移り変わりが激しいファッション。何がオシャレか、という価値観も目まぐるしく変化し続けています。
2020年の今、ちょっと前まではダサかったのに、今はオシャレだとされているファッションを3つピックアップしてみました。
カジュアルファッションでのタックイン
まずはシャツやTシャツなどのトップスの裾をボトムスのウエストに入れるタックインです。
スーツなどのフォーマルウェアならばタックインは常識ですが、特にメンズカジュアルファッションでタックインすることは、少し前まではありえませんでした。
例えば、2005年に放送されたテレビドラマ「電車男」の主人公はチェックシャツをジーンズにタックインしています。当時タックインはいわゆる「オタクファッション」の象徴的存在でした。
https://www.pinterest.jp/pin/459296861969354899/
ですが2020年の夏、街を歩く若い女性はタックインをしている人のほうが多いのではないでしょうか。
20代がターゲットでカジュアルなファッションを扱う雑誌、minaではTシャツをジーンズにタックイン。
40代がターゲットで比較的コンサバな雰囲気のVERYもタックインです。街で僕が見る限り、女性は40代以上でもタックインの人はかなり増えている印象があります。
メンズファッションはレディスよりも変化が激しくありませんし、コーディネートの幅もありません。ですので、現時点でタックインをしている男性はファッションに積極的な20代以下にほぼ限られていると思います。
30代以上の男性でタックインをしているのは、かなりファッションに積極的な層だけでしょう。
ですが、40代がターゲットのUOMOでもタックインが提案されているように、今後は男性の40代以上でもタックインをする人が増えるかもしれません。ちなみに、今年で40歳になった僕は今の所タックイン未経験です笑。
下北沢の高感度な古着屋さんのインスタグラムではこんなタックインスタイルが提案されています。今の感覚だとかなり尖った印象がありますが、例えば1年後に改めて見るとまた違った印象を持つのかもしれません。
市民権を得たセンター分け
↓は2019年1月に書いた記事です。
文中にこうあるように、1年半前に流行っていたのはマッシュルームヘアだったようです。
今一番流行っているメンズヘアスタイルは米津玄師さんみたいなマッシュルームヘアであることは間違いない
ロッキング・オン・ジャパン 2017年 11 月号 [雑誌]
それから1年半後の今、街でセンター分けの男性を見かけることはかなり増えた印象があります。ファッション誌などでもセンター分けは更に増えています。こちらはセンター分けだけでなく、赤のセットアップに白Tシャツというかなり吉田栄作感の強いコーディネート。ついでにTシャツはタックインしていますね。
やや長めのセンター分けも増えています。
こちらなんて、センター分けで刈り上げしかもペタッと地肌に張り付いたような、一昔前なら敬遠されそうな髪型。こういった髪型も今後増えるのかもしれません。
訪日アジア人とインスタグラムが流行らせたペアルック
最後はペアルック。10年くらい前までは、街でペアルックをしている若者なんて皆無だったと思います。
それが、今やペアルック専門のファッションブランドまで登場するくらいの人気っぷりになっています。
男女のペアルックだけでなく、女性同士のペアルックも提案されています。
このように、現在完全に定着した感のあるペアルックですが、僕はそのきっかけが訪日アジア人だと考えています。このグラフを見てもわかる通り、2013年あたりから訪日アジア人が急激に増加しました。
https://inbound-pro.com/article/11/
僕は当時、リサーチで訪日アジア人で溢れる渋谷や原宿を頻繁に歩いていたのですが、ペアルックをしている訪日アジア人のカップルがとても多かったことが印象に残っています。
特に多かったのはスニーカーのみのペアルック。ナイキなどのハイテクスニーカーの全く同じモデルを履いている訪日アジア人カップルをよく見ました。その当時はペアルックをしている日本人はほとんどいなかったので、余計に目立ったのだと思います。
そこから少しずつ、ペアルックが日本人にも浸透し始めました。日本人も当初はカップルでのスニーカー、または女の子同士のペアルックが多かったと思いますが、徐々にカップルの服のペアルックも増え、ペアルック専門ブランドが誕生する現在に至っています。
また、インスタグラムもペアルックの普及の大きな理由の1つだと思います。ペアルックはインパクトがあるのでインスタ映えします。ディズニーランドなどのテーマパークにキャラクターを模したペアルックで訪れ、グッズを身に着けたりポーズをとったりすると更にインスタ映えします。
最初はコスプレに近い非日常的ファッションだったペアルックも、インスタで見たり、街で見かけたりするたびに徐々に親近感が増して日常的になってきます。ペアルックもまだファッションに積極的な若者に限定されています。さすがに幅広い層に普及はしないと思います…が、どうでしょうね。
流行の発信源が多様化している
これまでのファッションはパリコレクションやミラノコレクションなどのファッションショーで発表されるラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドなどの高級ブランドが流行の発信源で、それがファッションの頂点であるという価値観が一般的でした。
ですが今回ご紹介したように、現在流行の発信源は非常に多様化しています。高価な服を買わなくても、十分オシャレを楽しめる、そんな時代だと思います。今後もっともっと、自分の好きな、自分らしいファッションを楽しめる価値観が広がればと思っています。
この記事があなたのお役に立てれば幸いです!