ツイッターで雑誌の売上が激減しているという話題を見かけました。
コロナ禍でとうとう終止符が打たれつつある感じ。電通博報堂の雑誌広告の売上で見ると、昨年と比べ3〜5割減という驚くべき数字に。/今年は100誌以上の雑誌が休刊 コロナ不況の追い討ちで歯止めがかからない雑誌不況 https://t.co/IAX7amz12r pic.twitter.com/bZkURnPYYg
— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) 2020年12月13日
今や、美容室でもファッション誌ではなくタブレットを渡される時代だそうです。
そういえば、この前美容院行ったら、紙の雑誌がなくなって、タブレットで雑誌を読むシステムに変わってました。コロナでタブレットの方が消毒が楽だし、サブスクにして経費も安いそうです。買わせるため雑誌についてくるエコバックなどのおまけも美容院には不要なので、良かったと。
— Machiko Yamakawa (@mshacho) 2020年12月13日
僕も愛用しているdマガジンは月額400円。
他にも楽天マガジンは月額380円など、雑誌1冊分以下の価格で膨大な雑誌がスマートフォンやタブレットで手軽に読めるようになっています。
雑誌は完全にオワコン、という雰囲気があるようですが、僕は現在雑誌は若者の間で隠れたブームになっており、今後は復権の可能性も十分あると思っています。
響く人には響いている90sファッション誌
最近、当ブログで力を入れているのが90年代のファッション誌のアーカイブする企画、【90sアーカイブ】。www.yamadakoji.com
一連の記事のPV数は正直そんなに高いとは言えないのですが、先日はツイッターで「古着女子」の片石貴展さんからリプライをいただくなど、響く人には確実に響いている実感があります。
昨日の更新です。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) 2020年11月13日
【メンズノンノ1997年6月号】キムタク☓野口強☓ドルガバ。late90sモード系の王道。【90sアーカイブ】
山田耕史のファッションブログhttps://t.co/Fr1gcDh1Dy
かっこいい
— ゆ と りくん🍵 (@katap_yutori) 2020年11月13日
この辺の雑誌ってどこで掘ってるんですか?
追記:
現在はファッション誌のアーカイブを元に、より深掘りした読み応えのある記事をnoteで公開しています。
また、先日横浜仲町台の洋品店Euphonicaを訪れ、店主の井本さんとお話していたのですが、井本さんによるとEuphonicaに沢山揃えてある昔のファッション誌に興味を示す若者が増えているそうです。
数年振りにお会いする井本さんと、昔のファッション誌をネタに話したり、超魅力的な(お世辞ゼロです!)取扱い商品を見ながらあれこれ教えて貰ったり。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) 2020年12月8日
服屋でお話しするのって久し振りでしたが、昔はこうやって知識を得たり、普通に会話を楽しんだりしてたなぁ、と。
しかも、ファッション誌に興味を示す若者はファッション感度だけでなく、知的好奇心も非常に旺盛だという傾向があるそうです。
百貨店で90年代の雑誌に群がるオシャレな女の子たち
僕も以前お邪魔して90年代のファッション誌を購入した古本屋さん、TUNELESS MELODY。
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TUNELESS MELODYと80〜90年代の古着を中心に扱う古着屋さんanytee、90年代を感じさせるイラストレーター好都さんによるポップアップショップ、NEO東京夜市が梅田阪急で開催されました。
古着と90s雑誌のイベントが西の横綱梅田阪急で開催。時代の変化を感じますね。ファッションがこれからもっと面白くなりそう。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) 2020年11月25日
“NEO東京夜市と百貨店と私” | anyteeのブログ | HOUYHNHNM(フイナム) https://t.co/hbFIRfDHcy
関西以外の方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、梅田阪急は伊勢丹新宿のような、ファッションのイメージが非常に強い百貨店です。名だたるラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを取り扱っています。大学生時代の僕がコムデギャルソンを始めとしたデザイナーズブランドを一番購入していたのも梅田阪急でした。
↑の記事からの引用です。
百貨店という綺麗なフロアで、カオスなマーケットを作りたかったのですが、90年代の雑誌を人だかりができて立ち読みする風景や、ヴィンテージのポスターが天井から吊るされるなど、撮りたい絵が実現できました。
90年代の雑誌に群がるオシャレな女の子たち。椅子に座って熟読する女の子も。こんな光景を見ると、雑誌に力がないなんて到底思えません。
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若者が90年代ファッション誌に惹かれる理由
梅田阪急でのNEO東京夜市は非常に象徴的な例ですが、最近は他にも90年代や00年代のファッション誌をテーマにしたイベントが開催されています。↓こちらは今年の1月に渋谷のツタヤでのイベント。
個人的に良かったのが別フロアで連動企画として展示されていた90sや00sの雑誌。立ち読み可能。広末、ロンブー、キムタクさんなど。じっくり読み込みたかったけど、帰って本の原稿書きます。 pic.twitter.com/3z9jqY5Orn
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) 2020年1月17日
先月は渋谷パルコで00年代の東京カルチャーを代表する雑誌、リラックスのイベントが開催されていました。
来れた! pic.twitter.com/M6cllbVFKW
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) 2020年11月27日
駆け足でしたが満喫しました。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) November 27, 2020
左の画像のポスターが1枚貰えるんですが、「どこに貼ろう?」と考えて出てきた映像が、神戸の実家の自室でした笑
リラックスは当時そんなに読んではなかったんですが、無意識に脳内タイムトラベルしてたんですね笑 pic.twitter.com/5TWjlyX7Dj
井本さんによると、若者は90年代の雑誌からポジティブなパワーを感じているのだそうです。確かに、【90sアーカイブ】で当時の雑誌を見ていると、ファッションを楽しんでいる空気感が伝わってきます。
また、僕の大好きなメンズモード誌、MRは音楽や書籍などのカルチャーページの充実度の高さなど、クオリティの面でも若者に評価されているそうです。デザイナーのインタビューなんかは僕も熟読していました。
MR99年2月号エディスリマンインタビュー。サンローラン時代。 pic.twitter.com/hkyovBJJAl
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) 2018年5月23日
MR02年6月号。コムデギャルソンオムデザイナー、田中啓一インタビュー。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) 2018年4月8日
コムデギャルソンオムの基本は「大人の男が着て恥ずかしくない、でもどこかに必ず新しさがある服。」。
理想的なコンセプト。 pic.twitter.com/CmCaERvR9A
MR02年10月号。ポールハーデン。 pic.twitter.com/XgkvvqIHRK
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) 2018年4月15日
個人的に、MRの素晴らしさは絶対に後世に伝えたいと思っているので、MRは必ず何かしらの方法でアーカイブ化するつもりです。
やっぱり。しかるべきところでは確実にファッション誌熱が高まってる気がします。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) 2020年11月23日
が。
僕的に世界一メンズのファッション誌、MR(ミスターハイファッション)を推す声は今の所 @Euphonica_045 くらいからしか聞こえないんですが…
MR再評価は絶対にやらなきゃなので、具体策を考えます。 pic.twitter.com/2kbXuBUhdW
知らなかったです!みてみたい
— ゆ と りくん🍵 (@katap_yutori) 2020年11月23日
ファッション誌にはまだ可能性が残っている
以前、若者の間で古着がブームになっていることをご紹介しましたが、この事実を取り上げているファッション誌や業界紙はほぼ皆無です。
古着と同じように、若者のファッション誌に対する熱は確実に高まっていると感じています。
以前と比べるとファッション誌の数はかなり少なくなりましたが、ファッション誌にはまだまだ可能性が残っていると思うのでお金を払っても読みたくなる雑誌が増えることを期待しています。
この記事があなたのお役に立てれば幸いです!