山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

当時はオシャレだった服も、今見ると完全に子供服。【STREET JACK 2011年7月号】

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90年代のファッション誌を中心に、昔のファッション誌のアーカイブを兼ねてご紹介する企画、ファッションアーカイブ。

これまでの記事はこちらから。

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ティーンズがターゲットのメンズファッション誌、STREET JACK 2011年7月号のご紹介、今回が4回目になります。

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10年後も生きているディテールてんこ盛りシャツ

誌面は終盤。広告や通販ページが増えてきます。

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ファミコンマリオ総柄のコンバースオールスター。これ、買おうかどうか迷った記憶があります。

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”別注&注目アイテム”

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2021年の今、ほとんど見なくなったアイテムの1つが七分袖シャツ。裾裏チェック柄チノパンツと同じように、カフスや襟の裏側に柄があしらわれています。こういった、ディテールてんこ盛りシャツも当時のトレンドですね。

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このディテールてんこ盛りシャツ、10年後の今もセレクトショップのアウトレットのマス層向けデザインとして現役です。

”ザ・女子バナ”という連載。 ”「女子会」に潜入!”だそうで。テーマは”「カワイイ」と思う男。”

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アクセサリー通販。”このお値段でダイヤモンドは、今回だけのチャンス!”とか、今だとなにかしらの法律に触れそうな文言笑。

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アクセサリーブランド広告。QRコードがあったのでスマートフォンで読み取ってみましたが、残念ながらサイトは見つからず…

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有名人おすすめマンガ。

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今見ると子供服?なアウトドアスタイル

”街でも山でも。アウトドアな夏が来る!”というアウトドア特集。

”ここ何シーズンもトレンドスタイルであり続けるアウトドア”ということで、マリンほどのビッグトレンドではありませんでしたが、当時はアウトドアもかなり流行っていました。

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こちらは今号が出たときと同じ、2011年の僕。マウンテンパーカにグラミチのクロップド丈クライミングパンツ、そしてナイキのゴツいバックパックと、完全なるトレンドのアウトドアスタイルです。余談ですがこの時履いてたアトモス別注ニューバランスの1700、今見ても良いデザインだなぁと思います。

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以前リサイクルショップで見かけたことがあったんですが、流石に加水分解一直線でしょうから購入はしませんでした。

 
 
 
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さて、誌面に戻りまして、当時のアウトドアアイテムはマリン同様、柄やディテールなどかなりごちゃついたデザインが中心

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そして、クロップド丈も人気でした。以前もご紹介しましたが、パンツの丈にはかなり時代感が強く出ます。2021年の今はダボッとしたパンツが主流ですが、それも数年後には時代を感じるようになっているはずです。

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アウトドアと言っても、シャツが中心でかなりトラッドやマリンの要素が入っていますね。

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ティーンズ向けということもありますが、柄やディテールが盛り盛りなのはこの時代の特徴です。

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クレイジーパターンや大きめの総柄なども、最近はあまり見ないデザインです。

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俯瞰で眺めると、柄や色合いの雰囲気がよくわかります。今見ると子供服のようなデザイン。というか、当時のトレンドデザインがマスに拡散しきっているから、そのように感じるのでしょう。

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今季ヘヴィロテ確実のエスパドリーユ

”夏のリラッカジなサンダル図鑑”。

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サンダルの定番ブランド、アイランドスリッパとハワイアナス。当時はこのように、セレクトショップ別注が沢山出ていました。

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通常商品はもちろん今でも購入可能です。


 

 


 

こういったカラフルなサンダルは時代感強め。

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また、こういったキレイ目向けの上品な印象のレザーサンダルも流行っていましたね。

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”人気急上昇中!今季ヘヴィロテ確実のエスパドリーユ”。

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ここでもマリン要素強め。

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ワタナベエンターテインメントとSTREET JACKコラボのモデルオーディション。

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”モテヘア”。

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スカーフやボーダー柄など、皆マリンスタイル。

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左ページは裾裏チェック柄パーカ。こんなのも、今見ると子供服のようですが、当時はオシャレだったんですよ。

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シンプルデザインの洗練された印象は普遍的

”ワンルームで実践!オシャレSHOPのインテリア術”。”ウッディ&アメリカンなインテリア術”。

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お手本になっているのが、僕も大好きな原宿の古着屋さん、レモンティー。10年前ということもあり、今現在のお店の内装は全く雰囲気が違います。

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インテリアにもトレンドがあることがよくわかりますね。額縁の中にシャツをディスプレイするのとか、板の上にシューズを置くのとか、今の感覚だとちとキツめではないでしょうか。

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2つ目のテーマは”リラックス&クリーン”。機能性重視のミニマルな雰囲気です。こっちは今の感覚でも全く違和感ない、というか今でも普通にお洒落な感じ。やはり服でもインテリアでも、シンプルデザインの洗練された印象は普遍的だという、良い例ではないでしょうか。

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左ページ、カレッジTシャツも当時はごちゃついたデザインが主流。

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カルチャーページ。

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フェスとか。

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編集部員の”リラッカジ”な買い物ニュース。前から疑問だったんですが、こういうファッション誌の編集部員登場ページってたいてい名前は顔写真を出さないですよね。なんでなんでしょう。名前顔出しした方が説得力がある気がするんですが。

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アヒル口。

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巻末になると美容外科などの広告が増えます。

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10年前のオシャレティーンズはだいたいこんな感じ

通販ページ。以前もご紹介しましたが、こういった通販ページに登場するデザインが、当時のジーンズカジュアルショップやスーパーマーケットの衣料品コーナーとほぼ同じ雰囲気です。つまり、平均的なティーンズのオシャレ着がこんな感じだったということです。

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で、どんなデザインだったかというと、チェックシャツは七分袖でシャンブレーの切り替え。

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ポロシャツにはマリンモチーフのトグルボタン。

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トグルボタン連打。

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裏ボーダー柄のノースリーブスウェットパーカにトグルボタン。この辺りも流石に今は子供服にしか見えません。が、オシャレだったんです。

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このように、トレンドデザインはマスに拡散されることで陳腐化し、子供っぽいというイメージが生まれる可能性があります

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特にここで取り上げられているマリンとアメカジはメンズカジュアルファッションの定番スタイルなので、誰にでも取り入れやすい(子供でも着られる)→陳腐化しやすいと言えるでしょう。

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というか、この辺りのデザインはマスに拡散しきって、西松屋でも見なくなっています。

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こういったTシャツのグラフィックも同様ですね。

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”明日を力強く生き抜くための開運ブレス”…こんなに騙されるティーンズもいたのでしょう…

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プレゼントページ。

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左の広告ページ、一見プロサッカークラブのユニフォームかと思いきや、クラブチームイメージの商品には実在するチームのロゴ・エンブレムは付属していません”とのこと…

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 裏表紙

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ということで、長くなりましたがSTREET JACK 2011年7月号のご紹介は今回で終了です。

この記事があなたのお役に立てれば幸いです!