山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

僕が大好きな田中啓一さん(元コムデギャルソンオムデザイナー)について。

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 今回の記事は僕が大好きなファッションデザイナー、田中啓一さんについて。

この記事を書くことにしたのは田中啓一さんについての情報がネットでほとんど見つからないからです。「田中啓一」でググると、僕が以前書いたこの記事がかなり上位にヒットしてしまいます。この内容で上位になるのなら、田中啓一さんの魅力を改めてきちんとご紹介する記事を書いてGoogle上位に表示させたいと思いました。

www.yamadakoji.com

まずはこちらのページから田中啓一さんの略歴を引用します。

tenpomap.blogspot.com

1955年 東京都生まれ
1977年 東海大学工学部卒業後「鷺宮製作所」に入社しエンジニアとして3年間勤務
1980年 文化服装学院アパレルデザイン科入学
1983年 文化服装学院卒業後「NICOLE|ニコル」に入社し「MONSIEUR NICOLE」に6年間勤務
1990年 コムデギャルソン入社「COMME des GARCONS HOMME」「COMME des GARCONS HOMME HOMME」のデザイナーに就任
2003年 退職
2010年 春夏より独自のブランド KONTRAPUNKT|コントラプンクトスタート

なんと工学部卒でエンジニアとして就職後に文化服装学院でファッションを学んだという異色の経歴。

弟はお笑いコンビ爆笑問題の田中裕二さん。コムデギャルソンから独立後に立ち上げた会社の代表取締役は、爆笑問題の所属事務所社長で太田光さんの妻でもある太田光代さんが務めていました。

www.yamadakoji.com

 

大人の男が着て恥ずかしくない服

僕は大学生だった1998年から2002年の頃が人生で最もファッションに熱中していた時期でしたが、そのときに一番たくさん服を買ったのが、当時田中啓一さんが手掛けていたコムデギャルソンオムです。

当時、コムデギャルソンのメンズのデザインを手掛けていたのは川久保玲さんと田中啓一さんの2人。パリコレクションでランウェイショーを行うこともあり、川久保玲さんが手掛けるコムデギャルソンオムプリュス(と姉妹ブランドのコムデギャルソンシャツ)は前衛的でインパクトがあるデザインが特徴です。

これに対し、コムデギャルソンオムのデザインについてはMR2002年6月号のインタビューで田中啓一さんがこう語っています。

大人の男が着て恥ずかしくない、でもどこかに必ず新しさがある服-その基本は、オムを引き継いでからずっと変わっていません。具体的な言葉で言い表すのは難しいのですが、強いていえば、男らしさ、シンプルさ、新しさ、強さといったような要素をうまくミックスさせられたらと、常々思っています。

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例えばこちらのシャツ。ぱっと見は普通のグレーの開襟シャツ。

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ですが、見頃はデニムでそれ以外はツイル素材と、さり気ない切替デザインが施されています。どこかゆるさが感じられる白ステッチも田中啓一さんデザインの特徴の1つです。

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こちらは大学の卒業式用に購入したセットアップ。こちらもこうやって見ると普通の真っ黒のスーツに見えますが。

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こうやってよく見ると、ラペルの生地が切り替わっているのがわかります。

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パンツもさり気ない切替。

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実はジャケットはリバーシブルだったりもします。僕は裏側で着たことはほとんどありませんが笑。

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このような、さり気ないデザインが田中啓一さんのコムデギャルソンオムの最大の特徴だと思います。川久保玲さんのデザインはコレクションピースということもあり、40歳を目前にした今になるとなかなか着られないアイテムもあるのですが、田中啓一さんのデザインは今でも余裕で着られる、というより大学生のときより今のほうが似合うのではないかと思います。

また、素材や加工に対するこだわりが強いのも特徴です。

↑と、2018年の2月にツイートしていますが、結局2018年も2019年もこのジャケットを着て外出することはありませんでした。このボクシーで丈の長いシルエットのジャケットはまだ早いかな、と思います。来年は着られますかね…。

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田中啓一さん再評価の機運

そんな田中啓一さんのコムデギャルソンオムに対し、最近再評価が高まっている気がします。 

↓こちらのロゴを分割したデザインは、コムデギャルソンシャツとシュプリームのコラボアイテムの元ネタと言われています。

 

また、原宿や渋谷などの高感度な古着屋さんでも田中啓一さん時代のコムデギャルソンオムを見かけることが増えました。

www.instagram.com

 

田中啓一さんの最近の動向 

この記事を書くにあたり、ネットやツイッターで最近の田中啓一さんの動向を探ってみました。すると見つかったのがこのあたり。 僕が探した限りでは2015年の情報が最新でした。

大学の講師としても活躍されているそうです。ちなみにこちらはMR2001年11月号。写真の腕前はプロ級と紹介されています。

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今の気分にぴったりな田中啓一デザイン

同じコムデギャルソンでも川久保玲さんや渡辺淳弥さんは前衛的なデザインの商品が多いのですが、先述の通り田中啓一さんはさり気ない大人なデザインが特徴。

また、リラックス感のあるゆったりとしたシルエット(多くのシャツは僕が着てちょっと肩が落ちるくらいのゆったり感です)、同系色を組み合わせたデザインなど今の気分にぴったりの要素が多数あります。

ちなみにシャツやTシャツはグレーに白字、ジャケットなどのアウターは黒に金字のタグが田中啓一さんデザインのコムデギャルソンオムの証ですので、楽天市場やメルカリヤフオクなどでディグるときの参考にして下さい。