コムデギャルソンのデザイナー、川久保玲。
僕が仕事にするくらいファッションにハマったのも、確実に川久保玲の影響が最も強かったと言えます。
ライダースジャケットが世界一似合う人、川久保玲説。 pic.twitter.com/86H25eOdW2
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2021年3月5日
川久保玲は「服が全て」「伝えたい事は服で表現している」というようなことを常に語っており、基本的にメディアにはほとんど出ないのですが、コムデギャルソンの創設者であり、株式会社コムデギャルソンの社長でもあるので、これまで雑誌やテレビなどで数多くインタビューに応えてきました。
川久保玲に興味を持った人に是非見て貰いたいのが、NHKスペシャルの川久保玲特集。YouTubeにアップされています。約20年前の番組ですが、川久保玲を知るのに最も適していると思います。https://t.co/EOJLQy92ph
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2020年10月20日
ロングインタビュー。読み応えあります。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2021年4月20日
コム デ ギャルソンの川久保玲にインタビュー。今、思う「服のちから」とは? | Vogue Japan https://t.co/Y5f6yZRJcQ
川久保玲以外のコムデギャルソンのデザイナー
コムデギャルソンには川久保玲以外に数人デザイナーがいる(いた)のですが、 そのデザイナー達のインタビューはほとんど存在しません。例えば、当ブログでも以前ご紹介した、田中啓一。ネットでも田中啓一についてきちんとまとめられた情報はほとんど存在しなかったので、ちょっと大袈裟ですが田中啓一の素晴らしさを後世に伝える為に、この記事を書きました。
田中啓一がコムデギャルソン社を退社した後、コムデギャルソンオムのデザイナーに就任したのが渡辺淳弥です。
家の整理したら昔の雑誌の切り抜きが出て来た。今は無きヴォーグニッポン。川久保玲、渡辺淳弥、田中啓一の奇跡のスリーショット。今は知らない人も多いでしょうが、田中啓一は当時の(15年前までだっけ)コムデギャルソンオムのデザイナー。爆笑問題の田中裕二の実兄です。 pic.twitter.com/un5NX3ZJpv
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2017年4月28日
コムデギャルソンオムを手掛ける以前から、渡辺淳弥は自分の名前を冠したレディスブランド、ジュンヤワタナベコムデギャルソンをパリコレクションで発表しています。
20SSのジュンヤ、トレンチコート☓ネオンカラーがかっちょいい。https://t.co/ciilpYQDLh pic.twitter.com/pRrdFBqWiJ
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2019年9月28日
ジュンヤがギャル笑 pic.twitter.com/PBBPuKrPFC
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2019年3月2日
渡辺淳弥はコムデギャルソンオムの他にも、ジュンヤワタナベコムデギャルソンマンというブランドも手掛けているのですが、僕は渡辺淳弥はメンズよりもレディスの方が圧倒的に素晴らしく、その中でも2000年代初頭のコレクションは傑作連発で、渡辺淳弥の絶頂期と呼べる時代だったと思っています。
僕の好み100%なのでのかなり偏った内容かもしれませんが、渡辺淳弥の素晴らしさを少しでも多くの人に知ってもらえたらと思います。
ランウェイに雨が降った
まずは2000年春夏コレクション。敬愛するユナイテッドアローズの栗野宏文さんも、以前何かのインタビューでベストコレクションのひとつに挙げていた記憶があります。
舞台に雨が降る演出が衝撃的だった00SS。実際にショーを見たUA栗野さんも感涙したそうです。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) October 10, 2020
そういや、当時はデザインもコンセプトも川久保玲よりも攻めている印象がジュンヤにはあった気がします。 pic.twitter.com/lw2wnB5Stg
わかりやすいGIF画像がありました。
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あまり自信がありませんが、確かこのときのアイテムの多くは雨でも平気なナイロン素材が用いられていたような。
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コムデギャルソンらしい禁欲的なスタイルと、60年代のレトロフューチャーが合体したようなデザインが当時非常に新鮮でした。
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ちなみに、今やレギュラー的に展開されているナイキとコムデギャルソンとのコラボレーションアイテムが初めて発売されたのがこのシーズンでした。
神戸BALで並んで買ったジュンヤのエアクキニ。レディスですが、メンズサイズも発売されたのが嬉しかったですね。履き心地はあまりよくなかったんですが、ボロボロになるまで履いていました。エアクキニは復刻しないですね。良いデザインだと思うんですが。 pic.twitter.com/E7qwOJZJc9
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2017年8月15日
デニムの特徴を最大限に活かした2002年春夏
続いて、2002年春夏コレクション。
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見て下さい、この複雑なパターン。そして、デニム素材特有のアタリがデザインとして非常に有効的に活かしているアイデアにも脱帽です。
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シルエットも物凄いことになっています。
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渡辺淳弥はヴィンテージマニア
そして、2003年春夏コレクション。
個人的に川久保玲の全盛期は90sだと思っているんですが、渡辺淳弥の全盛期は00sじゃないかなぁと今思い始めました。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2020年10月10日
こちらは03SS。ジュンヤのミリタリー好きがレディスウェアで活きた、素晴らしいコレクションだと思います。https://t.co/Fnui6yUY9F pic.twitter.com/NfpsLNvcJ8
一見、なんだろう?と思われるかもしれません。
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これ、実はこんな風にバックパックなどに使われるストラップを服の内外に配してシワを寄せたりシルエットに変化を付けたりしているのです。
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コムデギャルソンの中の人に聞いたことがあるんですが、渡辺淳弥は大のヴィンテージマニア、中でもミリタリーやワークが大好物だそうです。このストラップのギミックも、ミリタリーアイテムからインスパイアを受けたのかもしれません。
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オートクチュールなどのオーセンティックなレディスコレクションでは、終盤にマリエと呼ばれるウェディングドレスが登場するのですが、このコレクションのマリエ的なルックは圧巻でした。 エレガントなのに、ディテールはラフ。この対比は渡辺淳弥ならではだと思います。
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こちらは2005年秋冬コレクション。
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バンジーコード(アウトドアブランドのバックパックなどに用いられる細い伸縮性のある紐)を使った、2003年春夏の発展型と呼べそうなコレクション。これも格好良かったです。
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モード×アウトドアの嚆矢
お次は2004年秋冬コレクション。
04AW。当時は今よりも圧倒的にアウトドアなイメージの強かったダウンジャケット。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) October 10, 2020
それをモードに取り入れた嚆矢はジュンヤじゃないかなと思っています。 pic.twitter.com/tIIzGOHDle
2021年の今、コンセプチュアルでモード色の強いブランドで、ダウンジャケットが登場することはそう珍しくありませんが、当時はかなり斬新でした。
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特にこのルックのような、エレガントなケープとダウンジャケットをミックスしたアイテムに、当時の僕はかなり衝撃を受けたことをよく覚えています。
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ジュンヤワタナベのキャリアNo.1シーズン
もちろんあくまでも僕の個人的に、ですが2005年春夏が渡辺淳弥のキャリアの中で圧倒的にNo.1コレクションです。
個人的に圧巻だったのが05SS。アクセサリーに見えるゴールドやシルバーは、実はジップや安全ピンなどを重ねたものなんです。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) October 10, 2020
この画像でも圧巻っぷりは伝わると思いますが、当時実物を見た僕は文字通り圧倒されました。パタンナーさん、大変だったろうな… pic.twitter.com/JwvkkOWocR
一見金色のチェーンのように見えますが…
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これ、全部ジッパーなんです。
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実用品であるジッパーを装飾品に昇華するというアイデアが秀逸過ぎます。
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そして、そんなアイデアもさることながら、これを実現させたパタンナー、そして縫製工場は相当大変だったのではないでしょうか。
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レディスブランドなので当然僕は着られないのですが、あまりに衝撃的なコレクションだったので、アクセサリーだけでも買おうかと思うくらいでした。
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このネックウェアは単品で商品化されていましたね。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) October 10, 2020
当時パリ留学中だった僕は現地の百貨店でセールになっているのを見つけて、買おうかどうか相当迷いました。
ジュンヤは日本製なので、セールでもフランスで買うと相当高価なので諦めましたが…
今でも強く覚えている商品です。 pic.twitter.com/osz0xmX6M3
残念ながら、このコレクションが発売されたときはフランスに住んでおり、日本製であるジュンヤワタナベの商品はフランスでは腰が抜けるくらい高価なので購入には至りませんでしたが…今なら買ってるかもしれませんね。
約20年前のコレクションということで、記憶違いなどがあるかもしれません。お気付きの場合、ツイッターなどでお教えいただけると幸いです。
また、今回ご紹介した以外にも記憶から抜け落ちている傑作コレクションはある筈ですので、今後も思い出し次第随時ご紹介できたらと考えています。