山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

【STREET JACK 2010年10月号】裾裏柄パンツ全盛期。でももっと「時代感」が出てたのはアレでした。

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先日の神保町行脚で昔のファッション誌を沢山仕入れてきました。

 これまでは僕のファッションの原体験である90年代のファッション誌が中心でしたが、今回は時代の幅を広げています。その1つが、先日の記事でご紹介した80年代。

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そして、今回ご紹介するのは10年代のファッション誌、STREET JACK 2010年10月号です。

 STREET JACKは1997年創刊。こちらは創刊号の画像です。

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当時はハイテクスニーカーブームがまだ続いていたので、スニーカーを中心としたストリートファッションをメインに扱っていました。僕もちょくちょく読んでいた記憶があります。

今回の2010年7月号を読んだ印象では、大手セレクトショップを中心としたカジュアルファッションを高校生〜大学生くらいに向けて発信していたようです。

つまり、STREET JACKに掲載されているのはイノベーター層に向けた最先端ファッションではなく、比較的マス向けのファッションということです。

STREET JACKは2017年に休刊、事実上廃刊となっています。

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ちなみに、2010年の号を選んだのは、最近の記事で10年前のファッションについてあれこれ考えていたからです。

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この2つの記事では、多少前後はあるものの約10年前のファッションが一番古臭く感じる、という結論に達したのですが、今回は2010年の雑誌一冊丸々を使って更に検証していきます。

 

ワンピース☓スワロフスキー !

表紙は佐藤健さん。この写真からは、あまり時代感はありませんね。

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が、広告ページでいきなり時代を感じるアイテムが。

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ワンピースのスワロフスキーの時計…(スワロフスキーではありませんが)インパクトありまくりです。3万円もしていますが、これを2021年の今着用してる人はいるんでしょうか。

f:id:yamada0221:20210304113537j:plainG-SHOCKは普遍的な魅力がありますね。村上隆コラボモデルは今海外でウケそうな気がします。

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一気に時代感が出るアイテム、ハット

今号の特集は「コレが秋のBEAMS流!」。

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ちなみに、こちらの記事でも約10年前のビームスのファッションを取り上げています。

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定番3大スタイルとして、ワーク、アウトドア、ミリタリーを提案。

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左端の細いアームホール、コンパクトなシルエットのアウターにはかなり時代を感じます。

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ビームスのプレス、バイヤー各氏の「着こなし」講座。

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ショップコートにオールインワンというドアメカジアイテム自体には古臭さは感じられませんが、このハットが加わると一気に時代感が出ますね。

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キングオブ時代感の裾裏柄パンツ

「秋のマストアイテムベスト5」。

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MA-1。ブラックボディにホワイトの目立つジップ、そして裏地のドット柄はかなりの時代感。

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ニットとボトムス。

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出ました!裾裏チェック柄パンツのヒットを受けたバリエーションアイテム、裾裏ドット柄チノパンツ。やはりこういうインパクトのあるディテールには強く時代感が出ますね。

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ボトムスの丈感とシルエット

クロップドパンツやサルエルパンツという特徴的な丈感、シルエットのボトムスにも強い時代感が。

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こういうカーゴパンツは2021年の今穿いても全く違和感はなさそうです。「チノパン人気の陰」という文言から、裾裏チェック柄を代表とするチノパンツの当時の人気っぷりが伺えます。

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トレンドアイテム中折れ帽

シューズと小物。

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先程のコーディネートでもありましたが、中折れ帽は当時のかなりのトレンドアイテムだった模様。そういえば、僕も当時買った中折れ帽が今も捨てられずに、でも全然被らずにクローゼット中に眠っています笑。

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こちらのパンツはクロップドサルエルパンツでしょうか。こちらもなかなかの時代感。

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続いて、読者モデルとサロンスタッフがモデルとなった「ビームス力で秋の上級コーデグレードアップ!!」。このページについてはちょっと思うところがありますので、別記事でまたピックアップするつもりです。

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小物使いはかなり時代感が出る

「ビームスに聞きたいコーデの格上げ7つのギモン」。

右ページの柄や素材、アイテムについてはそれ程時代感はないかなぁと思います。

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ですが、こういった小物使いについてはかなり時代感が出るのではないかと。

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あと、やっぱりハットですね。ビームス特集はここで終わり。

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ボトムスの筆頭はサルエルパンツ 

次はボトムス特集。当時の旬の俳優さんたちがモデルです。

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一番最初にサルエルパンツが登場しているところに時代を感じます。

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やっぱりクロップドパンツもかなり時代感出ますね。

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「サロンスタッフ&読モに聞く!「4大ボトムス」”使える1本”着こなし塾」。

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この辺り、シルエットは今と比べるとかなりコンパクトなものの、服自体のデザインは比較的ベーシック。ですが、中折れ帽でかなり時代感が出ていますね。

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総柄のジレにボウタイ、半端丈のシャツにクロップドパンツ、そしてボリュームのあるブーツ。これだけ当時のトレンドアイテムをてんこ盛りすると相乗効果が生まれるんですね。コーディネート全体では今号ナンバーワンかもしれない、相当な時代感

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ブーツが人気だったようで、短パンにもブーツ。

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最も時代感が出るパンツとシューズのバランス

「ボトムスをもっとカッコ良く見せる「キメ技」テクニック」。

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見て下さい!この裾裏柄の多彩なバリエーション。ストライプ、ダイヤ、迷彩、チェック、格子、モノグラム。パンツとシューズの画像だけでもかなり強く時代感でます。

 

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というか、このパンツとシューズのバランスこそが最も時代感が出るポイントなのかもしれません。

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おそらくですが、全身のコーディネートを見なくても、パンツとシューズを見るだけでどの時代のファッションなのか推察できる気がします。これもそのうち検証してみたいですね。

 

次回に続きます! 

さて、STREET JACK2010年7月号はここでだいたい半分くらい。ちょっと長くなりそうなので、前後編に分けてお届けします。

前半は主に服についての検証してきましたが、後半はバッグやシューズといった小物類の検証になります。お楽しみに。

この記事があなたのお役に立てれば幸いです!