山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

「似合わない服なんて存在しない」「着続けていれば似合うようになる」説。

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自分には似合わないと思っていたスウェットが着られるようになった話

ここ1年くらいでしょうか。レギュラー古着(ヴィンテージなどのレアで高価なものではない、普通のアメリカ古着)をよく着るようになっています。

座談会でも話していますが、僕のファッションの入り口は高校生のときのエアマックス。

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当時はハマダーに代表されるようにハイテクスニーカーにアメカジを合わせるのが流行っていたので、自然と僕もアメカジを着るようになりました。実家から自転車で15分ほどのところにあった古着屋さんや、当時三宮にあったJOINTなどでジーパン、スウェットなどの定番アメカジアイテムを購入して着ていました。

大学生になると徐々にモードに。そしてコムデギャルソンにドハマリするなど、高校時代のアメカジから一転してキレイ目度が高い服を着るようになりました。Tシャツよりもシャツ、スウェットよりもニット、という感じで定番アメカジアイテムを着ることは少なくなり、特にスウェットなどのカジュアル度の高いスウェットパーカはほとんど着なくなってしまいました

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ずっとスウェットを着ることがなくなっていた僕はいつしか「スウェットは自分には似合わないものだ」と思うようになっていました。持っていたスウェットの多くは捨ててしまい、唯一持ち続けていたスウェットもブレザーのインナーに着るなど、スウェットを直球でカジュアルに着ることは全くなくなりました

そんな20代〜30代を過ごし、もう40代も目前になった今年。仕事の撮影用にこのスウェットを購入しました。カジュアル度のかなり高いカレッジロゴのチャンピオンのスウェットです。

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最初は自分で着る気はなかったのですが、せっかくだからと部屋着として着ているうちに、「あれ、なんかアリかも」と思うようになり、数週間経つと普通に着られるようになりました

そこからはもう普通にスウェットを着るようになっています。春に長野に旅行に行ったときも、スウェットパーカに軍パンというど直球アメカジアイテムを選びました。

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迷彩柄も着られるようになった

同じようなことが迷彩柄のシャツでもありました。迷彩柄は今までほとんど着たことがありませんでした。迷彩柄のような男っぽい服は自分には似合わないと思っていましたが、撮影用に購入したアイテムをせっかくだからと着ているうちに普通に着られるようになりました。

その迷彩柄シャツを初めて着た僕を見た妻が「え、迷彩?」と怪訝な顔をしていましたが、妻もすぐに慣れたようです。

 

「イメージと違う」=「見慣れていない」?

この体験を通して僕は「似合わない服なんて存在しない」という仮説を考えました。

自分も他人も「似合わない」と思う服は見慣れていないだけではないでしょうか。いつもは制服や仕事服姿のクラスメイトや同僚の休日の私服を見て「イメージと違う」なんて思うことがありますが、それって単純に見慣れていないってことではないでしょうか。

例をもう1つ。先日会った友人が「自分は黒が似合わないから着ないし、黒の服も全然持っていない」的なことを話していました。

僕からしたら、友人が黒が似合わないなんて全く思えません普通に似合うと思います。おそらくその友人の場合も、自分が着慣れていないから似合わない思っているんじゃないかな、と思います。

もちろん限度はあります。スタッズ満載のライダースジャケットやフリル山盛りのゴスロリ系みたいな非日常的だったり極端なデザインの服はさすがに似合わない人も多いかもしれません・

また、以前ご紹介したように草食系の人が肉食系の服を着るなど、自分のキャラクターとあまりにかけ離れた服は似合わないかもしれません。例えば、えなりかずきさんがエグザイル系の服を着るのはちと厳しいでしょう。

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ですが、一般的な服屋で普通に売られている服ならば、似合わない服ってほとんどなさそうな気がします。

 

新しく挑戦する服を家で試す

先日読んだレディスファッション誌、&Premiumの「自分を知ることが、スタイルアップの第一歩。」と題されたインタビューで、デザイナーの島田順子さんがこう語っていました。

&Premium(アンド プレミアム) 2019年 05 月号 [スタンダードになっていくもの。]

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家で、これまでしたことのないコーディネートを自分の定番服で試す。クローゼットに眠っていたアイテムで、新しい着こなしをテストする。おしゃれには好奇心を刺激する効果があります。

「家の中で着ていてだんだん慣れてきたら、次は外に着て出てみる。家で『いいかも!』と思った余韻が残っていたらもっと楽しくなると思います」

僕がスウェットを再び着られるようになったのは、無意識ながらこの島田順子さんの方法論を実践していたからでしょう。

また、これは以前の記事でもご紹介しましたが、大御所スタイリスト祐真朋樹さんはこう語っています。これも「慣れ」ではないでしょうか。

ただ、そうはいいつつも、本当は自分が素直に『着たい』と思ったものを着たいわけです。となるともう、他人の意見などおかまいなしに、着倒すしかない。考えられるありとあらゆる方法で着てみるしかない。そうすることで初めて、『なんかそれ、いいね』って他人に認められたり、あの人のスタイルは面白いよねって思われたり、そういうことが起きるんじゃないでしょうか。

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そういえば、オンラインストアで購入した服が家に届いて着てみて「なんか違うな」と最初は思っていても、せっかく買ったんだからまぁ着てみるかと着ているうちに目が慣れてきて違和感がなくなった、ということは今までありました。

つまり、最初は違和感があってもそれは見慣れていないだけで、着続けて目が慣れていけばそのうち似合うようになることもあるのです。

 

似合わない服なんて存在しないから自分の好きな服を着る

以前から僕は「自分が好きな服を着る」ことをずっと強くオススメしてきました。

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こんな主張をすると「好きな服と似合う服は違う」という意見が寄せられることがありますが、自分が、そして他人が似合わないと思っている服もそれは見慣れていないだけだと思えば好きな服に挑戦しやすくなるでしょう。

 

最後までご覧いただきありがとうございました!