば、ジーンズの最進化型。筆頭に挙げられているのが、当時頭角を現しつつあったエディ・スリマンが手掛けるサンローラン・ジーンズ。W<の落書き風プリントジーンズは当時の人気アイテムでした。
アイテムページ。シューズはポテっとしたつま先のものが目立ちますね。
ボディバッグも流行っていました。ヴィヴィアン・ウエストウッド、ビューティー・ビーストなどの当時の人気ブランド揃い踏み。
個性的なデザインの時計の数々
Gショックの大ヒット以降、スプーンやインディペンデントなど様々なブランドから個性的な時計が多数出されたのもこの時代。トリコロールカラーのアイテムはビューティー・ビーストのガンダムコラボ。カバン・ド・ズッカの時計はお手頃価格で付けている人多かったですね。
今やお宝?late90sジャパニーズデザイナーズ
東京コレクションニュース。シンイチロウ・アラカワは現在人気のPPFMのように、海外でウケそうな雰囲気がありますね。その他のブランドも、今ディグれれば結構高値が付くのではないでしょうか。
イッセイ・ミヤケ出身の津村耕佑さんが手掛けるファイナルホームは既にアーカイブ市場で高騰しています。バスストップと荒川眞一郎さんのコラボブランド、0cm3は当時パンツを持っていました。
左ページは、かつてアンダーカバーの高橋盾さんと共に活動していた一ノ瀬弘法さん。
MRの女性版、HFの表紙はプラダスポーツ。この雰囲気、そしてキャッチーな赤タグはプラダスポーツがオリジンです。
キャサリン・ハムネットがMRの裏表紙の定番でした。
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