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「VOGUE」が提案する「高見えバッグ」記事にツッコミ多数
先日、僕のツイッターのタイムラインに流れてきたのが、ファッション誌「VOGUE JAPAN」の「5万円以下でリサーチ。モードな"高見えバッグ"6選!」という記事のツイート。
5万円以下でリサーチ。モードな"高見えバッグ"6選!https://t.co/4wEmjIVy7N pic.twitter.com/HWGJ3ZJMl9
— VOGUE JAPAN (@voguejp) 2023年9月4日
この記事に対し、
「VOGUEは高いブランド載せろよ」
「あなた達が「高見え」を紹介してどうするの」
「背負ってる看板がナニか解ってんのかしら?」
などなどのツッコミが寄せられていました。
VOGUEは高いブランド載せろよアホなのか https://t.co/npKsK4hU77
— 齋藤 (@saito_d) 2023年9月4日
あなた達が「高見え」を紹介してどうするのよ… https://t.co/h0h1Xjjp1o
— fuck men (@majidesukane0) 2023年9月4日
背負ってる看板がナニか解ってんのかしら?この企画通した編集部は。 https://t.co/hri79efle8
— ♍🐍 (Virgo-Snake) (@sep1965virgo) 2023年9月5日
僕も全く同感でした。
「高見え」ということは、「実際は低価格」ということですよね。
— 山田耕史 ファッションアーカイブ研究 (@yamada0221) 2023年9月5日
あのVOGUEが低価格をウリにするようになるとはなぁ… https://t.co/VhbWNiombL
高見え=高く見える=実際は低価格、ということでしょう。
「あのVOGUE」が「低価格」をウリにすることに、多少ショックを受けた次第です。
「VOGUE」=異次元のラグジュアリーワールド
VOGUEは1892年にアメリカで創刊された、歴史あるファッション誌です。
日本だけでなく、イギリスやフランス、イタリアなど世界各国版のVOGUEがありますが、やはり本家アメリカ版の知名度は高く、特に1988年から現在までアメリカ版VOGUEの編集長を務めるアナ・ウィンターのファッション業界に対する影響力の大きさは絶大です。
https://www.pinterest.jp/pin/59391288818762374/
イギリスのエリザベス女王や、「モードの帝王」カール・ラガーフェルドなど、ファッション業界に留まらず世界のセレブリティと親しく話すアナ・ウィンター。
https://www.pinterest.jp/pin/245868460899382420/
https://www.pinterest.jp/pin/188658671885466968/
映画「プラダを着た悪魔」のモチーフになったこともあり、世界を代表するファッション編集者と言えるでしょう。
そんなアナ・ウィンターのイメージもあり、僕は「VOGUE」を「ファッション誌の最上位的存在」と思っていました。
僕的にVOGUEはファッション誌の最上位的存在で。
— 山田耕史 ファッションアーカイブ研究 (@yamada0221) September 5, 2023
1999年に「VOGUE NIPPON」が創刊されたときは、「ついに日本にもVOGUEができた!」と、嬉しく思ったもんです。
JAPONでもJAPANでもなくNIPPONなのも、なんか格好良かった。 pic.twitter.com/nJ9jE9uR3n
「VOGUE JAPAN」のツイートを見ても、スワロフスキーやブルガリといったラグジュアリーブランドのPR記事が並びます。
川村壱馬が革新的で遊び心あふれるジュエリーを大胆に纏う。スワロフスキーの秋冬コレクション #PRhttps://t.co/vD9Wa7iH3p pic.twitter.com/mGsAVfAR11
— VOGUE JAPAN (@voguejp) 2023年9月6日
ブルガリのピンクゴールドの新作リングに注目! #PRhttps://t.co/ObXNMHge20 pic.twitter.com/mSbemEIaNA
— VOGUE JAPAN (@voguejp) 2023年9月5日
旅の記事で紹介されるのは、ジェニファー・ロペスやグウィネス・パルトロウといった、スーパーセレブが訪れたバカンススポット。
2023年夏、セレブたちが訪れたバカンススポットは? 憧れのデスティネーションをリストアップ https://t.co/PjtaxbSbRW
— VOGUE JAPAN (@voguejp) 2023年9月2日
一泊二日の小旅行で活躍するトートバッグを紹介する記事でも、紹介されているのはルイ・ヴィトン500,500円、ボッテガ・ヴェネタ407,000円、サンローラン720,500円など、旅行に持って行くどころか神棚に祀っておきたいくらいのバッグの数々。
一泊二日の小旅行で活躍!人気ブランドのトートバッグ集。https://t.co/FRjAPNPOPy pic.twitter.com/SgONe3Mtqz
— VOGUE JAPAN (@voguejp) 2023年9月2日
このように、一般庶民が参考にしようのない「異次元のラグジュアリーの殿堂」。それが、僕のイメージする「VOGUE」の世界でした。
「高見え」「ユニクロ」
なので、上述の通り「VOGUE JAPAN」が低価格訴求をすることにショックを受けたのですが、「VOGUE JAPAN」の過去ツイートを調べてみると、3年前の2020年から「高見え」記事があることがわかりました。
この夏、ゆるりと高見えするコンフォートドレスを狙おう。https://t.co/cMTSF0CV3c
— VOGUE JAPAN (@voguejp) 2020年7月15日
とはいえ、最初の頃は「高見え」と言えど、そのラインナップフェンディやロエベ、ドルチェ&ガッバーナなどのラグジュアリーブランド、デザイナーズブランドで占められており、お値段も一般庶民には相当ハードルの高い高価なものばかり。
可愛い・実用的・高見え!おしゃれ度がアップする極小バッグ集。 https://t.co/Z7CSI2dfaQ pic.twitter.com/Y6uis86bW2
— VOGUE JAPAN (@voguejp) 2021年7月7日
デザイン、収納力、高見え。三拍子揃った理想のミニ財布15。 https://t.co/W7CBHOJNtp pic.twitter.com/LD9ndvF7VF
— VOGUE JAPAN (@voguejp) 2021年12月7日
ところが、昨年の2022年には「アンダー5万円! 」という記事が登場。
アンダー5万円! エディターが即買いした、高見えジュエリー4。 https://t.co/6aWxtaN5mw
— VOGUE JAPAN (@voguejp) 2022年4月5日
また、低価格ファッションの象徴であるユニクロについての記事は、以前はマルニやマメクロゴウチといったデザイナーズブランドとのコラボレーションラインの紹介が中心でしたが、最近は「SNSで話題!」という庶民的な触れ込みのもと、3,990円のユニクロの通常ラインのカーゴパンツを紹介しています。
とにかく涼しい! このうだるような暑さでも履きたくなる #ユニクロ のカーゴパンツは?https://t.co/l2brv6uZtC
— VOGUE JAPAN (@voguejp) 2023年9月5日
ファッションには「憧れ」が必要不可欠
別に僕は「高見え」という謳い文句を悪いとは思いません。
好きな言葉ではありませんが。
ユニクロのカーゴパンツも素晴らしい商品なのでしょう。
ですが、勝手ながら「異次元のラグジュアリーの殿堂」だと思っていた「VOGUE」が、一般庶民である僕でも手の届くファッションを打ち出していることに落胆してしまったのです。
振り返ってみれば、ファッションの歴史は民主化の歴史でもあります。
↓の過去記事に詳しく書きましたが、1970年に誰にでも買える既製服、プレタポルテが台頭するまで、ファッション=オートクチュール(注文服)で、一部の特権階級の占有物でした。
なので、「VOGUE」の内容が「民主化」されていくのも当然なのかもしれません。
おそらくですが、「高見え」や「ユニクロ」の記事はPVを稼ぎやすいのだと思います。
しかも、ラグジュアリーなイメージが強い「VOGUE」による「高見え」「ユニクロ」ならば、よりインパクトがあるでしょう。
ですが、それは過去に積み上げた「VOGUE」ブランドを食い潰しているだけのように、僕には感じられます。
ファッションには「憧れ」という要素が必要不可欠だと思います。
もちろん、「憧れ」=ラグジュアリー、というような単純な図式ではありません。
正直、僕はラグジュアリーなファッションには惹かれません。
ですが、なかなか手が届かないラグジュアリーな世界は、多くの人にとってわかりやすい「憧れ」そのもの。
第三者の勝手な意見ですが、「VOGUE」にはいつまでもそんな「憧れ」を発信し続けて貰えたらなぁ、と思っています。