90年代のファッション誌を中心に、昔のファッション誌のアーカイブを兼ねてご紹介する企画、ファッションアーカイブ。
昨日ご紹介したPOPEYE2008年1月号の続きです。
スキニーデニムの着用率51.3%
エディ・スリマンによるディオール・オムの影響が非常に強く感じられるストリートスナップを中心にご紹介しました。
今号では嬉しいことに、ストリートスナップでの各アイテムの着用率などのデータが詳しく公開されています。
まず冒頭はスキニーデニム。こちらもディオール・オムが打ち出して一大ムーブメントになったアイテム。なんとスキニーデニムの着用率は51.3%。そして、海外では6割以上。
スキニーパンツの人気ブランドはチープマンデー。確かに流行ってましたねぇ。
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日本人の3人に1人がブーツイン
”やっぱりジレは’07夏のヒット商品”だったんですね。特に大阪は全国平均に比べ着用率が10ポイント高かったそうで…なんで大阪で人気だったんでしょうか。
2021年の今は街でまず見かけることのないジレ。スキニーパンツはある程度定番化したので今も見かけますが、ジレは定番化しませんでしたね。
日本では3人に1人がブーツインしていたという驚愕の数字!
ブーツイン以前に、最近はブーツもハイカットスニーカーもあまり見かけなくなりました。
ブーツイン率は32.3%。ブーツ着用率もほぼ同じ。
ほっそいほっそいネクタイ
そして、”巻物またはタイをしていた人35.7%”という数字にも驚きます。ストールは大きめでボリュームを持たせるように巻くのが当時のトレンド。
ほっそいほっそいネクタイ。
ハットやテーラードジャケットなどの、フォーマル感の高いアイテムが人気。
そして、現在のゆるだぼトレンドからは想像がつかないのがこちらのレディスアイテムの着用。…そういや僕も当時はユニクロのレディスのスウェットを着てました…今となると思いっ切り黒歴史ですが、写真撮っておけば面白かったとも思いますね。
ブラックを基調に、割とパキッとした色使いが当時のトレンドだったようです。
こういうレイヤードのように、飾り立てる着こなしが当時の気分だったんでしょう。
ライダースジャケットのインナーも、はっきりとした色合いのカットソー。
トム・ブラウン大ブレイクの前兆
”ヒットアイテムを先取りした人、集合!”という謳い文句で取り上げられているのがチノパンツとトレッキングブーツ。
”ロールアップの着こなしが目立つ””アメトラの王道であるプレッピーを感じさせる着こなし”はエディ・スリマンのディオール・オムの次にメンズファッションに大きな影響を与えることになる、トム・ブラウンが打ち出していたスタイル。
こちらはトム・ブラウンの2007年秋冬コレクション。
https://www.pinterest.jp/pin/486881409716965984/
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今号でも分かる通り、世界中を席巻していたディオール・オムの退廃的なロックスタイルとは雰囲気が180度違う、育ちの良さそうな新解釈のアメトラスタイルはこの後一大ムーブメントとなります。
そして、トム・ブラウンのスタイルに影響を受けて大ヒットした商品が、あの裾裏チェック柄チノパンツなんです。こうやってファッショントレンドって繋がって行くんですねぇ。
トム・ブラウンのアメトラスタイルの拡大とほぼ同時に、アウトドアスタイルも人気を集めます。ここに登場しているトレッキングブーツはアウトドアスタイル拡大の萌芽でしょう。
さて、誌面はまだ続きますが、今回はここまで。残りはまた次回にご紹介します。
この記事があなたのお役に立てれば幸いです!