山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

どんなファッションにも「寿命」がある。

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これまで4回(!)にわたって分析してきた10年前のティーン向けファッション誌、STREET JACK 2010年10月号。こちら、神保町の古本屋さんマグニフで300円だったんですが、これだけしがみ甲斐があるなんて思いませんでした笑。

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スーパーやジーンズショップで売っているコンバース

さて、今回もSTREET JACK 2010年10月号からです笑。ピックアップするのは、こちらのコンバースの広告です。

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現在、コンバースには複数のウェアのブランドがあります。例えば、こちらはコンバーストウキョウという、かなりファッション性の高いブランド。もちろんお値段もお高く、半袖Tシャツでも1万円以上。

 
 
 
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ですが、このページに登場しているコンバースの商品は、スウェットパーカが3,980円、カーゴパンツが2,980円と、ユニクロよりちょっと高いくらいの価格帯。こちらはスーパーなどの量販店やジーンズカジュアルショップなどで販売されているマス向けのブランドになります。

 

今はもう見かけることすらない10年前のファッション

で。改めて、2021年のファッション観でこのファッションを見てみて下さい。…正直、オシャレとは言いづらいですよね。

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前回の記事でご紹介したように、10年前にセレクトショップが提案しているのと同じような服装をしている人は、今でも結構見かけます

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ですが、この10年前に大手量販店やジーンズカジュアルショップで売られていた服装をしている人は、10年後の今見かけることはほとんどありません。少なくとも、僕の生活圏で見かけることはありません。

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2021年の今、こういった雰囲気のコーディネートを提案しているお店もほぼ皆無でしょう。

 

普通にオシャレな2021年のコンバース

おそらく、この雰囲気のファッションはマスに拡散しきって市場から姿を消したのだと思われます。

ですが、こうやってティーン向けファッション誌に登場していることから、2010年当時はそれほど「ナシ」ではないファッションだったことが伺えます。

今のコンバースの商品と比べて検証してみましょう。この大手量販店やジーンズカジュアルショップ向けのコンバースは今も販売されています。ライトオンのオンラインストアで現在販売されているコンバースの商品がこちらです。

CONVERSE 鹿の子クルートレーナー
¥3,300
(記事執筆時の価格です)

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CONVERSE ニットソークルートレーナー
¥3,300
(記事執筆時の価格です)

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どうですか?普通にオシャレですよね。こんな服装のティーンズはいくらでも見かけます。

おそらく、コンバースは10年前も今も、同じような年齢層、ファッション感度の人をターゲットに設定して、そのターゲットの好みに合わせた商品企画をしている筈です。

ということは。 2021年のコンバースを見て「普通にオシャレ」と思うように、2010年のコンバースも「普通にオシャレ」だった筈です。今の感覚だとちょっと想像がつかないですけどね。

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繰り返しになりますが、今このファッションを見てオシャレだと感じる人はまずいないでしょうし、そもそもこのような服を着ている人もほとんど存在していません

つまり、このファッションは「終わった」と言えるでしょう。寿命を迎えたのです。

では、このファッションが「終わった」のはいつか。2010年代のファッション誌を分析していくとそれも検証可能だと思いますが、手元に参考となる資料がないので、その分析はまたいつかできたらと思います。

 

今オシャレなファッションにも「終わり」は訪れます

そして、10年前のファッションがもう「終わった」ように、今の感覚でオシャレだと思っているファッションの多くも、いつかは「終わり」が訪れます

特に、トレンド性の高いファッションにはほぼ確実に「終わり」がありますし、トレンド性が高ければ高いほど、「終わり」の到来は早くなります

とはいえ、トレンド性の高い服を着てその時代の雰囲気を表現する、というのもファッションの楽しみ方のひとつとして僕はアリだと思います。

ですが、こちらの記事でご紹介しているように、自分の服装を後から振り返って嫌な気分になってしまう、ということもあるかもしれません。

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実は、寿命が非常に長いファッションも存在します。そんなタイムレスなファッションについてはこちらの記事でご紹介しています。

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また、僕の著書「結局、男の服は普通がいい」でも、寿命が非常に長い「普通服」をご紹介しています。

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商品ページ:Amazon楽天ブックスヨドバシドットコム

10年前のティーンズファッションの分析はまだまだ続きます

…と、CMを入れたところでSTREET JACK 2010年10月号の分析は終了しようと思っていたのですが、書いていたらまた新しいネタを発見してしまいました。

次は今回見つけた「ファッションの終わり」と対をなす、「ファッションの始まり」に焦点を当てるつもりです。お楽しみに。

この記事があなたのお役に立てれば幸いです!