
目次:
- 黎明期だから面白い2004年のお兄系
- まだお兄系ブランドは生まれていなかった
- 今の気分にぴったりの“お兄系+α”
- パタゴニアのダスパーカ着用のお兄
- 結構アリな読モのコーディネート
- お兄系の本質は服ではなく髪型?
- 群馬のワルな若者カルチャーの記録
黎明期だから面白い2004年のお兄系
先日の“ファッションアーカイブ”で、ギャル男ファッションのひとつとして突発的なブームとなったセンターGUYをご紹介しました。
今回は↑の記事に引き続き、『Men's egg』2004年3月号に登場しているお兄系ファッションにつていご紹介していきます。

こちらは以前の“ファッションアーカイブ”でご紹介した、2011年のお兄系ファッション。

この頃になると、完全にお兄系ファッションのスタイルが確立されています。

その完成度の高さは、様式美と言えるレベル。

『Men's egg』2004年3月号の誌面を見るとはっきりとわかりますが、2004年はまだまだお兄系ファッションの黎明期で、そのスタイルは発展途上の段階でした。今号の特集は“春の新作ニュースFILE”。

ですが、その発展途上がゆえの面白さがあると、僕は思います。

例えば、このコーディネートのようにお兄系ファッションでタータンチェック柄のパンツを着用するスタイルなんてのは、非常に新鮮です。

マルイ系のようなキレイ目な雰囲気のコーディネートも。

後に真っ黒けっけになるお兄系も、こんな爽やかな色を着ていた時代があったんですね。

とはいえ、こういうファッションはあくまで雑誌で提案されているもので、当時のお兄系がこういう服装をしていたという訳ではありません。

ですが、スタイルのサンプルとしては非常に興味深いと面白いと思います。


パンツ特集。

後にスキニーパンツがほとんどになるお兄系ですが、この頃はルーズシルエットのパンツも提案されていました。

コーディネートもそうですが、アイテムそれぞれのデザインも結構今の気分のものが多いのではないかと思います。




まだお兄系ブランドは生まれていなかった
“主要6ショップのスプリングスタイル&アイテム大公開”でピックアップされているのはお兄系ブランドを扱うショップではありません。ナムスビやレディステディゴーは、『POPEYE』や『Hot-Dog PRESS』などのマス向けのファッション誌にも登場している、いわば普通のセレクトショップです。つまり、2004年当時はまだお兄系ブランドやお兄系ショップも生まれていなかったということでしょう。

今の気分にぴったりの“お兄系+α”
次の特集は“お兄系+α”。その説明には、“前回紹介したお兄系スタイルに、旬のアイテムをミックスしたお兄系+αスタイルを提案”とあり、やはりお兄系が2004年当時まだ新しいスタイルだったことがわかります。

で、この“お兄系+α”で提案されているスタイルがまた格好良いんです。

このページは+αでミリタリーアイテムを提案していますが、2023年の大ヒットアイテムとなった太い軍パンを使ったコーディネートなんて、今の気分にぴったりのスタイルではないでしょうか。

次のページはライダースジャケットとレザーパンツのロックアイテムをプラス。

ここらへんのスタイルも、次に来そうな感じ。


その次はダメージジーンズ。

こちらもルーズシルエットのボトムスが、イマドキな雰囲気。

キルティング素材のアウターと、ジャージ。

古着のカバーオールとお兄系というミックスコーディネートはめちゃくちゃ新鮮です。

パタゴニアのダスパーカ着用のお兄
次は“ストリートのリアルなトレンドと、メンエグイチオシのファッションニュースをコラム形式で送る「ストリサ」”。

最初にピックアップされているのは、“サーフブランド「ランブルズ」”。

次は“黒のスニーカー”。お兄系のイメージとはかなりかけ離れたナイキのエアマックスやリーボックポンプフューリーなどがピックアップされており、ここでもお兄系黎明期の模索っぷりが現れています。

ギャル系に人気が高かったブランド、ココルルのメンズライン。

その他、古着のネルシャツやアウトドアブランドのアウターなど、お兄系っぽくないアイテムが多数。

パタゴニアのダスパーカ着用のお兄。ミスマッチに見えますが、2000年代初頭のギャル男は古着をよく着ていたようです。そのあたりについてはまたご紹介できたらと思っています。

結構アリな読モのコーディネート
左ページからは“読者モデル発!俺の1 WEEK FASHION”。読者モデルもコーディネート紹介ということで、2004年当時のリアルなスタイルが垣間見える企画です。

最初の方は、ブラックを基調としたザ・お兄系なスタイル。

ですが、その他はかなりバラエティが豊か。

アディダスのトラックジャケットに色落ちしたリーバイスのジーンズという古着スタイル。

アーシーな色合いのミリタリースタイル。

キャスケット。

その他色々。

「全然ナシ!」なのも少なくはないのですが、ところどころに「おっアリかも」と思えるスタイルが潜んでいます。







トランスがかかるクラブではバーバリーが人気
右ページは今号に掲載されたアイテムを提供したショップリスト。
今や日本を代表する古着屋となった、ベルベルジンや原宿キャシディーなどの有名店が。後にお兄系ブランドとなるシルバーバレットやバッファローボブスもありますが、おそらく当時はまだお兄系ブランドではなかったと思われます。
で、左ページはクラブでのスナップ。ネオンイエローのD&Gのキャップにポンプフューリーの彼はダンサー。

場所は六本木のベルファーレと、渋谷のアトム。“音は2件ともトランスに的を絞ったため、レイバーなど目立ったヤツ等が多かったぞ!”とのこと。

↑の彼もそうですが、やはり2004年のお兄系では(ラグジュアリー)ブランドが人気だったようです。

シャツを中心に、バーバリーチェックのアイテムが目立っています。。







お兄系の本質は服ではなく髪型?
次の特集、“スーパーヘアカタログ”で登場しているのは、どれも「これぞお兄系!」な髪型ばかり。

お兄系は服ではなく髪型が本質なのではないか?と思ってしまいます。

こういう「盛った」髪型は、2011年のお兄系と基本的には変わりません。


群馬のワルな若者カルチャーの記録
右ページの“カップルキボーン”というプリクラページが気になりつつも、さらにインパクトがあるのが左ページの“前近代的風景探訪〜真夜中駅前ロータリー〜”という特集。

夜の駅周辺に集まる若者たちのレポート的企画で、VOL.3となる今号は群馬県太田駅。

ファッションもさることながら、カルチャーの記録としてかなり興味深い内容です。

ピックアップされているのは、若者たちが集まるアミューズメントスポット、駅周辺、そして風俗&飲み屋街。

僕個人としてはいわゆる「ワル」なカルチャーはこれまでの人生で全く馴染みがありませんでした。

字も写真も小さいですが、「こういう世界もあったのか」と、じっくり読んでしまいました。

ここに登場している若者たちも、今はアラフォーでしょう。

イラストで描かれた“群馬男女スタイル”。群馬でもやはりバーバリーのシャツが人気だったようです。そして、レディスはセンターGUY御用達ブランド、アルバローザが人気。

最後はギャルサー。これも今はなきカルチャーですね。
