今回の記事は僕が大好きなファッションデザイナー、田中啓一さんについて。
今日のブログは僕の大好きなデザイナー、元コムデギャルソンオムの田中啓一さんについて書こうと思っています。記事掲載用に撮影した写真を現像しているのですが、こうやって客観的に見てもどれもやっぱり素晴らしいデザインです。 pic.twitter.com/y7Ppy7qZkd
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) July 2, 2019
この記事を書くことにしたのは田中啓一さんについての情報がネットでほとんど見つからないからです。「田中啓一」でググると、僕が以前書いたこの記事がかなり上位にヒットしてしまいます。この内容で上位になるのなら、田中啓一さんの魅力を改めてきちんとご紹介する記事を書いてGoogle上位に表示させたいと思いました。
まずはこちらのページから田中啓一さんの略歴を引用します。
1955年 東京都生まれ
1977年 東海大学工学部卒業後「鷺宮製作所」に入社しエンジニアとして3年間勤務
1980年 文化服装学院アパレルデザイン科入学
1983年 文化服装学院卒業後「NICOLE|ニコル」に入社し「MONSIEUR NICOLE」に6年間勤務
1990年 コムデギャルソン入社「COMME des GARCONS HOMME」「COMME des GARCONS HOMME HOMME」のデザイナーに就任
2003年 退職
2010年 春夏より独自のブランド KONTRAPUNKT|コントラプンクトスタート
なんと工学部卒でエンジニアとして就職後に文化服装学院でファッションを学んだという異色の経歴。
弟はお笑いコンビ爆笑問題の田中裕二さん。コムデギャルソンから独立後に立ち上げた会社の代表取締役は、爆笑問題の所属事務所社長で太田光さんの妻でもある太田光代さんが務めていました。
お洋服にご興味ある方へ。田中裕二の兄、田中啓一デザイナーのブランド。krapunkt(コントラプンクト)の新作です。ホームページ、よろしければ是非、覗いてくださいませっ (^0^)/
— 太田光代 (@ota324) November 25, 2010
http://kontrapunkt.jp/
大人の男が着て恥ずかしくない服
僕は大学生だった1998年から2002年の頃が人生で最もファッションに熱中していた時期でしたが、そのときに一番たくさん服を買ったのが、当時田中啓一さんが手掛けていたコムデギャルソンオムです。
当時、コムデギャルソンのメンズのデザインを手掛けていたのは川久保玲さんと田中啓一さんの2人。パリコレクションでランウェイショーを行うこともあり、川久保玲さんが手掛けるコムデギャルソンオムプリュス(と姉妹ブランドのコムデギャルソンシャツ)は前衛的でインパクトがあるデザインが特徴です。
MR00年10月号。00AWプリュス。格好良すぎ。ニット売らなきゃ良かった。 pic.twitter.com/O3ghTkO5ED
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) April 5, 2018
この春着たい服。10年ちょい前に買ったギャルソンシャツのパッチワークパンツ。ご覧の通りド派手過ぎるのでこちらも最近穿いていませんでしたが、先日ご紹介したGUのワークジャケットと合わせたらアラフォーの今でも着られそうな気がします。 pic.twitter.com/2CilBZmVYL
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) February 15, 2018
これに対し、コムデギャルソンオムのデザインについてはMR2002年6月号のインタビューで田中啓一さんがこう語っています。
大人の男が着て恥ずかしくない、でもどこかに必ず新しさがある服-その基本は、オムを引き継いでからずっと変わっていません。具体的な言葉で言い表すのは難しいのですが、強いていえば、男らしさ、シンプルさ、新しさ、強さといったような要素をうまくミックスさせられたらと、常々思っています。
例えばこちらのシャツ。ぱっと見は普通のグレーの開襟シャツ。
ですが、見頃はデニムでそれ以外はツイル素材と、さり気ない切替デザインが施されています。どこかゆるさが感じられる白ステッチも田中啓一さんデザインの特徴の1つです。
こちらは大学の卒業式用に購入したセットアップ。こちらもこうやって見ると普通の真っ黒のスーツに見えますが。
こうやってよく見ると、ラペルの生地が切り替わっているのがわかります。
パンツもさり気ない切替。
実はジャケットはリバーシブルだったりもします。僕は裏側で着たことはほとんどありませんが笑。
このような、さり気ないデザインが田中啓一さんのコムデギャルソンオムの最大の特徴だと思います。川久保玲さんのデザインはコレクションピースということもあり、40歳を目前にした今になるとなかなか着られないアイテムもあるのですが、田中啓一さんのデザインは今でも余裕で着られる、というより大学生のときより今のほうが似合うのではないかと思います。
また、素材や加工に対するこだわりが強いのも特徴です。
この春着たい服。2000AWギャルソンオムのジャケット。田中啓一オムらしいボックスシルエットとナイロン素材のストーンウォッシュという珍しい加工。これも10年くらいは着ていないと思いますが、先述のオムのワイドパンツと合わせてみたらいい感じでした。今春着られるかなー。 pic.twitter.com/kqVU01Du8J
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) February 15, 2018
↑と、2018年の2月にツイートしていますが、結局2018年も2019年もこのジャケットを着て外出することはありませんでした。このボクシーで丈の長いシルエットのジャケットはまだ早いかな、と思います。来年は着られますかね…。
田中啓一さん再評価の機運
そんな田中啓一さんのコムデギャルソンオムに対し、最近再評価が高まっている気がします。
↓こちらのロゴを分割したデザインは、コムデギャルソンシャツとシュプリームのコラボアイテムの元ネタと言われています。
明日はお初のところとミーティングなので久し振りにクローゼットを漁ってたら、完全に存在を忘れてたシャツを発見。解禁、ロゴ、ボックスシルエットと旬の要素満載の20年弱前、田中啓一時代のコムデギャルソンオム。明日早速着てみます。服はかなり捨てたんですが、まだこんな出会いがあるとは。 pic.twitter.com/2VCXpo9rui
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) August 23, 2017
また、原宿や渋谷などの高感度な古着屋さんでも田中啓一さん時代のコムデギャルソンオムを見かけることが増えました。
田中啓一さんの最近の動向
この記事を書くにあたり、ネットやツイッターで最近の田中啓一さんの動向を探ってみました。すると見つかったのがこのあたり。 僕が探した限りでは2015年の情報が最新でした。
void+落語ナイト-新章-疾風迅雷夢にお越し頂きまして真事にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。左からvoid+社長の杉原寛さん、柳家三三さん、拙、コムデギャルソンオム・先代チーフデザイナー田中啓一さん pic.twitter.com/IHs3DoWuT8
— ヤナギマン (@shidow_yanagiya) October 6, 2015
コムデギャルソンでデザイナーをしていた田中啓一さんの講演会なう。
— 佐藤 圭真/Keima Sato (@keima112019) May 15, 2015
17:50まで円形講義室です。 pic.twitter.com/bMG8QIigwT
本日プロダクトデザイン特別講義が行われました!講師はコム・デ・ギャルソンのデザイナーとして活動した田中啓一さんです!(^^)
— 長岡造形大学 (@N_I_D) May 15, 2015
ご自身の経験やデザイナーになったきっかけ等ユーモアを交えてお話しいただきました。 pic.twitter.com/lWCmiqiqRU
大学の講師としても活躍されているそうです。ちなみにこちらはMR2001年11月号。写真の腕前はプロ級と紹介されています。
今の気分にぴったりな田中啓一デザイン
同じコムデギャルソンでも川久保玲さんや渡辺淳弥さんは前衛的なデザインの商品が多いのですが、先述の通り田中啓一さんはさり気ない大人なデザインが特徴。
また、リラックス感のあるゆったりとしたシルエット(多くのシャツは僕が着てちょっと肩が落ちるくらいのゆったり感です)、同系色を組み合わせたデザインなど今の気分にぴったりの要素が多数あります。
ちなみにシャツやTシャツはグレーに白字、ジャケットなどのアウターは黒に金字のタグが田中啓一さんデザインのコムデギャルソンオムの証ですので、楽天市場やメルカリヤフオクなどでディグるときの参考にして下さい。