これまで3回にわたって分析してきた10年前のティーン向けファッション誌、STREET JACK 2010年10月号。
今もよく見かけるこんな服装のオジサン
さて、これまでの記事でもご紹介したように、今号の特集はビームス。その中の「ビームス力で上級コーデグレードアップ」というページを見たときに、気付いたことがありました。なんか、こんな服装のオジサン、2021年の今も結構見ませんか?
服装だけでなく、髪型などの全体的な雰囲気も、僕と同世代の40代の男性に多いような印象があります。
こちらのセレクトショップのコーディネート提案ページに出てくる服装も、休日の公園なんかで良く見かけます。
アラフォーオジサンが2010年のファッションをしている理由
ツイッターでも似たようなご意見が。
スカル柄、ファー付きのピチピチしたアウター、ダメージ加工のニット帽みたいな組み合わせの人って一定数いる気がする。
— オレクロ@OLDQLO (@OLEQLO) 2021年2月27日
これに関しては仮説がありまして。
この組み合わせ、アラフォー以上に多い気がします。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) 2021年3月4日
これ系が流行ったのが10〜15年前なので、20代半ば〜30歳くらいでファッションのアップデートを辞めたのではないかと。
別にアップデートしない=駄目、って訳ではありません。自分が興味が無い分野にある程度の年齢で見切りを付けるのは自然でしょう https://t.co/uedVb0NPXF
たいていの人は中学生〜高校生くらいからファッションに目覚め始めるのではないでしょうか。
で、20代の頃はファッション誌を読んだり、服屋に行ったりとファッションに対してある程度積極的だと思います。
ですが、30代に入り、結婚して子供が生まれたりすると、途端にファッションに気を遣わなくなる人が増えるのではないでしょうか。
僕が結婚したのは32歳のときですが、結婚して子供が生まれると、自分の自由になる時間とお金がかなり減りました。我が家は子供が3人いるので特にかもしれませんが、基本的に自分ひとりで休日を過ごすという機会はゼロになります。
僕はずっとファッションの仕事を続けているので、ファッション誌も読みますし服屋にも行きますが、もしファッションと関係ない仕事をしていたら、ファッションに触れる機会は激減していたと思います。
おそらく、世の中の多くのお父さんは30代以降は新しいファッションに触れる機会がほぼゼロなのではないでしょうか。あったとしても、休日に家族で訪れるショッピングモールが関の山でしょう。
つまり、30代以降は新しい服もほとんど増えず、ファッションの情報や感性もアップデートされない人が非常に多いのだと思います。
アップデートされないことは悪いこと?
ツイートでも触れていますが、僕はアップデートされないことは悪いとは思いません。
例えば。僕はアイドルにほとんど興味がありません。自分が大学生だった頃に人気だったモーニング娘なら全メンバーの顔も名前もわかっていましたが、今のナントカ坂で顔も名前もわかる人はほんの数人。つまり、僕のアイドルの知識は大学生の頃からほとんどアップデートされていないということです。
ファッションもアイドルも趣味の1つなんですから、興味がなくなったのならその時点でアップデートする必要もなくなるでしょうし、アップデートしていないことを責められる筋合いもないでしょう。
人はハイティーンから20代前半に触れたファッションに親しみを感じる説
人は、自分が思春期を過ごした時代のヒット曲に親しみを感じる傾向があるそうです。
これと同じことがファッションにも言えないかな、と僕は考えています。
ファッションの場合は音楽よりもちょっと遅くて、ハイティーンから20代前半に触れたファッションに親しみを感じる、というのが僕の仮説です。
多くの人は、大学などに進学してアルバイトを始めたり、就職したりしてある程度まとまったお金が手に入るようになるのが18歳から。その頃はモテたい!という気持ちが強い人も多いでしょうから、ファッションに対しても積極的でしょう。
そんな時に触れたファッションが自分の好みのベースになるのではないでしょうか。
僕の場合が全くそうで、19歳のときに目にしたこちらのコムデギャルソンオムプリュス1999AWコレクションがファッション原体験のひとつで、好みのベースになっています。
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ですので、アラフォーオジサンが2010年っぽい服装をしているのは、その頃のファッションが自分の好みだから、という可能性もあると思います。
僕は↑のコムデギャルソンオムプリュスが、人から古臭いと思われようがダサいと思われようが、僕自身が好きだから好きでい続けます。意固地になっている訳ではなく、今も素直に格好良いと思えるので。
もし、10年前のファッションが好きで今も着たいとしたら、それは立派なその人のスタイルです。僕は、自分が好きな服を着ている人が一番のお洒落だと思っています。
お洒落とはなにか、については僕の著書「結局、男の服は普通がいい」で、詳しくご紹介しています。
オジサン向けファッション情報アップデート
とはいえ、ある程度はアップデートしておきたいなぁ、と思うオジサンもいるでしょう。バリバリの最新トレンドを知りたい訳じゃないし、そもそもそんな服を買うお金も着る機会もない。でも、知識として知っておいて、良さそうだと思ったら自分でも取り入れてみたい。
そんな人に向けた効率の良い情報アップデートの方法ってなんか良いのないかな、と考えてみたんですが、ちょっと思い当たりませんでした。
以前、こんな感じのトレンドレポートを記事にしたことがありますが、もっと軽くてゆるい感じのファッション情報も今後当ブログで発信するのも面白いかなと思っています。
この記事があなたのお役に立てれば幸いです!