山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

ユニクロがメジャーになる前は、「普通の人」はどこで服を買っていたのか?

先日、僕のツイッターのタイムラインはこのツイートに端を発した話題でもちきりになっていました。

原宿店オープン、フリースブームでユニクロがブレイクしたのが1998年

それから四半世紀が経ち、今やユニクロを擁するファーストリテイリングは、そしてZARA(インディテックス社)、H&Mに継ぐ世界第3位のアパレル企業に成長し、日本国内でも国民服と言えるくらいの知名度と浸透度を誇るブランドになりました。

確かに、我が家でも子供たちの服を買うときは「まずユニクロ」という雰囲気があります。

手頃な価格で、つくりも良く、デザインもそこそこ。

では、そんなユニクロが一般的になるまでは、「普通の人」はどこで服を買っていたのか?というのがツイート主の疑問です。

 

イトーヨーカドー、ジーンズメイト

この疑問に対して寄せられた意見で、最も多かったのがイトーヨーカドーやダイエーなどのスーパーマーケット

次いで、ジーンズメイトやライトオンなどのジーンズカジュアルショップ

 

神戸の住宅街で育った僕の90年代の記憶

1980年生まれで神戸の繁華街からは遠く離れた住宅街で育った僕も、90年代はスーパーマーケットやジーンズカジュアルショップで服を購入していた記憶があります。

小学校高学年〜中学校のときは、郊外にあるスーパーマーケットにテナントとして入っていたマックハウス的なジーンズカジュアルショップでネルシャツやチノパンツを親に買ってもらった記憶があります。

中学2年生くらいのとき(1994年)に、家の近所にできたのがユニクロです。

当時の僕のユニクロのイメージは、ディスカウントショップ。折込チラシにアディダスの3足パックの靴下が割引価格になるクーポンが付いていました。他にナイキのTシャツや、1994年アメリカワールドカップのTシャツをそのユニクロで購入しました。

高校生になると、友達と神戸の繁華街である三宮や元町に服を買いに行くようになりました。

そのときによく訪れていたのが、ジョイントというダイエーが経営するジーンズカジュアルショップです。4フロアくらいの大きな店舗だったので、服屋に馴染みのない僕らにも入りやすく、買いやすかったので、軟式テニス部の練習がない週末に、部活の仲間と訪れていました。

1998年に大学入学した当初もジョイントには通っており、リーのヴィンテージの復刻版や、古着のTシャツなんかを買っていました。

それ以降の僕の服屋遍歴はこちらの記事でもご紹介しています。

facy.jp

 

マルイ、百貨店、セレクトショップ

ということで、僕はユニクロ以前はスーパーマーケットやジーンズカジュアルショップで服を購入していました

ですが、ツイッターには他にも多くの経験談が寄せられていました。

マルイの関西初出店となったマルイ神戸のオープンが2003年。

なので、90年代に神戸にマルイはなく、その代替的存在がビブレでした。

大学入学直後は僕もメンズビギやアバハウス、PPFMなどのマルイ系ブランドを神戸ビブレでよく購入していました。

そして、マルイ系の次に僕が手を出したのが、大手セレクトショップでした。当時旧居留地にあったユナイテッドアローズや、現在三宮のロフトがある場所に入居していたビームスでもよく買い物をしていました。

 

ポロ・ラルフローレン、アニエスベー、ポール・スミス

そして、当時の僕の選択肢に全く無かったにも関わらず、ツイッターで多くの賛同の声が挙がっていたのが、ポロ・ラルフローレン、アニエスベー、ポール・スミスの3ブランド。

この3ブランドが人気だったということについては、同意のツイートが多数ありました。

話はちょっと脇道に逸れますが、90年代から約30年経った今も、人気ブランドとして君臨し続けているポロ・ラルフローレン、アニエスベー、ポール・スミスの3ブランドに対して、驚きの声が寄せられています。

 

ユニクロがつくった「安くてお洒落」

今の認識では、ポロ・ラルフローレン、アニエスベー、ポール・スミスはどれも高級ブランドとされるでしょう。

そもそも、ユニクロがブレイクする以前は、「安くてお洒落なブランド」というカテゴリ自体が存在していなかったと、ツイッターでは指摘されています。

つまり、ユニクロがメジャーになる前は、オシャレをするためにはある程度以上のお金が必要だったということです。

 

ユニクロがつくった「普通の人」

当ブログで以前、「ユニクロはファッションの民主化を成し遂げた」という内容の記事を書きました。

www.yamadakoji.com

クリストフ・ルメールやJ.W.アンダーソンなど、当世のファッションシーンを牽引する超一流デザイナーが手掛けた服が手頃な価格で買えるようになったのは、ユニクロやH&Mなどのグローバルアパレル企業が起こした革命と言えるでしょう。

そして、「お洒落をしたいけれど、それほどお金はかけたくない」という潜在的なニーズを掘り起こし、「普通の人」というマーケットを作り出したことも、革命的でした。

この話題の元になったツイートにある「普通の人=ファッションに特別の興味はないが、完全に無頓着というわけでもない層」は、そもそも存在していなかった、ということです。

 

「普通の人」が増えた結果起こること

そして、日本ではその「普通の人」の数が年々増加し、現在ではマジョリティと言えるくらいまでの多さになっていると思われます。

「普通の人」はこれからも増え続けて行くのか。

もし増え続けて行くとしたら、日本のファッションはどうなるのか。

また、現在若者を中心に巻き起こっている古着ブームは、日本のファッションにどのような影響を与えるのか。

www.yamadakoji.com

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これらについてはまた機会を改めて考察できればと思っています。