2019年4月の記事で、僕はダメージスキニーパンツが「ワル」の象徴となった、と書きました。
ダメージスキニーは現在の「ワル」を象徴する、「ワル」制服とも言うべきパンツで、「現代のボンタン」のような存在
2022年現在のスキニーパンツ
そこから約2年半後の2022年の今、スキニーパンツを愛用している層はどう変わったでしょうか?年始のこのツイートに、僕は非常に共感を覚えました。
というか木更津のアウトレットだったんだけど、ノースのバルトロやそれ系のダウンにジョガーパンツもしくは黒スキニーという格好の人がたくさんいてすごかった。中にはパンチパーマも数人見かけてさすが木更津だと感動した。 https://t.co/iZAxw9X5Vp
— 齋藤 (@saito_d) 2022年1月3日
それは、年末年始に帰省した神戸でも同じだったからです。
神戸も同じような服装の人、多かったです。 https://t.co/4c6gmcgFZs
— 山田耕史 (@yamada0221) 2022年1月3日
東京と比較して、スキニーなどの細身パンツの比率は明らかに高いと感じました。
— 山田耕史 (@yamada0221) January 3, 2022
東京の若者では主流の、ゆるダボ系の流れの古着スタイルや、K-POP的なキレイ目スタイルの割合は少なめ。
厳密に言うと、「ワル」だけでなく、「ワル」っぽい雰囲気を出したい男性に、スキニーパンツは好まれて着用されている感があります。
スキニーパンツは”完全に田舎の輩や金持ちおじさんやパチンコ客のファッション”
ですが、その「ワル」が愛用しているスキニーパンツにも、変化が感じられます。上掲の2019年の記事で、僕はこう書いています。
僕の見た感じだと高リテラシー層はダメージスキニーを穿くことはあまりなく、同じスキニーパンツでもシンプルなデザインのものが人気のようです
2019年の段階で、ダメージスキニーパンツを着用しているのはファッションリテラシーが低い層で、ファッションリテラシーが高い層はほとんど着用していませんでした。
ですが、2022年の今、ダメージスキニーパンツを着用している人は低リテラシー層でもまず見かけることはなくなり、シンプルなデザインのものがほとんどになっています。
もちろん、今は冬なのでダメージスキニーパンツが敬遠されているということもあるでしょうが、インパクトのあるロゴプリントの服や、ハイプなスニーカーと共にラグジュアリーストリートの象徴であったダメージスキニーパンツの人気も、2022年の今ようやく落ち着いてきたようです。
ラグジュアリーストリートな人たち、みんな頭が痛くなっちゃってるのなんでだろ… pic.twitter.com/TX8R2KWQZW
— 山田耕史 (@yamada0221) 2021年4月2日
そして、2022年の今、スキニーパンツは”完全に田舎の輩や金持ちおじさんやパチンコ客のファッション”となっているようです。
Supremeならびにハイブランドのストリート系アイテムやスキニー等の細身ズボンは今や完全に田舎の輩や金持ちおじさんやパチンコ客のファッションになってることがよくわかった。でも行き着くべきところに行き着いたという気がする。ブランドイメージとも合致していて、とてもわかりやすくて良い。
— 齋藤 (@saito_d) 2022年1月3日
僕が普段リサーチをしている新宿、原宿、渋谷などの都心部では、以前よく見かけていた”スケボーに全く縁が無さそうなのにシュプリーム着てるオジサン”はほぼいなくなったと思われます。
そういやラグジュアリーストリートの終焉と時を同じくして、スケボーに全く縁が無さそうなのにシュプリーム着てるオジサンも見なくなりましたね。
— 山田耕史 (@yamada0221) 2021年10月18日
Supreme x The North Face Fall 2021 Collaboration | HYPEBEAST https://t.co/uiYA93lVnB
スキニーパンツを卒業している「ワル」ファッションのリーダー達
一時期のような極端なオーバーサイズの人気は落ち着きましたが、現在もゆったりシルエットがファッショントレンドの中心的存在。
そして、日本でのラグジュアリーストリート人気を牽引してきた、エグザイルのメンバーの服装も、今やゆったりシルエットになっています。
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また、エグザイルと同じくラグジュアリーストリートが制服になっていたと言っても過言ではないのがホストですが、今やホストファッション雑誌となったメンズナックルの2021年12月号の特集は、なんとルーズボトム。
この号の紹介文がこちら。
タイトなスタイルから時代は一気にルーズなシルエットへとシフトチェンジ! 新調した一張羅で急場は凌げても二回目、三回目のデートに対応できな~い!! はい、そうならないためにも新定番と躍り出た「ルーズボトム」のお勉強。肌寒い日のレイヤードはどーすれば? アウターは何を着れば? そもそも太いってどれくらい?そんな新たなスタイルならではの悩みから解放しちゃいますッ♪
2022年1月号の表紙では、ベージュやオフホワイトの優しい色使いのコーディネートに、ゆったりシルエットのパンツが目立つようなポージング。
こちらが1月号の紹介文。
この冬最も"お洒落ツウ"に見られる全身を同系色で揃えたワントーン・スタイルをご紹介!とはいえ、真っ黒過ぎたり、真っ白過ぎはNG!
このように、「ワル」ファッションのリーダー達は既にスキニーパンツを卒業しているようです。
この「ワル」ファッションリーダー達の動向は、今後マスに広がって行くのでしょうか。
そして、「ワル」達のパンツのシルエットは今後どう変化して行くのか。
引き続き、注目していたいと思います。