山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

「ジレにTシャツ」がいかにも10年前のファッションに見える理由。【STREET JACK 2011年7月号】

こんにちは。兼業主夫/ファッションアナリスト/ワークマン公認アンバサダーの山田耕史(@yamada0221)です。
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90年代のファッション誌を中心に、昔のファッション誌のアーカイブを兼ねてご紹介する企画、ファッションアーカイブ。

これまでの記事はこちらから。

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マス層が対象のわかりやすいトレンド

今回ご紹介するのはSTREET JACK 2011年7月号です。

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STREET JACKのメインターゲットはティーンズ。ですので、提案されているファッションも、パリコレクションやミラノコレクションなどでデザイナーズブランドやラグジュアリーブランドが発信する最先端トレンドではありません。僕の著書、「結局、男の服は普通がいい」で、ファッショントレンドの構造をピラミッドで表現していますが、STREET JACKのトレンド感はこの図の中段から下段あたり。つまり、マス層が対象のわかりやすいトレンドが提案されています。

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ちなみに、前回ご紹介したSTREET JACKは今号の約1年前のSTREET JACK 2010年10月号。裾裏チェック柄パンツ全盛期でしたが、1年間でどれだけ提案されているファッションが変わったでしょうか。

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時代感が強く出るパンツの丈

改めて、表紙の向井理さんが着ているのはオレンジのマウンテンパーカとチェックシャツ。チェック柄はペールトーンカラーの多色使い。で、柄もかなり大きめ。袖はシャツとマウンテンパーカをまとめてロールアップしています。

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冒頭はストリートスナップ。ニューエラの広告と並んで、ニューエラのキャップを被っている人が登場しているのは偶然でしょうか…

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1人だけだとあまり感じませんが、こうやって沢山の人のコーディネートが並ぶと11年前、という時代を強く感じます。

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ロールアップしたパンツにカラーソックス、そしてぽってりとしたフォルムの革靴がかなり特徴的。

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こちらはクロップド丈。この丈はこの時代を象徴するトレンド要素と言えそうです。

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やはり目立つクロップド丈。

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そして、ジレonシャツ。オルテガ柄も久しく見ていないモチーフ。

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ワークキャップにボーダー柄のシャツ、襟元にスカーフ。そしてクロップドパンツ。トレンド要素がかなり盛り込まれたコーディネート。

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2010年のSTREET JACKでトレンドアイテムとして目立っていた中折れ帽は、2011年もまだ人気のようです。

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K-SWISSのスケートライン?の広告。こんなのありましたっけ。

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ヘンリーネックTシャツにリネンシャツが鉄板コンビ

巻頭はコーディネート特集。”夏が始まる4つのコーディネート”としてマリン、ワーク、ビーチ、アウトドアを提案。

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表紙では見えませんでしたが、ボトムスはサルエルショートパンツ。

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コーディネート紹介。

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”今夏の鉄板コンビはこれです!編”はヘンリーネックTシャツにリネンシャツ。サックスカラーを基調にした、明るめのシャツにTシャツ、そして柄パンツ。トリコロールカラーが基調。

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デニムシャツにボーダー柄Tシャツ。ショルダーバッグ、首元にはスカーフ。…これ、かなり時代感が強いですね…。

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ここらへんもかなりの時代感。

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ワークキャップにカレッジTシャツにジレにクロップドパンツ。カレッジTシャツ自体のデザインはオーセンティックで、2021年の今着ても全く違和感は無さそうですが、トレンド感が強いジレやクロップドパンツと合わせることで、これだけ時代感が強くなってしまいます

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こうやって全体を俯瞰で眺めても、目が行くのはやはりパンツの丈

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 Tシャツonシャツコーディネート

また、コーディネートで目立つのがレイヤード。

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当時流行っていたのがこちらのTシャツonシャツのコーディネート。

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こちらでも提案されています。

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Tシャツのプリントやシャツの柄にも時代感がありますが、こうやってトレンド性が高いコーディネートをすることで、時代感が更に強くなっています

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半袖Tシャツにジレ、レッドとブルーのボーダー柄パンツに斜めがけバッグ。トレンドが増えれば増える程、時代感も増していきます

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”Tシャツにハンパ袖シャツをプラス”ということで、七分袖シャツも当時のトレンドアイテム

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ですが、やっぱり一番時代感が強いアイテムはジレかもしれません。その中でも特に、ジレonTシャツは2021年は特段時代感が強いコーディネートではないでしょうか。

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ジレの時代感が強い理由

ジレの時代感が強い理由として、僕が考えるのは「消費されつくしてしまった」からだと思います。

Gジャンやスウェットパーカなどの他のトップスに比べ、このとき流行っていたカジュアルな印象のジレはいわゆるメンズカジュアルファッションの定番アイテムではないので、当時かなり真新しい存在だったでした。

つまり、消費者にとってはかなりインパクトがあるアイテムだったので、今号で提案されているようにジレは誰でも簡単にトレンド感がアピールできるアイテムとして、当時かなり人気を集めていました

そうやって頻繁に目にしてしまうと、どんなモノでも飽きられてしまいます。どんなアイテムでも大流行すればするほど、その時代の印象が強くなり、後から見返したときに時代感が強くなってしまうのではないでしょうか。

例えば、以前の記事でご紹介したスキニーパンツのブーツイン

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スキニーパンツブーツインも見た目のインパクトがあり、かつ誰にでも簡単にトレンド感がアピールできる着こなしです。それ故、消費されつくしてしまい、時代感が強い着こなしになってしまいました。

 

長い年月着られる服の選び方

前から何度も繰り返していますが、ファッションは時代性とは切っても切れない存在なので、その時代ならではの服を着るのもファッションの楽しみ方の1つで、僕はその楽しみ方を否定しません。

ですが、個人的にはどうせ買うなら長く着られる方がいいと思っていますし、後から見返して恥ずかしくなるような服はできるだけ着たくないなぁ、と思っています。

僕は10年どころか20年以上前の服を着ることもありますが、今号で登場しているジレのようなアイテムは流石に10年後の今、着たいとは思えません。

長い年月着られる服の選び方の基準として、僕の著書「結局、男の服は普通がいい」ではシンプルでベーシックなデザインの「普通服」をオススメしています。

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それに付け加えるとするなら、今回ご紹介したジレのような、見た目のインパクトがあり、かつ誰にでも簡単にトレンド感がアピールできるアイテムを避けることも挙げられると思います。

さて、今号はまだまだ続きがありますが、それはまた明日以降にご紹介します。

この記事があなたのお役に立てれば幸いです!