山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

【2004年メンズノンノ】これぞ!00年代モード系ロックスタイル。【3月号】

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90年代のファッション誌を中心に、昔のファッション誌のアーカイブを兼ねてご紹介する企画、ファッションアーカイブ。

これまでの記事はこちらから。

www.yamadakoji.com

引き続きご紹介するのはメンズノンノ2004年3月号です。

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 アメカジテイスト強めのミスターハリウッド

ナンバーナイン、ラフ・シモンズに続いての巻頭特集はミスターハリウッド

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”膨大な量の古着から学んだ繊細かつ強靭な洋服のエッセンス”。デザイナーの尾花大輔さんは古着屋ヴォイス、ゴーゲッターを経てデザイナーとしてミスターハリウッドを立ち上げます。

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尾花大輔さんの半生はこちらの超ロングインタビューで詳しく語られています。

www.fashionsnap.com

↑のインタビューでも触れられていますが、現在のブランド名は「N.HOOLYWOOD」。「MISTER HOLLYWOOD」は店名、社名として用いられているそうです。

アメリカ古着がベースとなっているブランドなので、当然テイストもアメカジ。そして、今の感覚からするとシルエットはかなりコンパクトです。

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そして、中性的でソフトな印象。前回ご紹介したラフ・シモンズもそうでしたが、2004年当時はファッションにも優しさが求められていたのかもしれません。

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黒が目立つものの、いかにもアメカジらしいはっきりとした色は使われておらず、ややくすんだグリーンなどのソフトな色合いが中心。

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やはりかなりコンパクトなシルエット。

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非常に襟ぐりが深い長袖Tシャツ。

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ちなみに最近の雰囲気はこんな感じ。2004年と比べると、現在は直球のアメカジテイストが占める割合はかなり低くなっています。

 
 
 
 
 
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上掲のロングインタビューでは、なんとあのカール・ラガーフェルドが着用したことが語られている、ミスターハリウッドのスーツ。このモデルはジレがジップで着脱可能になっています。

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右のスラックスは股上が深く、サルエルパンツのようなシルエット。

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 スタイリストディオール・オム&ナンバーナインがお気に入り

次の特集は”人気スタイリスト10人のキープ&イチ押しアイテム100”

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以前ご紹介した2001年のメンズノンノでもそうでしたが、当時はスタイリストへの注目度が今よりも格段に高い時代でした。

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トップバッターは野口強さん。”買い物に失敗はつきもの。授業料だと思えば高くない”そうです。

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挙げられているアイテムは野口強さんらしい、黒を基調としたロック色の強いものばかり。個人的にディオール・オム、ナンバーナインは野口強さんの印象が非常に強いブランドです。

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続いて、熊谷隆志さんは”今の時代に合うプレッピーを提案したい”ということで、ワイズのストライプ柄のスーツの他に、ベドウィン、バル、ウィズ、コア・ファイターなど、当時の東京の人気ブランドをセレクト。

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コレクションのスタイリングを長年担当するなど、ミスターハリウッドに深く関わっている二村毅さん。

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多彩なブランドをセレクトしていますが、全体的な雰囲気はやはりミスターハリウッドとの共通点があるような気がします。

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変わらないロック魂

個人的に非常に衝撃的だったのが、こちらの北原哲夫さん

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ディオール・オムのピッタピタシルエットのダメージGジャンに、レザーのフレアパンツ。ゴツいベルトにウォレットチェーン。ボリュームのあるブーツ。”テーマは高級カジュアル”で、”トレンドには左右されず”とのこと。

今見ると、相当味付けが濃いロックテイスト。ディオール・オムの影響が強い細身のシルエットが、これぞ00年代モードロックという雰囲気。当時こういったテイストを打ち出すブランドは多数存在し、このような雰囲気の服装が最先端のモードファッションだったことは、若い人からは想像できないのではないでしょうか。長〜いニットキャップも流行ってましたね。今もたまに被っている人見かけます。

約20年後の今のご様子を見ても、やはりロックテイストがお好きなようです。三つ子の魂百まで、ではないですが、やはり自分が好きなファッションって年をとっても変わらないものですね。

 
 
 
 
 
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ロエンのポインテッドトゥのレザーシューズやマスターマインドのスカジャンなど、それぞれ十分個性の強いデザインですが、やはりそれを着用して全身のスタイリングが出来上がるとインパクトは桁違いになりますね。

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宇佐美陽平さん、伊賀大介さん。

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伊賀大介さんがロング丈のネルシャツやカーディガンにスキニージーンズをブーツインというロックスタイルで人気を集めるのはこの数年後。タータンチェックやジップなど、パンキッシュなデザインが目立ちます。

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他のスタイリストさんがセレクトしているアイテムも、多色使いや切替デザインなど、複雑なデザインのものが目立ちます。

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本間良二さんがセレクトしているアイテムはアメカジ中心で、シンプルなデザイン。ご本人のスタイリングも、2021年の今のものと言っても差し支えないくらい、タイムレス”新しいものが、あまりにもたくさんあると、新しさを感じさせないものが新鮮に見えることもある”という、非常に含蓄のあるコメント。

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和田真教さんはモード系ブランド中心。

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00年代に一世を風靡したアシメヘア。

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ラフ・シモンズのネックレスはかなりのスピリチュアルっぷりです。

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次回に続きます。

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