木村拓哉さん。
90年代を代表するファッションアイコンですね。
当ブログ【ファッションアーカイブ】でこれまでご紹介してきた90年代の雑誌に数多く登場しています。
また、令和のファッションアイコン菅田将暉さんとの違いについて、こんな記事を書いたこともありました。
ブレイク前夜のキムタクファッション
そんな木村拓哉さんと稲垣吾郎さんが表紙を飾る、オリーブ1992年6月3日号。
こちらが1992年の木村拓哉さんが出演したドラマ。
出世作となったあすなろ白書が翌年の1993年の作品なので、1992年は木村拓哉さんのブレイク前夜という感じでしょう。
今号の特集は「もっと知りたい、男の子!」。
木村拓哉さんと稲垣吾郎さんのインタビューが掲載されています。
1992年の木村拓哉さんは、「夢中になったら、趣味も女の子もひと筋なんだ」、デートは「何もしなくていいから、公園とか行って、ふたりでぼーっとしてたいな。」とのこと。
今の気分にぴったりな1992年のファッション
僕が気になったのは、全身ネイビーのコーディネートが非常に格好良いこのスタイリング。
ゆったりシルエットや、アメカジベースのナチュラルで素朴な雰囲気が、2022年の今のトレンドに非常に近いと感じました。
このオリーブ1992年6月3日号では一般の男の子も自前と思われる服装で登場しています。
つまり、1992年のリアルなストリートファッションなのですが、その雰囲気も2022年の今と非常に似ているのです。
右上の白Tシャツをジーンズにタックインしているコーディネートなんて特にですね。今の写真と言われても気づかないかもしれません。
むちゃくちゃ今っぽい https://t.co/A7SoEcLxxo
— 齋藤 (@saito_d) 2022年8月20日
1992年の髪型=2022年の髪型
それに加え、目を引くのが木村拓哉さんと稲垣吾郎さんの髪型です。
このウェーブのかかったウェット気味のセンター分けも、2022年の今非常によく見かける髪型だと思います。
つまり、1992年の服装も髪型も、ちょうど30年後の2022年、また人気になっているということです。
脂が乗りきった時代の木村拓哉
次にご紹介するのが木村拓哉さんが表紙のホットドッグ・プレス1995年9月10日号。
ちなみに、この前年の1994年、木村拓哉さんはドラマ「若者のすべて」に出演。
この1995年は浜田雅功さんとの共演が話題となった「人生は上々だ」。
そして、翌年の1996年は最終回の視聴率が36.7%という凄まじい人気となった「ロングバケーション」に出演するなど、まさに木村拓哉さんに脂が乗りきった時代と言えるでしょう。
ジーンズの着こなしなんて何も考えない
今号の特集「カッコいい男(ヤツ)」。
その筆頭として登場するのが木村拓哉さんです。
いきなり、名言登場。
「ジーンズの着こなしなんて何も考えないよ、普通。乾燥機の中から適当に取ってさ。馴染んだものが似合うもの、なんじゃないの。」
1995年、木村拓哉さんはベストジーニストに2年連続選出。その後96年から98年まで五冠を達成し、その後は殿堂入りとなります。
インタビューの冒頭はファッションについて。
最近いいな、と思った服として挙げられているのが、パイドパイパーのキルティングジャケット。
パイドパイパーは90年代に人気で、ファッション誌にも頻繁に登場していたセレクトショップです。
「亀石三兄弟」と呼ばれ当時人気だった亀石剣一郎氏、将也氏、太夏匡氏の三兄弟が手掛けていました。
現在は閉店していますが、当時のパイドパイパーのオリジナルアイテムはメルカリでも見つけられます。
色合いやシルエットなど、今の感覚だと結構新鮮です。
俺の着こなしなんて誰にでもできる
さて、木村拓哉さんのインタビューに戻ると、
「毎日の服なんて別に気にしない」
「俺の着こなしなんて誰にでもできる」
「この間も赤いのと白いの一緒に洗っちゃって、Tシャツがピンクになっちゃった。それ?もちろん着てるよ。だってもったいないじゃん。持ってるものは大事にしたいし、数持ってりゃいいってもんでもないしね」
など、服装に関して割と無頓着だったことが伺えます。
俺の顔がキレイ?
次のページは木村拓哉さんの「顔」についての考え。
「俺の顔がキレイ?そう思われているなら「ザマアミロ」って感じだね。興味ないよ。」
「俺は顔の造作よりも、我を忘れて何かに打ち込んでる奴らの、一瞬の表情に引かれるよね。」
「胸はってパートナーを紹介している人の顔って、いい顔してる。」
そして、最後は肉体と精神。シャツを破いちゃってます。
「ウエイトトレーニングとか、特別に体を鍛えているわけじゃない。肩幅とか筋肉の質は、親譲り。感謝しないとね。」
1995年に流行っていたセクシーファッション
1995年のホットドッグ・プレスでは、渋谷でのストリートスナップも掲載されています。
ここには、木村拓哉さんと同じようにシャツの胸元をざっくりと開けた、セクシーな服装の若者も登場しています。
スナップのメインを占めているのは、ストリート系ファッション。
ですが、木村拓哉ばりのセクシー系ファッションも当時の渋谷には存在していたことがわかります。
1995年のキムタクファッションは2025年に人気になる?
つまり、この1995年の木村拓哉さんのような服装も、当時リアルに人気だったということです。
純粋にファッションの視点で見た場合、2022年の今、この木村拓哉さんが着ているようなセクシーなファッションが格好良いと感じる人は少数でしょう。
街を歩いていても、このような格好をしている人はまず見かけませんし、このようなファッションを提案をしているファッション誌も、服屋さんも、ほぼ皆無です。
ですが、ファッションの価値観とは非常に移ろいやすいもの。
こちら↓は2年前、2020年の僕のツイートですが、右のゆるダボファッションも今となっては古い印象がありますし、左のラグジュアリーストリートに至っては、「こんなのが流行ってたの?」と思う人だっているでしょう。
長年続いたラグジュアリーストリートのブームが終焉したところですが、その後流行っているのがゆるダボ。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中 (@yamada0221) 2020年11月6日
考えてみれば超肉食系ファッションから超草食系ファッションに、大幅に変化したんですね。 pic.twitter.com/neRT8SRBfs
なので、今から3年後の2025年には、1995年の木村拓哉さんのようなセクシーファッションが台頭している可能性も、十分あると思います。
今の感覚だと「そんなのありえない!」と思うかもしれませんが、ひとまず答え合わせは3年後。楽しみにしていたいですね(覚えていたら)。