僕の著書「結局、男の服は普通がいい」。
テーマは「服選びをかんたんに、自分らしく」。
内容は大きく2つ。1つ目はシンプルでベーシックなデザインの「普通服」。普通服には以下のメリットがあります。
- 誰にでも似合う
- コーディネートに悩まくていい
- いつまでも着られる
- リーズナブルな価格で手に入る
そして、もう1つが「ファッションのジャンル」。料理に「イタリアン」「中華」「和食」などというジャンルがあるように、ファッションにもジャンルがあります。 ファッションにジャンルがあることを理解していると、以下のメリットがあります。
- 自分らしい、自分のライフスタイルにマッチした服を見つけやすい
- コーディネートで悩むことがなくなる
- 効率的に買い物ができる
「結局、男の服は普通がいい」では定番ジャンルのなかから特に重要な<アメカジ><アウトドア><ストリート><ロック><ビジカジ>の5ジャンルをピックアップし、ファッションの多様性を楽しみながらも、効率的に服が選べる方法をご紹介しています。
ブログでは補足として、書籍には収まりきらなかったジャンルやアイテムについて詳しくご紹介していきます。
「スニーカーの”文脈”を知る」第3弾
今回は「スニーカーの”文脈”を知る」と題した、誰もが知る定番スニーカーの歴史や背景を深堀りしてご紹介する企画の第3弾。これまでの記事はこちらです。
ストリートファッションの象徴、スーパースター
今回ご紹介するのはアディダス スーパースターです。
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多くの人にとって、アディダス スーパースターはストリートファッションの象徴のような存在ではないでしょうか。そのイメージの源はRun-D.M.Cでしょう。
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Run-D.M.C.はニューヨーク出身のヒップホップ・グループ。アディダスのトラックジャケットやカンゴールのハットなど、多くの人がイメージするヒップホップファッションを決定付けたのがRun-D.M.C.です。代表曲は1986年にロックバンド、エアロスミスと共演し、ヒップホップとロックを融合させた「Walk This Way」。
そんなRun-D.M.C.が特に愛用していたのがアディダス スーパースターです。
https://www.pinterest.jp/pin/523402787919198802/
その理由をRun-D.M.C.はこう語っています。
アディダスは手入れをしていればかなり持ちがよくて、長い期間履き続けることができたんだ。アディダスを買えなかったキッズが下校中のキッズからアディダスを取り上げるなんてこともあった。スナッチされないよう守る自信がなければ、アディダスを履くことはできなかった。<スーパースター>がポピュラーになったのは1978年から1984年だったと思う。アディダスは昼間バスケットボールをして、それから磨きなおして夜パーティにも出かけることができた。”プレイとチル”がどんな目的でも履くことができるシューズだったんだ。
引用元:東京スニーカー史 (立東舎)
スーパースターはドレススニーカーの元祖だった
さて、Run-D.M.C.の言葉にもある通り、アディダス スーパースターはバスケットボールシューズです。しかも、発売された1969年当時の最先端技術によって開発された、画期的なハイテク機能を搭載したバスケットボールシューズなのです。
それまでのバスケットボールシューズは主にキャンバス素材が用いられていました。その代表格がコンバースオールスター。こちらは1960年代のNBAの試合の模様ですが、選手全員がコンバースオールスターを着用しているのがわかります。
https://www.pinterest.jp/pin/299419075227783900/
プレイの高度化に伴い、シューズメーカーはキャンバス素材よりも堅牢性の高いレザー素材をバスケットボールシューズに取り入れるよう試みますが、当時のヴァルカナイズ製法の技術レベルでは、レザー素材を熱圧着することができませんでした。しかし、アディダスが技術革新に成功し、レザー素材を用いたバスケットボールシューズ、スーパースターを発売しました。
Run-D.M.C.は「アディダスは手入れをしていればかなり持ちがよくて、長い期間履き続けることができた」と語りましたが、その理由はスーパースターにレザー素材が用いられていたからです。
つまり、アディダス スーパースターは最近ではビジカジなどにも用いられるオンオフ兼用スニーカー、ドレススニーカーの元祖とも言える存在だったのです。
NBAを席巻した機能性の高さ
もちろん、アディダス スーパースターの魅力はファッション性だけではありません。その機能性の高さと、アディダスの巧妙なマーケティング戦略により、1973年のNBAオールスターゲームのウェスタンディヴィジョンでは選手全員がアディダスを着用するなど、バスケットボールシーンを席巻しました。そのことを謳った広告がこちら。足元見てみて!みんなアディダス履いてるよ!って広告です。
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スーパースターを愛用したバスケットボールプレイヤーの代表が、カリーム・アブドゥル=ジャバー。
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史上最高の選手と評されることも多い伝説的な選手で、彼の背番号33番は在籍したミルウォーキー・バックスとロサンゼルス・レイカーズの2チームで永久欠番となっています。
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身長は218cm。
https://www.pinterest.jp/pin/514817801136612105/
映画「死亡遊戯」ではブルース・リーと対決したことでも知られています。
アメカジの定番スニーカーに
その後、アディダス スーパースターはカジュアルシューズとして更に認知度を高めていきます。例えば、映画ビバリーヒルズ・コップ3でエディ・マーフィ演じるアクセル・フォーリーが着用していたのが、スーパースター。
https://www.pinterest.jp/pin/667236501033476673/
スタジャンにカレッジTシャツ、ジーンズという、これぞアメカジという装いにスーパースターを合わせています。
https://www.pinterest.jp/pin/514677063638486960/
ちなみに、ビバリーヒルズ・コップシリーズではアディダスが数多く登場しています。こちらはクロスカントリーシューズの名作、カントリー。色落ちしたジーンズに白の靴下、そしてカントリーという組み合わせは爽やかで格好良いですね。
https://www.pinterest.jp/pin/801429696179093444/
その後、1990年代に日本で流行したアメカジをベースとしたファッションである「渋カジ」でも、 スーパースターは定番スニーカーとして着用されていました。
渋カジが、わたしを作った。 団塊ジュニア&渋谷発 ストリート・ファッションの歴史と変遷
ファッションのジャンルに沿ったコーディネートサンプル
ご紹介してきたように、アディダス スーパースターのジャンルは<アメカジ><ストリート>。
まずはエディ・マーフィのようなカレッジTシャツにジーンズという、ド直球の<アメカジ>コーディネート。老若男女問わず着られる服装でしょう。
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そして、<ストリート>コーディネート。個人的にも気になっているホッケーシャツに膝下丈のゆったりシルエットのディッキーズという<ストリート>度がかなり高いアイテムにもすんなり馴染みます。
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