90年代のファッション誌を中心に、昔のファッション誌のアーカイブを兼ねてご紹介する企画、ファッションアーカイブ。
これまでの記事はこちらから。
今回ご紹介するのはスリル1999年9月号です。
この雑誌はツイッターのフォロワーさんからのご寄贈いただいたのですが、当時読んだ記憶がありません。
出版社はバウハウス。KERAなどを出版していた会社です。
今号は3号目。つまり、創刊したばかり。取り上げているブランドから推察するに、当時人気だったsmartやasayanの読者を狙って企画されたのではないでしょうか。
1999年ってどんな年?
さて、今回も誌面のご紹介の前に、1999年はどういった年だったのかを観ていきましょう。
経済
・97年の金融機関の経営破綻やアジア通貨・金融危機の影響などを背景に悪化した消費者マインドは、持ち直しつつある
・個人消費は、緩やかに回復してきたが、秋には足踏み状態
・完全失業率は、99年6月に4.9%と過去最高を記録した後も高い水準に止まっている
・世帯主の失業率は、6月には3.5%と既往最高にまで上昇
・若年では自発的に離職する人が多く、中高年では会社都合で離職する人が多い
国内
・ iモードサービスがスタート
・西村博之が2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)を開設
・ソニーが子犬型ペットロボット「AIBO」の発売を開始
・GLAYが「MAKUHARI MESSE 10TH ANNIVERSARY GLAY EXPO'99 SURVIVAL」を開催
・槇原敬之を覚醒剤取締法違反で逮捕
・東海村JCO臨界事故発生
・『ONE PIECE』が放送開始
・アイドルグループ・嵐がデビュー
・2000年問題
・ノストラダムスの予言と世紀末ブーム
ヒット曲トップ5
1位 速水けんたろう、茂森あゆみ、ひまわりキッズ、だんご合唱団:「だんご3兄弟」
2位 GLAY:「Winter,again」
3位 浜崎あゆみ:「A」
4位 坂本龍一:「ウラBTTB」
5位 宇多田ヒカル:「Automatic/time will tell(12cm)」
映画
鮫肌男と桃尻女
ユー・ガット・メール
ライフ・イズ・ビューティフル
鉄道員(ぽっぽや)
菊次郎の夏
バッファロー'66
スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス
ホーホケキョ となりの山田くん
マトリックス
シックス・センス
ファイト・クラブ
1999年の雑誌はこれまで以下の記事でもご紹介しています。
さて、改めて表紙はいしだ壱成さん。
目次。
ビバークというファッションブランドの広告。
ミュージシャンであるナオヒロックさんがデザイナーを務めていたブランド。
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巻頭特集はミルクボーイ。
ボンテージやタータンチェック柄、転写プリントなどのパンクスの代表的なモチーフの数々。ボンテージパンツにDCのスケートシューズを合わせているのが東京風ですね。
パンクスタイルにハワイアンなレイも新鮮。
ユーロスタイルを提案したナンバー44
”人気ショップ徹底ガイドBEST50”。トップバッターはビームス。
デザイナーズブランドをメインに扱っていたザ・マンアクアガールラブド。ラフ・シモンズやドルチェ&ガッバーナなど。
当時大人気だったセレクトショップ、ナンバー44。
ここで紹介されているドイツ軍などのユーロミリタリーなど、それまでの古着のメインストリームだったアメリカではなく、フランスやドイツといったヨーロッパの古着を主軸にした上品なカジュアルスタイルが新鮮で、支持を集めました。
シューズもパトリックやビルケンシュトックといったヨーロッパブランドを提案。当時神戸在住だった僕は、南堀江に出来た大阪店に足を運んでいました。
僕のようなアラフォーってアメリカものだけじゃなく、ユーロの古着も好きな人が多いと思いますが、そのように僕ら世代にユーロ古着が一般的なファッションアイテムとして根付いたのは間違いなくナンバー44の功績ではないかと思っています。
とてもよくわかります。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2021年4月18日
もしかしたら、世代によって「アメカジ感」が違うじゃないかと。
ライトニングのターゲットであろうアラフィフのアメカジって、僕らアラフォーからするとよりアメリカ度が高い気がします。こってりしてるって言うか。
アラフォーはユーロが入っててあっさりめ。 https://t.co/HuRvGtJv2l
↓によると2014年に全店舗が閉店となったようです。
こちらはシュプリーム。当時はロンドンのスケーターブランド、サイラスも扱っていたんですね。また、ワングラムというブランドの商品もあります。ワングラムは日本でのシュプリームの代理店でしたが、当時はブランドも展開していたのでしょうか。
シュプリームは今でも90年代のアーカイブモノが高い人気を集めていますが、このページに登場している先程広告があったビバークの他、パイド・パイパーやア・ニュー・ショップなど、今はあまり語り継がれていないブランドやショップも沢山あるんですよね。正直、僕はここらへんのブランドに関してはほとんど知識がないので、詳しい方が情報のアーカイブ化をしてくれないかなぁ、と思っています。
アゴストショップは当時神戸にもあり、僕もケイタ・マルヤマなんかを買った記憶があります。
そのアゴストショップで扱われていたのが、イギリスのブランドBurro。
長らく見ていないなぁと思い調べて見ましたが、今もブランドは継続中。
ツイッターアカウントもありました。ここ2年間はツイートはされていないようですが…。
大阪のショップ。マンボラマは覚えています。大阪駅直結のショッピングモール、ギャレ大阪にあったエディフィスとか懐かしいですねぇ。
99年の古着ミックススタイル
”古着のミックスで完成させる真夏のリゾート・ファッション”。
ディースクエアードなどのデザイナーズブランドと古着のミックススタイルの提案です。
次回に続きます。