山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

今の気分にぴったりの1992年の木村拓哉と、3年後に流行るかもしれない1995年の木村拓哉。

木村拓哉さん。

90年代を代表するファッションアイコンですね。

当ブログ【ファッションアーカイブ】でこれまでご紹介してきた90年代の雑誌に数多く登場しています。

www.yamadakoji.com

www.yamadakoji.com

また、令和のファッションアイコン菅田将暉さんとの違いについて、こんな記事を書いたこともありました。

www.yamadakoji.com

 

ブレイク前夜のキムタクファッション

そんな木村拓哉さんと稲垣吾郎さんが表紙を飾る、オリーブ1992年6月3日号

こちらが1992年の木村拓哉さんが出演したドラマ。

ja.wikipedia.org

出世作となったあすなろ白書が翌年の1993年の作品なので、1992年は木村拓哉さんのブレイク前夜という感じでしょう。

今号の特集は「もっと知りたい、男の子!」。

木村拓哉さんと稲垣吾郎さんのインタビューが掲載されています。

1992年の木村拓哉さんは、「夢中になったら、趣味も女の子もひと筋なんだ」、デートは「何もしなくていいから、公園とか行って、ふたりでぼーっとしてたいな。」とのこと。

 

今の気分にぴったりな1992年のファッション

僕が気になったのは、全身ネイビーのコーディネートが非常に格好良いこのスタイリング。

ゆったりシルエットや、アメカジベースのナチュラルで素朴な雰囲気が、2022年の今のトレンドに非常に近いと感じました。

このオリーブ1992年6月3日号では一般の男の子も自前と思われる服装で登場しています。

つまり、1992年のリアルなストリートファッションなのですが、その雰囲気も2022年の今と非常に似ているのです。

右上の白Tシャツをジーンズにタックインしているコーディネートなんて特にですね。今の写真と言われても気づかないかもしれません。

 

1992年の髪型=2022年の髪型

それに加え、目を引くのが木村拓哉さんと稲垣吾郎さんの髪型です。

このウェーブのかかったウェット気味のセンター分けも、2022年の今非常によく見かける髪型だと思います。

つまり、1992年の服装も髪型も、ちょうど30年後の2022年、また人気になっているということです。

 

脂が乗りきった時代の木村拓哉

次にご紹介するのが木村拓哉さんが表紙のホットドッグ・プレス1995年9月10日号

ちなみに、この前年の1994年、木村拓哉さんはドラマ「若者のすべて」に出演。

この1995年は浜田雅功さんとの共演が話題となった「人生は上々だ」。

そして、翌年の1996年は最終回の視聴率が36.7%という凄まじい人気となった「ロングバケーション」に出演するなど、まさに木村拓哉さんに脂が乗りきった時代と言えるでしょう。

 

ジーンズの着こなしなんて何も考えない

今号の特集「カッコいい男(ヤツ)」。

その筆頭として登場するのが木村拓哉さんです。

いきなり、名言登場。

「ジーンズの着こなしなんて何も考えないよ、普通。乾燥機の中から適当に取ってさ。馴染んだものが似合うもの、なんじゃないの。」

1995年、木村拓哉さんはベストジーニストに2年連続選出。その後96年から98年まで五冠を達成し、その後は殿堂入りとなります。

ja.wikipedia.org

インタビューの冒頭はファッションについて。

最近いいな、と思った服として挙げられているのが、パイドパイパーのキルティングジャケット

パイドパイパーは90年代に人気で、ファッション誌にも頻繁に登場していたセレクトショップです。

「亀石三兄弟」と呼ばれ当時人気だった亀石剣一郎氏、将也氏、太夏匡氏の三兄弟が手掛けていました。

現在は閉店していますが、当時のパイドパイパーのオリジナルアイテムはメルカリでも見つけられます。

色合いやシルエットなど、今の感覚だと結構新鮮です。

 

俺の着こなしなんて誰にでもできる

さて、木村拓哉さんのインタビューに戻ると、

「毎日の服なんて別に気にしない」

「俺の着こなしなんて誰にでもできる」

「この間も赤いのと白いの一緒に洗っちゃって、Tシャツがピンクになっちゃった。それ?もちろん着てるよ。だってもったいないじゃん。持ってるものは大事にしたいし、数持ってりゃいいってもんでもないしね」

など、服装に関して割と無頓着だったことが伺えます。

 

俺の顔がキレイ?

次のページは木村拓哉さんの「顔」についての考え

「俺の顔がキレイ?そう思われているなら「ザマアミロ」って感じだね。興味ないよ。

「俺は顔の造作よりも、我を忘れて何かに打ち込んでる奴らの、一瞬の表情に引かれるよね。」

「胸はってパートナーを紹介している人の顔って、いい顔してる。」

そして、最後は肉体と精神。シャツを破いちゃってます。

「ウエイトトレーニングとか、特別に体を鍛えているわけじゃない。肩幅とか筋肉の質は、親譲り。感謝しないとね。」

 

1995年に流行っていたセクシーファッション

1995年のホットドッグ・プレスでは、渋谷でのストリートスナップも掲載されています。

ここには、木村拓哉さんと同じようにシャツの胸元をざっくりと開けた、セクシーな服装の若者も登場しています。

スナップのメインを占めているのは、ストリート系ファッション。

ですが、木村拓哉ばりのセクシー系ファッションも当時の渋谷には存在していたことがわかります。

 

1995年のキムタクファッションは2025年に人気になる?

つまり、この1995年の木村拓哉さんのような服装も、当時リアルに人気だったということです。

純粋にファッションの視点で見た場合、2022年の今、この木村拓哉さんが着ているようなセクシーなファッションが格好良いと感じる人は少数でしょう。

街を歩いていても、このような格好をしている人はまず見かけませんし、このようなファッションを提案をしているファッション誌も、服屋さんも、ほぼ皆無です。

ですが、ファッションの価値観とは非常に移ろいやすいもの

こちら↓は2年前、2020年の僕のツイートですが、右のゆるダボファッションも今となっては古い印象がありますし、左のラグジュアリーストリートに至っては、「こんなのが流行ってたの?」と思う人だっているでしょう。

なので、今から3年後の2025年には、1995年の木村拓哉さんのようなセクシーファッションが台頭している可能性も、十分あると思います。

今の感覚だと「そんなのありえない!」と思うかもしれませんが、ひとまず答え合わせは3年後。楽しみにしていたいですね(覚えていたら)。