服を扱っている成長企業ということでユニクロとワークマンが比較されているのをよく見ますが、そもそもユニクロはファッションの企業でワークマンは作業服の企業なので、単純に比較するべきではないと思うんですよね。
ですが、どちらも日本のファッションの価値観に大きな影響を与えた(ワークマンは与えつつある)のは事実だと思います。
一流デザイナーの服が低価格でいつでも買えるという革命
まずはユニクロについて。
#庶民感覚の欠如 っていうハッシュタグが流行っていますが、服に対する価格の庶民的感覚ってどんなもんなんでしょうね。
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) 2019年10月23日
もしかしたら今は、ユニクロが庶民的感覚のスタンダードなのかも。シャツが1,990円とかって本来は激安価格なんですけど、その感覚をスタンダードにしたって凄いですね。 pic.twitter.com/hyxf0u8ca5
例えば僕も愛用しているUniqlo UのTシャツ。エルメスのクリエイティブディレクターも務めた一流デザイナーが手掛け、生地もかなり上質。これが1,000円(セールなら790円)で買えることって、改めて考えてみると驚異的なんですよね。20年前なら1万円でもおかしくない商品。https://t.co/a0kY4z1czh
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) 2019年10月23日
低価格ブランドのデザイナーコラボのオリジンはH&Mですかね?
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) 2019年10月23日
ですが、H&Mのデザイナーコラボはスポット的に発売される限定商品。なので客寄せパンダみたいなもん。本来はデザイナー(ブランド)側は低価格ではやりたくないでしょうが、「限定」という条件があるから許容できるんでしょう。
でも、Uniqlo Uの商品は基本的に常に店頭にあるんですよね。だからH&Mのコラボとは全く意味合いが違いますね。
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) 2019年10月23日
一流デザイナーがデザインした商品がいつでも誰でも低価格で買える。これってユニクロが世界で初めて実現したことではないでしょうか。
1970年代にプレタポルテ(既製服)が台頭するまで、ファッションはオートクチュール(注文服)が買える金持ちだけの特権で、プレタポルテはファッションの民主化を成し遂げた、と言われていました。
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) 2019年10月23日
でも、プレタポルテも安くはない訳で。
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) 2019年10月23日
ファッションを低価格で販売して誰でも買えるようにした柳井さんこそがファッションの民主化を完遂した、なんて言ったらちょっと大袈裟ですかね笑
100年後のファッション史の本なんかでどう扱われるのか、見てみたいですね。
服を機能性で選ぶという新たな価値観
お次はワークマンについて。
ワークマンのブレイクで、機能で服を選ぶってことが広がりつつありますね。
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) November 21, 2019
子供のお迎えに「ワークマン」服、20cmに収まるジャケット https://t.co/PciO04YnKx
2000年くらいまで、一般の人が服を選ぶ基準ってファッション性が全てだったんですよね。
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) November 21, 2019
そこに機能性という選択肢を提示したのがユニクロ。無礼kのきっかけであるフリースはそれまでガチのアウトドアウェアでしたし、その後のヒートテックやウルトラライトダウンなどのヒット作も機能性がウリの商品。
↑ ☓無礼k ○ブレイク
とはいっても、あくまでもユニクロはファッションの企業なので、機能性をファッションに取り入れるというスタンス。
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) November 21, 2019
ですが、ワークマンはファッションではなく作業服、つまり機能性のみを追求してきた企業 なのでファッション性は二の次。
ワークマンのブレイクで、機能性を基準に服を選ぶという価値観が一般の人にまで大きく広がっていきそうです。
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) November 21, 2019
これって実は日本のファッション業界の大きな転換点になるんじゃないかなーと思ってたりします。
ファッション性よりも機能性で服を選びたいという人は少なくないのでは、と僕は考えています。
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) November 21, 2019
これまで機能性が高い服は高価なアウトドアウェアなどが中心。ですが、ワークマンは機能服を低価格で提供し、機能性という選び方があるということを今日本中に知らしめつつあると思います。
ファッション構造の変化にユニクロはどう対応する?
僕は以前から、パリやミラノのコレクション(ファッションショー)を頂点としたファッションのピラミッド構造は瓦解していくだろうと予想しています。
これまではパリやミラノで一流ブランドが提案したトレンドファッションを中価格、低価格のブランドが模倣することで、トレンドが幅広い層に拡散していました。
ですが、最近はストリート発のトレンドの方が勢いがありますし、トレンドにおけるインフルエンサーの影響力も見逃せません。
パリやミラノの一流デザイナーを起用しているユニクロは、従来のピラミッド構造のファッションの価値観を踏襲しています。
今後、更にファッション業界の構造は変化していくと思いますが、その変化にユニクロはどう対応していくのでしょうか。楽しみですね。
世界一ファッションの多様性が豊かな日本
僕は、世界一ファッションの多様性が豊かな国は日本だと思っています。5年も前ですが、こんな記事を書いたこともありました。
一部の企業を除いて、日本のファッション業界には全く元気がありませんが、ファッション後進国であった日本のファッションがこれだけ多様性が豊かになったのは、日本人が元来ファッション好きだからではないと思っています。
そんな日本人のファッションの価値観を変えたユニクロと、変えつつあるワークマン。僕は更に多様性が増した面白い国になるのではないかと期待しています。
また、僕はそんな多様性の豊かな日本のファッションを、より多くの人が簡単に楽しめるようにしたいと思っています。
最後までご覧いただきありがとうございました!