90年台のファッション誌を中心に、昔のファッション誌のアーカイブを兼ねてご紹介する企画、90sアーカイブ。
表紙が完全にマルタン・マルジェラ
今回ご紹介するのは、スタジオ・ボイス1998年7月号Vol.271。特集はマルタン・マルジェラです。新聞紙の切り抜きをコラージュした挑戦的な表紙。この余白の多さがいかにもマルタン・マルジェラな雰囲気です。
マルタン・マルジェラは僕にとって90年代を代表するファッションデザイナーのひとり。90年代がテーマの座談会には、90年代の象徴として当時購入したマルタン・マルジェラのエイズTシャツを着て行きました。
Amazonで調べてみると、最も安い出品で5,629円。だいたい6,000円前後が相場のようです。
STUDIO VOICE (スタジオ・ボイス) 1998年 07月号vol.271
記事のアップ前にツイッターでご紹介すると早速反応をしていただき、マルタン・マルジェラの人気の高さを再認識しました。
これは興味しかない、、、、
— msy. |ファッションクリエイター (@maru_maruer) 2020年11月17日
絶対面白いやつ、、、 https://t.co/33uw0jWLZl
むちゃくそかっこいい…この時代のアントワープバチバチモード、ほんとに最高…アン デュメルメステールとか今どうなっとるんだろ。ファッションは廻るって言うからこの世界観戻ってこないかな… https://t.co/BSCGQlmsgF
— モリコ (@morikorn) 2020年11月17日
まずはスタジオ・ボイスについて、ウィキペディアから引用します。インファスは大内順子でお馴染みテレビ東京で放送されていたファッション通信を制作していた会社でもありますね。
1976年9月に創刊された日本の月刊カルチャー雑誌である。INFASパブリケーションズ(旧株式会社流行通信)発行
最盛期の発行部数は約10万部であったが、その後部数が減少し、広告収入も落ち込んだことから、2009年8月6日発売の2009年9月号(通巻405号)をもって休刊した[2]。ただし、オンライン版のSTUDIO VOICE ONLINEは継続されている。その後、2012年11月、2013年9月に特別号が発売された。
ツイッターアカウントもあります。
ということで内容に。リーバイス広告。トラッカースリムジャケット。
ポール・スミスデザインのミニ。割と最近、近所で走っているのを見かけました。当時、メンズデザイナーズブランドでポール・スミスは一二を争う人気の高さを誇っていました。
ベネトングループのブランド、シスレー広告。
長い間見てないなーと思って調べてみたら、現在はリアル店舗は京都にしかないようです。
J-PHONE広告。ケンウッド製です。
資生堂の整髪料アンタイド広告。鈴木一真さん。
バレンシアガのデザイナーにナルシソ・ロドリゲスが就任したという記事。
こちらが現在のバレンシアガ…同じブランドとは思えません笑。
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フィアット、パンダ広告。好きなデザイン。
トランスコンチネンツの時計!こういったレトロフューチャーデザインが当時流行っていたんですよね。商品のデザインだけでなく、広告のビジュアルもかなりレベルが高いですね。
王道であり核心であるマルタン・マルジェラ
で、ここからがマルタン・マルジェラ特集です。
”マルジェラの創造物は意外性に充ちていつつも、王道であり核心なのである”
これは…マルタン・マルジェラのアトリエの郵便受けですかね?
1998年秋冬コレクション。
小説家、シドニー・ピカソによる1998年秋冬コレクションの解説。
後のQ&Aページの質問者4人による、マルジェラ評。
お馴染みユナイテッドアローズの栗野宏文さんの文章が一番共感できました。
”単なる服のデザインではなく時にはその構造それ自体を徹底して追求したり、社会との関係性といった視点で服を開いていく行為、それ等の全てに、服を創ることそのものと、それを着るヒトの存在へのとてつもなく深い愛を感じさせてくれ、勇気を与えてくれる、それが僕にとってのマルタン・マルジェラです”
さすが栗野さん。
右下にあるファッション誌ストリートの別冊として発売された、マルタン・マルジェラの写真集も持っていますので、そのうちご紹介できればと思います。
前衛写真家、マーク・ボスウィックによる1998年秋冬コレクションのビジュアル。
ベルギーの写真家、ロナルド・ストープスがアントワープで撮影したビジュアル。
ロナルド・ストープスは他にもヘルムート・ラングの作品などを撮影しています。
回答が空欄のQ&A
”66Q&A to Maison Martin Margiela”
栗野さんら4人とスタジオ・ボイスのエディターによる、マルタン・マルジェラへの質問とその答えです。面白いのが、回答が空白になっている質問があるところ。例えば栗野さんの「ロック・バンドのライブには行きますか?」「クラシックで好きな作曲家や曲はありますか?」というような質問には無回答です。
”Q:ファッション史のなかで、貴方が最もエポックな発明だと思うものは何ですか?
A:衣類”
マルタン・マルジェラのエキシビションで行われた、衣類を最近で色付けさせるという試み。
昨年観たマルタン・マルジェラの映画で知りましたが、このエキシビションはマルタン・マルジェラ本人が手掛けたものではなかったそうです。
日本での取扱店リスト。アドバンスドチキューとか、超懐かしいですね。行ったことなないのですが笑。
なんでもないモノを美しいモノに生まれ変わらせる
過去のアーチザナルプロダクション(手仕事による作品)のコラージュ。個人的に一番マルジェラらしさが出ていると思うコレクションです。
磁器の破片を繋ぎ合わせたベストや、ボディ(人台)でできた服など、既成概念をぶっ壊しまくる作品の数々。
当時、文字通り度肝を抜かれたのがこのページ。XXXXLサイズ(タイプミスじゃありません笑)のタンクトップの上からシースルー素材のTシャツを着せ、ドレープが豊かなドレスのように見せている作品です。
どこにでもあるなんでもないモノを美しいモノに生まれ変わらせるということに感動しました。
ファッションとは何か、美しさとは何か、クリエイションとは何か。これを見て色々考えさせられ、強く影響を受けました。
僕にとってコムデギャルソンの川久保玲に次いで影響を受けたファッションデザイナーがマルタン・マルジェラで、そのクリエイションの真髄はこの1ページにあると思っています。
シーズンのスタンプも90sマルジェラを象徴するデザインですね。
伝説のマルジェラエルメス
そして、これだけアヴァンギャルドな作風のマルタン・マルジェラを、フランスの伝統の象徴と言える老舗メゾン、エルメスがデザイナーに起用するなんて、全く想像も付きませんでした。
そして、世に送り出されたのがこの素晴らしい作品の数々。洗練された美しい服でありながら、前衛的なデザインが取り入れられている、まさにマルジェラとエルメスという奇跡の組み合わせでしか実現できなかったであろうコレクションです。ここでマルタン・マルジェラ特集は終わり。
カウボーイビバップとの出会い
スウォッチ広告。スウォッチも90年代を代表するブランドの1つですね。
こちらはアーティスト、ジョアン・フォンベルタに関する記事。
カシオの腕時計、データバンクの広告記事。読み応えあります。
カルチャー紹介ページ。僕はここで、カウボーイビバップの存在を知りました。かなりハマり、サントラも全て購入したほどです。
今YouTubeで検索してみたんですが、普通に本編が観られるようになっていますね…そのうち消される可能性大でしょうが。とても面白いオススメ作品です。
映画紹介。
アート紹介。
ブレイク直後のMISIA
音楽紹介。そういや、僕が通っていた関西学院大学の学祭に当時大ブレイクしていたMISIAが来たんですよね。ブレイクする前にオファーしたから実現したと聞いた覚えがあります。
中芝と呼ばれる、大きな芝生広場での野外ライブ。無料だったので凄い人の数でした。
https://www.zoukei.net/kobe/kwanseichushiba.html
オフィシャルのヒストリーにも掲載されていますね。
10/18〜 COLLEGE TOUR '98
6大学での学園祭。関西学院大学野外特設ステージ、初の野外ライヴで観客は1万人を超えた!グランドに入りきらない観客が一目MISIAを見ようとキャンパスの窓という窓から、またある人は木の上によじ登って身を乗り出していた。
プレイステーションのゲーム広告。
そのゲームの紹介記事。”布袋のギターとシンクロ体験”。
宇川直宏さんとボアダムスのアイさんの対談。
スーパーカーのインタビュー。
Gショックのバリエーションモデル、Gクールのタイアップ記事です。
アーティスト大竹伸朗さんインタビュー。
ヘアメイクアップイベントの広告。
なんか…よくわかりませんが、実験的なページ。
多摩美術大学広告。
地下鉄のザジ。名前は聞いたことあるけど、内容は全然知りません笑
金城武さん主演の映画、不夜城のDVD、ではなくCD-ROM!写真集みたいな感じっぽいですね。”金城武スクリーンセーバー&壁紙集”という特典が時代を感じさせます。
裏表紙は新聞紙のコラージュの表紙と呼応するような、余白の多いハイネケン。
この記事があなたのお役に立てれば幸いです!