少し前の話になりますが、国立新美術館で開催された「ファッション イン ジャパン 1945-2020―流行と社会」に行ってきました。
そういやファッションインジャパン行くの忘れてた。明日行こうかな?https://t.co/SqqBS9wzH6
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2021年8月19日
2時間たっぷり見て疲れました。色々思う事はありましたが、面白かったですよ。後でAmazonで図録買おう。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2021年8月20日
じっくり見た後は、図録も購入。
ファッションインジャパンの図録とアクロス定点観測の本をポチり。楽しみ。https://t.co/2FREHa9Rzwhttps://t.co/0Z1Jy0mXYR pic.twitter.com/KfcRrw0Vn9
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2021年8月27日
展覧会同様、図録も非常に良い出来でした。ファッション好きは買って損はないと思います。
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僕の大学時代のゼミの教授が寄稿しててびっくり、なんてこともありました。
ファッションインジャパンの図録に、大学のゼミの恩師が寄稿しててびっくり。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2021年9月2日
とても興味深い内容でした。 pic.twitter.com/cKODu6gaug
1980年代以前は「知らない時代」
展覧会はタイトル通り、第二次世界大戦後からの日本のファッションの変遷を10年ずつの時代ごとに紹介しています。この「10年ずつの時代ごと」というのが僕的には非常に重要でした。
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1980年生まれの僕にとって、もちろん、1980年代を過ごしてはいましたし、当時の風俗についても体感はしていましたが、ファッションをちゃんと認識していた訳ではありません。
僕がファッションに目覚めたのは小学4年生くらい。生まれて初めて親にねだってアシックスのジャージー上下を買ってもらったころだと思います。
つまり、僕がファッションを認識し始めたのは1990年以降で、1980年代以前はいわば「知らない時代」。
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そして、そんな僕にとってファッションインジャパンで見た1980年代以前、特に1960年代、70年代、80年代は非常に魅力的に見えました。
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第二次世界大戦でどん底まで落ちた日本経済が復興し、そして世界一の経済力を有するまで成長するのが1980年代まで。
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つまり、右肩上がりの希望があった時代で、それぞれの時代のファッションにもそのワクワク感に満ち溢れていたのです。
戦後から60年代~90年代と追っていくと強く感じるのは、前向きな勢いでした。未来に夢や希望があって、自分たちこそが新しい風を吹かせるのだという強い気概が作り手にあり、受け手もただそれを享受するだけでなく、街に出て、自分たちの風俗を形成している。その絶え間ない連続なんです
— Euphonica 横浜仲町台の洋品店 (@Euphonica_045) 2021年7月22日
例えば、展覧会でも流されていた、1960年代のレナウンのCM。たった1分の動画ですが、時代の明るい空気感が十分に伝わってきます。
展覧会では同じように自分が経験をしていない、面白そうな60年代、70年代、80年代のオンパレードで、見ている僕は「いいなぁ。こんな空気、自分も味わってみたかったなぁ」と、ちょっと憧れを持つようになりました。
リバイバルは「知らない時代」への憧れ
今や、ファッションはリバイバルとほぼ同義です。
少し前も90年代がリバイバルで人気を集めていましたが、リバイバルとは「知らない時代」への憧れではないか、とファッションインジャパンを見終わってから思うようになりました。
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僕は以前から、2000年代以降は過去のファッションのリバイバルや編集ばかりで、革新的に新たしいファッションは特に生まれていないのではと思っていました。
確かに、1980年代までの右肩上がりのワクワク感や、1990年代のクリエイティブなミックス感は、2000年代以降はあまり感じられません。
ですが、2000年代以降もその時代ならではのファッションは確実に生まれています。
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例えば、当ブログのファッションアーカイブでご紹介した、ちょうど10年前の2011年のメンズカジュアルファッションは、今の価値観ではあまり魅力的には思えません。
ですが、2010年代のファッションは振り返って楽しむにはまだ熟成期間が足りていないのではないかと思います。
今、僕の子供は9歳、6歳、4歳ですが、彼らにとって10年代のファッションは「知らない時代」として憧れの対象になるかもしれません。
2000年代ファッション再評価
実際に、20年前である2000年代のファッションには今再評価の機運があります。ストリートファッションを牽引するシュプリームは、00年代ファッションを代表するトレンドだったセレブジーンズで一世を風靡したブランド、トゥルーレリジョンとのコラボレーションを発表。
来た来た!00sセレブジーンズ大復活!
— 山田耕史 (@yamada0221) 2021年9月28日
シュプリームがトゥルー レリジョンとのコラボコレクションを発売 | https://t.co/OjG7O91zLN https://t.co/ZPXeMa3HBu
それ以外にも00年代のファッションは今徐々に人気が高まっている感があります。
00sヒロスエ、インスタで6000オーバーのいいねと外国人からの絶賛を集めまくる。 pic.twitter.com/c2tg5LfguE
— 山田耕史 (@yamada0221) 2021年7月23日
当時僕はほぼ横目で見てただけでしたが、こんな感じの00sストリートパンク的なのもいいですねぇ。 pic.twitter.com/3NOLGiESyw
— 山田耕史 (@yamada0221) 2021年10月14日
「知らない時代」を知るきっかけ
最近当ブログでかなり力を入れている、過去のファッション誌をご紹介するファッションアーカイブ。
日本を代表する(と個人的には思っている)ファッションベンチャー、yutori社長の片石貴展さんと先日念願叶ってお会いしたのですが、そのときにファッションアーカイブがかなり参考になると仰ってくれました。
ずっとお会いしたかった @katap_yutori とお話できました。
— 山田耕史 (@yamada0221) 2021年9月24日
僕のブログのファッション誌アーカイブを参考にしてくれているそう。少しでも若い人のお力になれるのは嬉しい限りです。
9090の商品は初めて実物に触りましたが、凄くちゃんとしたつくり。ディテールや素材も凝ってて、びっくりしました。 pic.twitter.com/7x2j6ghZiY
そして、片石さんも00年代が最近気になるとのこと。
先日ゆとり社長とお話したとき、今気になりますよねー、と意見が一致したのが00s。
— 山田耕史 (@yamada0221) 2021年9月27日
タイミング良く、early00sのメンノンを入手しました。この頃のメンノンはあんまり読んでないので個人的にも楽しみです。 pic.twitter.com/JE1KbojrXN
先日の神保町での戦利品。00s〜10sのエディ・スリマンからトム・ブラウンへの変遷を分析できればと思ってます。 pic.twitter.com/62RCJhvg66
— 山田耕史 (@yamada0221) 2021年4月11日
僕自身が昔のファッション誌を見るのが好きなことがファッションアーカイブを始めたきっかけでしたが、片石さんのような若い人が「知らない時代」を知るきっかけになるのは非常に嬉しいことで、今後はそういったこともモチベーションにファッションアーカイブを続けていきたいと思っています。