僕の著書「結局、男の服は普通がいい」。
テーマは「服選びをかんたんに、自分らしく」。
内容は大きく2つ。1つ目はシンプルでベーシックなデザインの「普通服」。普通服には以下のメリットがあります。
- 誰にでも似合う
- コーディネートに悩まくていい
- いつまでも着られる
- リーズナブルな価格で手に入る
そして、もう1つが「ファッションのジャンル」。料理に「イタリアン」「中華」「和食」などというジャンルがあるように、ファッションにもジャンルがあります。 ファッションにジャンルがあることを理解していると、以下のメリットがあります。
- 自分らしい、自分のライフスタイルにマッチした服を見つけやすい
- コーディネートで悩むことがなくなる
- 効率的に買い物ができる
「結局、男の服は普通がいい」では定番ジャンルのなかから特に重要な<アメカジ><アウトドア><ストリート><ロック><ビジカジ>の5ジャンルをピックアップし、ファッションの多様性を楽しみながらも、効率的に服が選べる方法をご紹介しています。
ブログでは補足として、書籍には収まりきらなかったジャンルやアイテムについて詳しくご紹介していきます。
スケートカルチャーが生まれた1970年代
今回ご紹介するのは<ストリート>を象徴するアイテムであるスニーカー。その中でもスケートカルチャーと馴染みの深いスニーカーをご紹介します。
この記事を書くにあたって主に参考にしたのが東京スニーカー史 。当記事で引用している文章の出典は全てこちらです。
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書籍自体についてはこちらの過去記事でご紹介しています。
イントロダクションとして、スケートカルチャーの成り立ちから。
元々スケート(スケートボード)は子供の遊び道具でしたが、1970年代に技術革新により性能が高くなってからは、サーファーたちのオフの日の楽しみや移動手段として用いられるようになりました。
当時、カリフォルニアのヴェニスビーチで不良の溜まり場になっていたのが「ジェフ・ホー・サーフボード&ゼファー・プロダクション」というサーフショップです。経営していたのはサーフボードシェイパーであるジェフ・ホー。彼は1973年、スケートチーム「Z-BOYS」を結成しました。
https://www.pinterest.jp/pin/502432902160305951/
サーファーでもあった「Z-BOYS」のメンバーはスケートボードにサーフィンのテクニックを応用し、テクニックを高度化。スケートボードにエクストリームスポーツという価値を加えました。
ヴァンズはスケートカルチャーのレジェンドに愛された
そんなスケートカルチャーのレジェンドである「Z-BOYS」が着用していたのがヴァンズです。(↓はZ-BOYSのメンバーの1人、トニー・アルバです)
https://www.pinterest.jp/pin/74661306295178643/
1966年、カリフォルニア州アナハイムで創業されたヴァンズが世に送り出した初めての商品がオーセンティックです。分厚くて丈夫なダックキャンバス生地と、グリップ力に優れたラバーソールがスケーターからの支持を集めました。
VANS Basic Authentic
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(記事執筆時の価格、返品条件です)
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1976年、Z-BOYSのメンバーであるトニー・アルバやステイシー・ペラルタのアイディアを参考に、履き口にパッドが入れられるなどよりスケーター向けに開発されたモデルがエラです。 ↑のオーセンティックと比べると履き口が分厚くなっているのがわかります。
VANS ERA
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スケートカルチャーとも縁の深いエアジョーダン
バスケットボールシューズの代名詞的存在である、エアジョーダン1。
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エアジョーダンはスケーターにも愛されたスニーカーであることを、僕は東京スニーカー史 を読んで初めて知りました。
https://www.pinterest.jp/pin/392868767463716632/
藤原ヒロシ氏も所属していた、スケートチームの先駆け的存在である「T19」を主宰していた、東京のスケートシーンの草分け的存在である大瀧浩史氏はこう語ります。
その頃のメインストリームは<エアジョーダン1>だったんじゃない?マーク・ゴンザレスが履いていたしね。僕がアメリカに行く前からスケシン(スケートシング・グラフィックデザイナー)くんとかは既に東京で履いていたけど。ほら、その頃から街でもオーリーをガンガンするようになったんで、丈夫な靴が欲しくなるわけ。バッシュはレザーだし頑丈でしょってね。俺は好きじゃなかったけど、<エアジョーダン1>はヒールが厚いのに、つま先にかけてきゅっと薄くなっているから、スケートボードがしやすいって、みんな言ってたかな。
裏原宿を代表するブランドの1つ、ダブルタップスのディレクターである西山徹氏。少年時代はスケートボードに傾倒していたそうです。
スケートボーダーが「スラッシャーマガジン」やビデオで<エアジョーダン1>を左右色違いで履いていたり、色を塗ってカスタムしているスケートボーダーを観て「この靴は何だろう?」って感じで探し始めたんです。
結局、上野のスポーツ店のワゴンセールで白☓黒☓赤を9800円で買いました。
マイケル・ジョーダンという空前絶後の実力と人気を誇るバスケットボールプレイヤーのシグネチャーモデルということだけでなく、スケートカルチャーという背景があることも、エアジョーダンが人気を保ち続けている理由のひとつなのでしょう。
拡大するスケートカルチャーとスケーターブランド
スケートカルチャーの広がりを受け、1980年代にはスケーターブランドが生まれ始めます。その代表が、同じカリフォルニアで1986年に設立されたエアウォークと、1987年にフットウェアの展開を始めたヴィジョンストリートウェアです。
エアウォークはスケートボードとBMX用のフットウェアブランドとしてスタートし、ジェイソン・リーやトニー・ホークなどの人気スケーターをサポート。その後、マウンテンバイクやスノーボードなどの多彩なエクストリームスポーツのウェアやシューズを展開します。
https://www.pinterest.jp/pin/493214596676641211/
Airwalk One
¥15,580
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1976年に設立されたヴィジョンストリートウェアはスケートだけでなく、音楽のイベントも開催するなど、幅広いストリートカルチャーをサポートしています。
https://www.pinterest.jp/pin/548805904565669777/
2017年にはVISION SKATEBOARDSという、スケートシューズのアーカイブを復刻させるラインもスタートしています。
VISION SKATEBOARDS Suede Lo
¥12,100
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文脈を知るとモノを見る目が変わる
と、このように背景にある文脈を知ると、スニーカーを見る目も変わってくるのではないでしょうか。
ちなみに、スケートカルチャーを背景に持つ服として知られるのが、過去記事でもご紹介しているディッキーズのチノパンツです。
ディッキーズのチノパンツはシンプルでベーシックなデザインの「普通服」でもあるのでどんなアイテムとの相性も良好ですが、カルチャーという視点からすると今回ご紹介したようなスケートカルチャーと縁のあるスニーカーとの相性は格別です。
この記事があなたのお役に立てば幸いです!