やっぱり「オリジナル」がいいなぁ、というお話。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) 2020年6月1日
コムデギャルソン大好きな僕。特に学生時代はたくさん服が欲しかったので、他のブランドの「ギャルソンっぽい」服を買ったりもしていました。
でも、そんな「っぽい」服は、今1つも手元に残っていません。当たり前の話ですが、どれだけ出来が良くても
「オリジナル」には敵わないんですよね。ましてや、僕が持ってた「ギャルソンっぽい」服は、ギャルソンよりも低価格で、質もそれなりでしたから、なおさらです。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) June 1, 2020
最近はワークものや軍モノを着ることが多くなりましたが、やはり「オリジナル」を求めてしまうのは、「っぽい」服を買っても、どうせ
そのうち着なくなってしまうことが、わかっているからだと思います。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) June 1, 2020
多少値段は張っても「オリジナル」を求めたほうが僕的に無駄がないなぁ、というのが長年服をあれこれ買ってきてわかったことです。
とはいえ、どこまで「オリジナル」を求めるかはアイテムによって全然違います。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) June 1, 2020
例えば、コンバースオールスターは米国製じゃないと!という服好きは結構多いと思いますが、僕はそこにはあまり関心はなかったり。軍モノもレプリカでもメーカーによっては全然OKだったり。
こだわりが強すぎると視野が
狭くなってしまう可能性があるので、あくまでもゆるーい感じで「オリジナル」を求める、ってのが僕のスタンスかなぁと思っています。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) June 1, 2020
僕がコムデギャルソンにどハマリしていた大学生の頃から、そして今もコムデギャルソンから強くインスパイアを得た他ブランドの服はたくさん見ます。特にコムデギャルソン独特の青のストライプ柄のシャツや、パッチワークデザインなど。
昔はそういった服も購入すればそれなりに気に入って着用していたんですが、いつの間にか着なくなって、人にあげたり捨てたりしていました。そして今、そのようなコムデギャルソンインスパイアの服は一着も手元に残っていません。
どんな趣味でもオリジナルを求めるようになる
ファッションだけでなく、どういった趣味でも高じていくと自然とオリジナルを求めるようになることが多いと思います。
例えば音楽。僕は中学生のときTMNやaccessが大好きでした。
中学生当時は音楽に対する知識も乏しかったと思いますが、その後雑誌や書籍などを通じて(当時はインターネットなんてありませんでしたし)知識を深めていくと、TMNやaccessが電子音楽に強く影響を受けたということを知り、電子音楽のオリジナルを求め、YMOやクラフトワークを聴くようになりました。
コムデギャルソンの例とは違い、僕は今もTMNやaccessは大好きでよく聴いています。これは、TMNやaccessが単純に僕の好みであることに加え、それぞれ強いオリジナリティを持っているからではないかと思います。当時、TMNやaccessと同じように電子音楽に強く影響を受けたJ-POPはたくさん存在しており、僕も聴いていたんですが、今はほとんど聴かなくなりました。その理由は、それらの音楽にTMNやaccessほどのオリジナリティがなかったからではないか、というのが僕の仮説です。好き嫌いはかなりあるでしょうが、accessにはかなりオリジナリティがあると思うんですよねぇ…。すみません、余談です。
服に話を戻すと、コムデギャルソンからインスパイアを得た服も、その服なりのオリジナリティがあれば、今も僕は着用していたのかもれません。
服におけるオリジナルとは何か
じゃあ、実際に着る服におけるオリジナルとは何か?と考え始めると、キリがなくなります。
例えば、ファストファッションブランドがデザイナーズブランドやラグジュアリーブランドのデザインからインスパイアを受けて企画されているというのは有名な話です。
ですが、元ネタとなっているデザイナーズブランドやラグジュアリーブランドも、過去のファッションから何かしらインスパイアを受けて服作りをしていることがほとんどでしょう。そうなると、元ネタの元ネタの元ネタ…という風に、キリがなくなってしまいます。
ジーンズはリーバイス501でないと駄目なのか?501でもアメリカ製じゃないと駄目なのか?アメリカ製でも年代によって無数に違いはあるし…追求に追求を重ねると、ヤコブ・デイヴィス(ジーンズの原型をつくった人)の手作りジーンズのみがオリジナル、ということになってきます。
以前の記事でもご紹介しましたが、Tシャツのオリジンはアメリカ海軍の下着だと言われています。が、今アメリカ海軍の下着を入手することは相当困難でしょう。
もしかしたら、どこまでオリジナルを求めるか、というのが服選びにおける「こだわり」なのかもしれません。特にメンズファッションにおいては。
知識があれば自分なりのオリジナルを追求できる
上掲のツイートでも触れている通り、僕はオリジナル原理主義者という訳ではなく、「ゆるーい感じで「オリジナル」を求める」というスタンスです。以前もご紹介しましたが、「こだわり」が強いことが決して良いことだとも思いませんし。
どこまでオリジナルを求めるかはもちろん人それぞれで正解なんてありません。ですが、知識として原典(オリジナル)の存在を知っておくということは無駄にはならないでしょうし、知識があれば自分なりのオリジナルも追求できるようになるでしょう。
僕の著書「結局、男の服は普通がいい」では、<アメカジ>や<アウトドア>などのファッションのジャンルの成り立ち、つまりオリジナルをご紹介しています。
また、最近の当ブログでは、アイテムやカルチャー、スタイル、ファッションのジャンルなど、ファッションのオリジナルを深堀りした記事を意識的に増やしています。
個人的には冒頭のツイートにも書いている通り、オリジナルについての知識を早い段階で得ていれば、無駄な出費をすることはなかったのかもしれないと思っています。オリジナルについての知識があれば、一過性のトレンド性という魅力しかない服や、人気ブランドのデザインの上っ面だけを真似たつまらない服に手を出してしまうこともないでしょう。
別に、オリジナルな服=高価という訳ではありません。例えば、チノパンツのオリジナルの1つと言えるディッキーズは過去記事でもご紹介したように、リサイクルショップでアンダー2,000円、探せばアンダー1,000円でも購入可能です。
ファッションというと、どうしても最新のトレンドの話題が中心でオリジナルは軽視されがちですが、微力ながらもファッションにおけるオリジナルをご紹介していければと思っています。
この記事があなたのお役に立てば幸いです!