山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

90sモード系を席巻した「ミニマル」の本質的な意味をアートシーンから紐解く。

目次

 

「FINE BOYS」1998年11月号

今回の“アーカイブディグ”でご紹介するのは、「FINE BOYS」1998年11月号です。

数多くのメンズファッション誌が休刊という名の、事実上の廃刊となっている昨今。「FINE BOYS」は今もティーンズ向けファッション誌として発刊されています。

1990年代の「FINE BOYS」は、当時人気だったデザイナーズブランドを中心としたモード系のスタイル。ですが、同じモード系のメンズノンノやチェックメイトよりもカジュアルな雰囲気で、おそらくターゲットは高校生〜大学生くらいだったと思われます。

早速誌面を見ていきましょう。

表紙裏の広告はメンズヘアスタイリングブランドのBOLTY。竹野内豊さん。めちゃくちゃ格好良いですね。

目次。

表紙のコーディネートに使われていたのは、ジュリアーノ・フジワラやジョン・ロッシャなどの、当時大人気までとは言いませんが、中堅的な人気があったデザイナーズブランドが中心。

イネドオム広告。1980年創業の日本のアパレルメーカー、フランドルが展開していた、いわゆるマルイ系ブランドです。

マルイ系については僕個人として結構思い入れがあるので、当ブログでもこれまで何度かご紹介しています。

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他のマルイ系ブランド同様、フランドルもDCブランドブームの頃に頭角を現した会社です。DCブランドブームについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。

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良さが伝わるダーク・ビッケンバーグ広告

続いての広告は、ベルギーのデザイナーズブランド、ダーク・ビッケンバーグ。マスキュリンで力強いデザインが特徴だったダーク・ビッケンバーグのスタイルが伝わる、良いデザインの広告だと思います。

当時高い人気を集めていたアントワープ王立美術アカデミー出身のデザイナーで、この広告でも象徴的に扱われているレザーブーツはダーク・ビッケンバーグを代表するアイテム。

右ページには全国の取扱店リストが掲載されています。

神戸の取扱店はボードレーという、神戸では数少なかったモード系セレクトショップ。当時大学生だった僕はかなり足繁く通っていました。かなり思い出深いお店です。

そんなボードレーは2022年に閉店してしまっています。

 

ナンバー44×ヘルムート・ラング×ルーディックライターの鉄壁コーディネート

今号の特集が「ミリタリー&スポーツ」。というか、この左ページのコーディネートがめちゃくちゃ格好良くないですか?

胸元のレッドのベルクロが印象的なミリタリーアウターの下に、同じレッドのモヘアニット。どちらのアイテムも、当時大人気だったセレクトショップ、ナンバー44のもの。当時の日本のメンズファッションに大きな影響を与えていたナンバー44ですが、現在ではほとんど語り継がれていないようなので、そのうちこの“アーカイブディグ”で詳しくご紹介できたらと思っています。

そして、ジーンズは90年代を代表するデザイナーズブランドである、ヘルムート・ラングのカジュアルライン、ヘルムート・ラング・ジーンズ。そしてスニーカーは同じくこの頃大人気だった、ルーディックライター。

この頃鉄壁の人気を誇っていたナンバー44×ラング×ルーディック・ライターのコーディネート。

この時代ならではの雰囲気を醸し出しながらも、今でもとってもクールに感じる普遍性も併せ持っています。

次ページもレッドがポイントカラーになっています。

右ページも、ヘルムート・ラング・ジーンズとナンバー44を軸としたコーディネート。

マフラーはジャン・コロナ、パンツはポールアンドジョーのもの。どちらも当時人気のデザイナーズブランドでした。

僕的にはこの頃のイメージが非常に強いので、先日イトーヨーカドーでポールアンドジョーのランドセルを見つけたときはびっくりしました。

左ページのパーカも、当時人気だったデザイナーズブランド、アンドリュー・マッケンジーのもの。

当時、アンドリュー・マッケンジーが打ち出していた裾裏にプリントが入ったジーンズは大人気で、模倣品も数多く見かけました。

「レイヤード」。

カモフラージュアイテム。

90年代人気で、最近古着でも高騰しているワンショルダーバッグも迷彩柄。

オリーブカラーアイテム。メンズビギが展開していたラッドメスや、ポール・スミスのセカンドブランド的存在だったR・ニューボールドなど、マルイ系ブランドが中心になっています。

「気になるキーワード9 '98秋冬おしゃれテキスト」という、テーマ別の提案。最初は「クラシック素材」。

「今シーズンの注目素材といえば、ツイード、フランネル、フェルトといったクラシック素材」ということで、ラッドメスの圧縮ウールコートがピックアップされていますが、僕が当時愛用していたコートは、これと同じ素材でデザイン違いのものじゃないかと思っています。フライフロント、フーデッドというデザインで、神戸の三宮にあったビブレで買ったんですよね。結構気に入った愛用していました。

左のコーディネートのちょっと青っぽいグレーはこの頃独特の色合いです。

お次は「レザーアイテム」。

ピックアップされているアイテムの多くはマルイ系ブランドのもので、レザーアイテムと言えど、ゴツい雰囲気は全くありません。

コーディネートの色使いも、やっぱり時代性を強く感じます。

ピンクのプリントのTシャツは、クリストフ・ルメールのもの。当時のクリストフ・ルメールはこういう綺麗な色使いが多かったので、一際好きなブランドでした。

「リラックスニット」。

カジュアル感の高いローゲージで凹凸感のあるニットも、モードな雰囲気のスタイリング。

「切り替えデザイン」。

真ん中のコーディネートは全身ネペンテス

このトップスは抜染のようです。

 

イマドキなリュウイチロウシマザキのカーゴパンツ

「ワーク系パンツ」。

このコンパクトなシルエットのトップスにカーゴパンツというコーディネートは、かなりイマドキな雰囲気

ピックアップされているアイテムも、今着たいと思えるものばかり。

特に「計14個着いた立体的なポケットがインパクト十分」な、リュウイチロウシマザキオムのパンツは非常にいいですね。

リュウイチロウシマザキオムは、無印良品のメンズデザイナーなどを務めた嶋崎隆一郎さんによるブランド。

様々なブランドのデザインを手掛け、パターン付きの本も出版されています。

こういうスタイリングも今の気分ではないでしょうか。

「グレーアイテム」。

「ミニマルかつ洗練されたグレー」

左のテーラードジャケット、4つボタンで、かなり狭いVゾーン。

いかにもモードな雰囲気のコーディネート。格好良いのでついつい真似したくなりますが、こういうスタイルはモデルさんのようなイケメン&スラッとボディじゃないと、なかなか厳しそうです。

「グラデーションをベースにミニマルに徹するのが鉄則だ」と、ここでも「ミニマル」という表現が用いられています。

「フードアイテム」。

右恥のプルオーバーパカはトランスコンチネンツのもの。当時はキレイ目、モード系に人気のブランドで、僕も神戸の旧居留地にあったお店によく行ってました。

「比翼フロント」。

ここでも「ミニマル」

右の綺麗なブルーのコートはクリストフ・ルメール。

左のブラウンのブルゾンはイギリスのブランド、6876。こちらも当時人気のブランドでした。

「ロングコート」。

ピックアップされているのは、イネドオムやポール・スミス。

右端のグレーのコートは、ジャック・ヘンリー。

「ミニマルに着こなすのがポイント」

 

ミニマルとミニマル・アート

「ミニマル」という言葉がこれだけ立て続けに登場しているということは、この頃のファッションを語る上で非常に重要だったということでしょう。

「minimal」は、辞書的には「最小限の」という意味です。

そして、その「ミニマル」に「イズム=主義」を足した、「ミニマリズム」という言葉のアート的な意味あいは、以下のようになるようです。(強調引用者以下同)

非本質的なフォルム、特徴、概念を排して、欠くことのできない本質的なものを表現する傾向

そして、そのミニマリズムに立脚したのが、「ミニマル・アート」です。

表現がはらむメタファーを排したり、抽象性の極限化を通して、シンプルな幾何形体や物質性に注目した表現である。美術運動ではなく、60年代を通して行われた新しい抽象性を巡る論争であったとも言われる。

bijutsutecho.com

「ミニマル・アート」は、三重県立美術館のサイトでは以下のように説明されています。

ミニマル・アート(最小限芸術)は1960年代後半にアメリカ美術にみられた一つの傾向。1950年代の抽象表現主義の主観的表現を否定し,イリュージョンや個人的感情,ニュアンスといったものを排して匿名的な形体や構造をもった,それ自体の事物性以外の何ものをも表現しない彫刻や絵画を指す。それらは,個人的な手わざの痕跡を避けるため無機的な素材感を有しており,作品のアイデア,プランが決定したら機械的なプロセスのもとで制作される。

www.bunka.pref.mie.lg.jp

ミニマル・アートが隆盛したのは、1960年代のアメリカですが、その先駆者的存在として挙げられるのが、1876年生まれのルーマニアの彫刻家コンスタンティン・ブランクーシです。

https://www.pinterest.jp/pin/297096906682552735/

抽象ではなく本質を表現する「ミニマル」

こちらが代表作である、第一次世界大戦でのルーマニアの戦没者を弔うために建てられた鉄のモニュメント「無限柱」。

https://www.pinterest.jp/pin/100627372913207194/

中でも、代表的な作品である《無限柱》のシリーズが、ミニマルアートにおける重要な影響源とされています。ルーマニアの神話をもとにした、天へまっすぐに伸びる柱のような作品ですが、ひし形のブロックを連続して積み上げたような構造をしており、まさにミニマルアートの「祖」といえるもの。この《無限柱》はミニマルアートを代表する作家であるカール・アンドレにインスピレーションを与え、美術史に新章をもたらしました。

muterium.com

もうひとつの代表作がこちらの「空間の鳥」。

https://www.pinterest.jp/pin/5207355804643886/

「空間の鳥」は、

表面の姿かたちではなく、対象が持つ能力−軌道や浮遊感−を表現しようとした

作品で、コンスタンティン・ブランクーシ本人は

「抽象ではなく本質を表現した具象だ」

と説明しています。

ims-create.co.jp

この「抽象ではなく本質を表現した具象」というコンスタンティン・ブランクーシの言葉は、単に「装飾を廃すこと」や「シンプルであること」と思われがちな「ミニマル」の本質的な意味を表現していると、僕には感じられます。

今、ただここにあるという純粋なもの

先述の通り、1960年代のアメリカで大きく発展したミニマル・アートを代表するのが、ドナルド・ジャッドです。

ドナルド・ジャッドは彫刻をはじめ、家具、デザイン、建築など様々なデザインを手掛けました。

https://www.pinterest.jp/pin/566398090650448873/

https://www.pinterest.jp/pin/56435801571052069/

https://www.pinterest.jp/pin/98586679332910108/

https://www.pinterest.jp/pin/20055160835412849/

「ミニマル・アート」という言葉から多くの人がイメージするのが、ドナルド・ジャッドの作品のようなものではないでしょうか。

このような、まさにミニマル!な作風からはイメージしづらいですが、ドナルド・ジャッドは元々、1950年代のアメリカのアートシーンで主流だった、ジャクソン・ポロックのような抽象絵画を制作していました。

https://www.pinterest.jp/pin/7388786874333837/

ミニマリズムが脚光を浴びる前、1950年代の美術界は、ジャクソン・ポロックのアクションペインティングに代表されるような抽象表現主義が主流でした。

抽象絵画に取り組んでいたジャッドでしたが、やがて抽象表現主義の感情をぶつけるような混沌とした絵画表現と距離を置くようになります。

現代美術を「理性的な領域」に引き戻そうと考えたジャッドは、絵画を「非理性的表現」として否定。1962年には絵画でも彫刻でもない立体作品の制作を開始しました。

ジャッドは作品の中に物語性を持たせたり、何かの象徴として関連付けたりする芸術表現を否定しました。

周囲の環境や作者の思いに影響されず、作品が「明確な物体= specific objects」として自律する純粋芸術を目指しました。

ジャッドが作品にタイトルを付けることはなく、ほとんどの作品が「無題」とされているのもそのためです。

ジャッドは作品から作家の痕跡を徹底的に排除するため、アルミや合板など大量生産された規格品の工業素材を使い、作品制作を加工業者に外注しました。

ジャッドが提唱した「スペシフィック・オブジェクト」は、作品の形や色を最小限にまで削ぎ落した結果として残る「絵画でも彫刻でもないひとつの物体」という概念です。

それは鑑賞者の目の前の物体が、今、ただここにあるという純粋なものです。

media.thisisgallery.com

ですが面白いことに、ドナルド・ジャッドは自らをミニマリストであることを否定しているそうです。

ちなみに、1994年に亡くなったドナルド・ジャッドの遺作は、東京、立川にある複合施設「ファーレ立川」にある、この作品だそうです。立川はたまに訪れることがあるので、いつか見てみたいと思います。

www.faretart.jp

また、「ミニマル」という概念は音楽でも用いられています。こちらの記事にYouTube音源と共にわかりやすくまとめられているので、興味がある方は読んでみて下さい。

housemusiclovers.net

ファッションにおける本質的な「ミニマル」とは?

このように、アートシーンで「ミニマル」という概念がどのように捉えられているかを鑑みてみると、ファッションにおいての「ミニマル」の感じ方が違ってくるのではないでしょうか。

例えば、コンスタンティン・ブランクーシが「空間の鳥」で表現した「抽象ではなく本質を表現した具象」を、ファッションで表現しようとすると、どうなるか

https://www.pinterest.jp/pin/5207355804643886/

そういった意味での「ミニマル」なファッションは、おそらく単なるシンプルな服装にはならないと思います。

人間とは、服とは、生活とは、社会とは。そんなことまで考えを巡らせてみる必要がありそう。

思考実験として楽しんでみるのも、面白そうです。

1998年の「3大人気ショップ」

誌面の続きです。「ビームス・シップス・ユナイテッドアローズ3大人気ショップの売れ筋アイテム活用術」

そう。90年代にセレクトショップと言えば、ビームス・シップス・ユナイテッドアローズが圧倒的にメジャーな存在でした。

この企画ではセレクトアイテムとオリジナルアイテムの両方からピックアップされています。当時は今のようにセレクトショップの店頭はオリジナルアイテムばかりではなく、それぞれのショップの個性が強く感じられていました。

オリジナルアイテムも、どこにでもありそうなトレンド追随ではなく、「こんなのが欲しい」という各ショップスタッフの思いが込められていたような気がします。

ラング、サンローラン、ビューティービースト…人気デザイナーズジーンズ大集合

次の特集は「ジーンズ着こなし見本帳」

右ページのコーディネートはサンローランジーンズ

フランスの老舗メゾン、イブ・サンローランのジーンズラインだった、サンローランジーンズを当時手掛けていたのが、後にディオール・オムでメンズファッション全体に多大な影響を与えるエディ・スリマンでした。

https://www.pinterest.jp/pin/16114511157403278/

そして、左側のジーンズはヘルムート・ラング・ジーンズのもの。当時、デザイナーズブランドのジーンズのなかで、ラングは圧倒的人気でした。シンプルなデザイン、品のあるシルエットだけでなく、ジーンズのキモである色落ちも高い評価を集めていました。今改めて見ると、1万7千円という比較的お手頃な価格も人気の要因だったのではと思います。

そして次ページは日本のデザイナーズブランドのジーンズが並びます。

N.W.Oは、高橋盾さんと共にアンダーカバーを立ち上げた一ノ瀬弘法さんによるブランド。

こちらの記事では若き日の一ノ瀬弘法さんが、高橋盾さんと共に登場しています。

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他に、2000年代に入ってから、カリスマ的なブランドとなるナンバーナイン、ビューティービーストのカジュアルラインであるオルソビューティービーストなど、当時の人気デザイナーズブランドのジーンズが勢揃い。どのコーディネートも、基本的にジーンズと同ブランドのアイテムが使われています。

ビューティービーストに代表される、アヴァンギャルド系のデザイナーズブランドについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。

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左端は、トランスコンチネンツ。9,800円と手頃な価格。

このように、ロールアップ幅が広いのも当時の特徴的なスタイリングです。

次ページは海外ブランドのジーンズ。

パイピングディテールがシグネチャーである、ジョゼ・レヴィも当時好きなブランドでした。

アングロマニアはヴィヴィアン・ウエストウッドのセカンドライン的ブランドでした。

最後はジーンズブランドと、セレクトショップオリジナル。

エドウィンのコーデュロイパンツ広告。ブラッド・ピットの印象しか残らない気が…

リーの広告は「1926年、Leeは世界ではじめてジッパーフライを採用した」という、歴史をアピール。

この号には他にもビッグジョンやリーバイスなどのジーンズブランドの広告が掲載されています。それぞれがどういったイメージを打ち出していたのか、見比べるのも楽しいです。

トヨタ広告。 Every little thingの持田香織さん。

1998年は「出逢った頃のように」や「Time goes by」などのヒット曲を連発していました。

youtu.be

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アルフレッド・バニスター高原啓の本棚の中身

モノクロページは「気になる!あの人の本棚の中身」という企画。俳優やミュージシャンなどの人気職業の方々が登場しています。

デザイナー、モデル、スタイリスト。

こういう企画に登場しているのがちょっと意外な、アルフレッド・バニスターのデザイナー、高原啓さん

当時ファッション誌によく登場していた、モデルの岡沢高宏さん。

ヘアスタイリスト、グラフィックデザイナー。

宇川直宏さんのセレクトは流石にマニアックです。

カリスマブランド、ウィルス

90年代の東京を代表するセレクトショップである、ア・ニュー・ショップのオリジナルブランド、ウィルス

手掛けていた「亀石三兄弟」は当時のカリスマでした。が、この頃神戸にいた僕は東京ローカルのセレクトショップに触れる機会がなく、亀石三兄弟についても雑誌で見たことがある程度で、正直あまり馴染みがありません。

www.wwdjapan.com

これまでの誌面に登場してきた、デザイナーズブランドやマルイ系ブランドと同じく、シンプルなデザイン。

今見ると、格好良いですけどね。

こういうブランドは二次流通市場でもなかなか出回らないでしょうから、今後入手するのは非常に難しいでしょう。

マルイ系ブランド、イネドオムのタイアップページ。

マルイ系ブランドってどうしても軽く見られがちですが、老舗メーカーが多いので、素材やつくりは結構しっかりしてたりします。

レッドのディテールデザインが目立ちます。冒頭のナンバー44や、同じくこの頃大人気だったプラダスポーツなど、この時代を象徴するデザインです。

「もと東京SEX PISTOLSのJONIOさん」

モノクロページ。

「アンダーカバーデザイナー、そしてもと東京SEX PISTOLSのJONIOさん」。「モテモテ状態すぎて入り込む余地ありませんでした…」とのこと。

「原宿に強力新ブランド!」ラウンジリザード始動

ニュースページ。真ん中のカモフラージュ柄のスニーカーは、ルーディックライターのもの。

カーゴパンツのページで登場していたリュウイチロウシマザキオムから、ドラゴンレーベルという新ラインが登場。

右ページ広告、ムーンスターからヘインズブランドのスニーカーが出ていたんですね。

「原宿に強力新ブランド!」。2000年代に人気を集めるラウンジリザードのブランド設立され、ショップがオープンするというニュースです。

ラウンジリザードは2018年にブランド休止、その後2020年に再スタートします。

www.fashionsnap.com

ですが、今確認するとブランドのインスタグラムアカウントは削除されているようで、現在の活動内容は不明です。

www.instagram.com

「チャンピオンの切り替えスウェットがナイチチにて復活」というニュース。ナイチチは2000年代にインパクティスケリーというオリジナルブランドを展開し、こちらも大人気となりますが、ナイチチも2016年に閉店します。

大阪発、現在は全国展開しているセレクトショップ、ルイス。当時、大阪駅にあった商業施設、ギャレ大阪に店舗があり、僕もよく通っていました。

先述のドラゴンレーベルを推しています。

コンセプチュアル過ぎるビューティービースト特集ページ

ビューティービーストオルソビューティービーストの特集ページ。

かなりコンセプチュアルなビジュアルで、服のデザインがよくわかりません笑。当時のビューティービーストは人気絶頂期だったので、こういった打ち出しが可能だったのでしょう。

右ページ、日本の老舗シューズメーカーであるクラウン製靴の広告ページ。

現在はキャサリン・ハムネットやランバンのライセンスブランドを展開しているようです。

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ゴツいソールにスクウェアトゥという当時人気だったデザインですが、ちょうど今も気分な感じ。

読者に人気のブランドはビューティービーストでも20471120でもマサキマツシマでもなく…

「FBファッション漫遊記」読者スナップ企画です。

審査員は毎月変わるようで、札幌が舞台の今号はマルイ系ブランド5351プールオムのデザイナー、丸屋秀之さん。

こういったスナップ企画は当時のリアルな服装がわかる貴重な資料です。モード系寄りの「FINE BOYS」読者は、当時人気だったビューティービースト的なアヴァンギャルドなスタイルがメインだったようですが、着用ブランドが掲載されていないのが残念。

このスナップは路上で声をかけた人が対象ではなく、事前に開催されることを知っている読者が集まっているので、それぞれが気合を入れた服装をしているのだと思います。

そういうこともあって、どの読者もかなり主張の強いコーディネートになっています。

おそらく、多くの人は全身をお気に入りのブランドアイテムで固めているのではないでしょうか。

ビューティービーストや20471120、マサキマツシマといった名だたる人気デザイナーズブランドを退けて人気1位のブランドに輝いたのが、マルイ系ブランドのアバハウス。確かに当時僕も何点かアバハウスの服は持っていました。全国的に人気だったのでしょう。

右ページ、スペインのシューズブランド、カンペール広告。カンペールも当時人気でした。

左ページ「激ヤバハイテクグッズ」で紹介されているのはMP3プレイヤー。

後のiPod的商品。当時はPCが一般家庭にそれほど普及していませんでしたから、販売は苦戦したでしょうね。

ビューティービーストのカルチャーミックスイベント

左ページはイベント紹介。

こちら、ビューティービーストが開催したイベントで、デザイナーの山下隆生さんもDJを担当

「大型スクリーンを使用してファッション、音楽、映像をミックス」し、リアルなファッションショーも披露されています。

こういったビューティービーストのファンを巻き込んだ戦略は、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

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中田商店で米軍M-65が8,500円

右ページのミリタリーアイテムが並ぶページも気になりますよね。こちら、上野アメ横の老舗、中田商店の広告。なんと、アメリカ軍放出のM-65新品が8,500円

他のアイテムも今と比べるとかなりの安さ。

このお値段なら、現金書留で今からでも申し込みしたいところです。