先日、約10年前の2010年のファッションに関するツイートがタイムラインに流れてきました。
鬼ダサ過ぎて死んでしまう。何で当時の自分はこれが可愛いと思ってたんだろう。良いダサさもあるけど、これは完全に悪いダサさだよ。20年経ってもこの流行がもう一度来るとは思えない。 pic.twitter.com/J6dm1bv7Z6
— りおちゃん (@rio_chan_oppi) 2021年1月15日
僕が面白いと感じたのは、このツイートに対して大量の共感リプライがされていたこと。
すっごいわかります!2010年のダサさは当時から大嫌いで、買い物行ってもカンカン帽、小花模様、脚が太く見える白靴下、薄い色のデニム、必要無いベスト、フリーズマートのモッズコート、伊達メガネ、街行く人も自分のことも嫌いになりそうな悪夢の時代でした😡😡😡女性が最も可愛く見えない格好かと。 pic.twitter.com/wtlBjoKqd1
— あやか (@RMK1022) January 15, 2021
横から失礼します…
— ながりこ (@ngricooo) January 15, 2021
心当たりありすぎて昔やってたブログを遡ったら、ほぼそのまんまな格好してました…
悶絶するほどださいですね
なんでこれがお洒落と思ってたのか問いただしたいです pic.twitter.com/wxsvjRYX9P
懐かしいファッションですね🥺❤
— まふぃ (@nikoniko5533) January 15, 2021
私も、よおこんな髪型で外出れたなぁと思います。(元ageha愛読者) pic.twitter.com/0C5fF33OjJ
2010年の私も同じすぎました....:(´◦ ̫ ◦`):ww
— 堀江 (@hibikingdayo) January 15, 2021
暗黒の2010年w pic.twitter.com/7r2UPIbYfP
なつかしすぎて倒れそう。テラテラのパンツみたいな花柄のワンピースとか、フリルとか、カンカン帽もほんとにもうこないw やたら素足推し、肩出してみたりwww 極め付けにおかしな合皮の太ウエストマークベルト。。しかもワッシ骨ストで似合ってもなくて草
— まぬこ🐱1y👶🍼 (@artmakeupren) January 16, 2021
僕個人としてはこのファッションはそんなにダサいとは思わないんですよね…。
これは、僕がこういった服装をしてなかった(当たり前)第三者の視点だからなのか、それとも好みの問題なのかよくわかりませんが。
まぁ僕の感覚は置いておいて、現時点で1万8千以上のいいねが付けられているので、それだけこの「鬼ダサ過ぎて死んでしまう」「完全に悪いダサさ」に共感する人が多いのでしょう。
「鬼ダサ」ファッションの発信源は人気ミュージシャン?
当然ですが、どんなファッションにも発信源は存在します。このツイートにもこのファッションの発信源についてのリプライが付けられていました。
ごめんなさいww
— りらく (@ananansanya) January 16, 2021
わたしそれを売ってた側だったんですごくつらいですww
頭にヒモも巻いてましたね、、
調べたら頭の紐ヒッピーバンドっていうんですね!西野カナがよくしてましたね!一般人が普段使いするには難しい流行でしたww
— りおちゃん (@rio_chan_oppi) January 16, 2021
西野カナが当時の最先端だったな pic.twitter.com/5wAt32d9UJ
— はらぺこ (@k_favorite1114) January 15, 2021
完全に西野カナ
— バレル (@nmb0701) January 16, 2021
西野カナのせいだよ〜
— reen (@reen202002) January 16, 2021
調べてみると↓は2011年の画像。確かに当時、西野カナさんはファッションリーダーとしてよく取り上げられていたことを覚えています。
https://www.pinterest.jp/pin/601582462721248843/
とはいえ、こちらも個人的にはそんなにダサいとは思えませんが…ここらへんの感覚、女性と男性では違いそうですね。メイクとか、髪型への関心なんかがその感覚の違いに影響してそうな気がします。その辺りもまた考察できたらと思います。
人気デザイナーズブランドが発信源の更に源流
では、発信源は西野カナさん?と思いきや、更に発信源の更に源流とも言うべき存在もリプライで挙げられていました。それがこちら。
2010年のD&G。これが発生源。ハイブランドがやるとなんか今見ても可愛いんだけどね。 pic.twitter.com/97DX28008A
— かき氷 (@amamamaamaou) January 16, 2021
D&G Spring/Summer 2010なのか。。。 pic.twitter.com/sOUuvkCVNi
— さても (@Dn4ZYy2TWFfdSwS) January 15, 2021
今はなきデザイナーズブランド、D&Gが「鬼ダサ」ファッションの発信源だったようです。 とはいえ、リプライでも触れられている通り、このD&Gのコレクションを見てもダサいとは感じられません。
ですが、冒頭の服装には共感のリプライが多数寄せられています。この違いはなんなのでしょう?
ファストファッションブランドブーム
僕は、このツイートがその手掛かりになるのではと思いました。
コメントにある画像含めて、結構それ系もってたし着てた…。ZARAとかH&MとかForeverとかで買ったやつだわ。
— heromin (@unaufunau) January 16, 2021
そう、当時はファストファッションブランドが大人気。H&Mが日本上陸したのは2008年。↓の記事では行列の先頭にいた客は「前日夜8時から並んだ 」そうで、その人気っぷりが伺えます。
「H&M」日本上陸、銀座に1号店-オープン待ちわびる長蛇の列 - 銀座経済新聞
こちらは僕の2011年のツイート。このときは何かのコラボの発売日だったのでしょうか?
とにかく、多くのショッピングモールでよく見かけるようになった今からは想像できないくらい、H&Mをはじめとしたファストファッションブランドの人気は高かったことが伺えます。
H&M並び過ぎw
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) 2011年3月26日
今は少し定義が変わってきていますが、当時のファストファッションブランドの「ファスト=早い」は、人気デザイナーズブランドのデザインを「早く」取り入れて商品化することを意味していました。
あまりに安直な模倣が批判されてこともあり、最近は各ブランドともアレンジを加えたりしてオリジナリティを出していますが、当時は今では考えられないほど「まんま」な模倣デザインの商品が沢山ありました。
ですので、当時のファッショントレンドを索引していた人気ブランド、D&Gを模倣したデザインの商品も多くのファストファッションブランドが出していたことはほぼ間違いないでしょう。
完成度の高いプロダクトの魅力は時代を超える
あくまでも僕の予想ですが。
時代が経ってダサいと感じてしまうファッションの多くは、ファストファッションブランドのような「模倣デザイン」なのではないかと思います。
D&Gの商品は一流デザイナーがデザインし、一流の素材を使い、一流の職人によって縫製されているので、プロダクトとしての完成度は非常に高いでしょう。
特に、上掲ツイートのようなコレクション(ファッションショー)のルック(コーディネート)は、それに加え一流のモデル、一流のヘアメイク、一流の演出などが加わるので、更に完成度は高くなります。
ですが、ファストファッションブランドの商品は、デザインだけは模倣できたとしても、素材や縫製のクオリティまでは模倣できません。その結果、残念ながらプロダクトとしての完成度は高いとは言えないでしょう。
ファッションに限らず、完成度の高いプロダクトの魅力は時代を超えます。それがいかに時代の雰囲気を強く反映したデザインであっても、その完成度の高さが変わることはないでしょう。
ですが、完成度の低いプロダクトは時代を超えられません。しかも、そのデザインに時代の雰囲気が反映されていればいるほど、時が経つと古臭さが強調されるように思えます。
もちろん、ファッションの印象を左右するのはプロダクトとしての服だけではありません。着る人の髪型、メイク、キャラクターなどなど、様々な要素が絡み合っていますが、プロダクトの完成度は全体的な印象にかなり強い影響を与えているような気がしています。
ダサいファッションも楽しめれば
とはいえ。
僕はデザイナーズブランドが良くてファストファッションブランドはダメ、なんて思っていませんし、時代を超えるデザイン=正義とも思っていません。
その時代で終わってしまうかもしれないデザインの服を着るのも、ファッションの楽しみ方のひとつだと思っています。いえ、もしかしたらそれが本来のファッションの楽しみ方なのかもしれません。
また、昔の自分の服装を見て「うわーダサいなー」と笑えるのも、ファッションの面白いところでしょう。ちなみにこれは約10年前の僕の服装です笑。笑ってしまいます笑。
が、「10年後の自分に笑われるのなんてイヤだ!」と考える人もいるかもしれません。そんな人は、是非こちらの記事をご覧下さい。
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