以前から愛用している、ランズエンドの古着のシャツ。
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買った値段は覚えていませんが、大好きなタータンチェック柄、かつ程よいゆったりシルエットで、かなり頻繁に着用していました。
お気に入りのシャツの襟が擦り切れた…
その結果でしょう。先日、襟の部分が擦り切れていることに気が付きました。
衣替えをしてたら、ランズエンドのシャツの襟が擦り切れているのを発見。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中 (@yamada0221) 2022年10月8日
お気に入りでかなり着たからなぁ…
こうなった場合、襟を一度外して穴を塞ぎ、裏返して付け直す方法が一般的。
ですが、僕はまだ未経験なんですよね。これを機に、やってみようかな。 pic.twitter.com/KjHEU5IZTH
実は、こういったシャツの襟の擦り切れは、一度シャツを取り外し、擦り切れた箇所をリペアし、襟を裏表反対に付けるというリペア方法があります。
こちらのお直し屋さんでは、その方法で3,380円でお願いできます。
お直し屋さんの相場を調べてみると、シャツの襟の付け直しは3,000円前後みたいですね。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中 (@yamada0221) October 8, 2022
それほどお高くないですし、プロにお任せしたら安心なんですが、やっぱり自分でリペアしてみることにします。
ブログのネタにもなりますし笑
ですが、僕はこのリペア方法は自分でやってみたことがないので、今回はブログのネタ作りも兼ねて、挑戦してみることにしました。
1:擦り切れた羽襟を取り外す
修理の前に理解しておきたいのはシャツの襟の構造です。
一般的なシャツは、台襟と羽襟のふたつのパーツから構成されており、今回擦り切れたのは羽襟です。
襟のリペア、やってみました。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中 (@yamada0221) 2022年10月14日
以下、僕の手順をご紹介しますが、その前にシャツの襟の構造を簡単にご紹介しておきましょう。
シャツの襟は第一ボタンが付いている台襟と、このシャツだと先にボタンダウンのボタンが付いている、羽襟の2パーツから構成されています。
今回擦り切れたのは羽襟です。 https://t.co/vMZcq0IJXT pic.twitter.com/CWVKJ1p0p5
まず、羽襟を台襟から外します。僕が使ったのは、リッパーと目打ち。どちらも小学校の家庭科の授業で使った経験があると思います。
まずは羽襟を台襟から外します。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中 (@yamada0221) October 14, 2022
今回使ったのは、目打ちとリッパー。小さなハサミがあってもいいかも。どれも100均で買えます。
リッパーだけでも大丈夫ですが、僕は目打ちが好きなので、最初だけリッパーを使い後は目打ちで糸を取っていきます。 pic.twitter.com/6h2vtAFLFc
2:擦り切れた部分にステッチをかけて補強する
取り外した羽襟の、擦り切れたしまった部分を補強します。
薄い接着芯や薄い生地を裏側から当てて、その上からミシンでステッチをかけるという方法がベストだと思います。
ですが、今回僕はシャツの襟に貼られている接着芯と、擦り切れた生地を縫い付けるという、ちょっと手抜きの方法にしました。
これは、擦り切れた部分の生地も、接着芯も同じ白色だったから可能な手抜きだと思います。
羽襟が外れました。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中 (@yamada0221) October 14, 2022
次に、擦り切れた部分の穴を塞ぎます。
シャツ襟は大抵の場合、中に補強のための芯が貼られているので、ここに擦り切れた部分をステッチで叩きつけて補強します。
補強の布を別に用意した方が良いのですが、ちょっと手を抜きました笑 pic.twitter.com/UOh5jUGne2
ミシンでステッチをかける前にアイロンをあてて、縫いやすくします。
今回は生地の目に合わせて、斜めにステッチをかけてみたんですが、縫い終わってからそれが仇になったことがわかりました。
チェック柄が歪んでしまっていたのです。
きちんと布を押さえてステッチをかけていたら、こんな失敗をしなかったのですが、完全に想定外でした。
とはいえ、この部分は修理後はまず見えなくなるので、やり直さずこのまま工程を進めることにしました。
一度羽襟にアイロンをかけ、シワを取って形を整え、擦り切れた部分と芯地を叩いていきます。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中 (@yamada0221) October 14, 2022
で、仕上がりが2枚目なんですが、ここでミス発見。
布の押さえ方が下手だったので、チェック柄が歪んでしまいました…
が、ここは実際に着るときは見えない部分なので、気にしないことにしました笑 pic.twitter.com/M7fAfxIswn
同じく想定外だったのが、チェック柄の入り方。
羽襟の元々の表側は白色がメイン、裏側は赤色がメインになっていて、かなり表情が違います。今回の柄の場合はあまり気になりませんでしたが、柄によっては仕上がりの雰囲気が代わる可能性があると思うので、事前に確認をしておいたほうが良いですね。
あと、この時点で気付いたんですが(遅い)、こういうチェック柄の場合、表と裏で柄の入り方が違う場合があります。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中 (@yamada0221) October 14, 2022
今回は1枚目の元々の表と、2枚目の裏ではかなりチェック柄の表情が違います。
柄によっては仕上がりの印象がかなり違うと思うので、注意が必要です。 pic.twitter.com/VF2WyBEKPT
3:外した羽襟を台襟に縫い付ける
服をつくるとき、ほとんどの箇所は生地の表側になる同士が重なるようにして縫製します。
シャツの襟を縫製する場合、まず羽襟を作成し、それを挟むようにして台襟と縫製、そして、台襟からシャツ本体を縫製するという手順になります。
なので、今回のようなリペアの場合も、本当は台襟もシャツ本体から取り外してから、同様の手順で縫製したほうが、仕上がりは綺麗になります。
ですが、今回ここでもちょっと手抜きをして、羽襟を台襟に挟み込んで、台襟の表側からステッチをかけるという荒業を使いました。
台襟に羽襟を挟み込んで縫い直しますが、実はかなり手抜き。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中 (@yamada0221) October 14, 2022
本来、襟は4枚目の画像のように、羽襟を台襟で挟み込んで縫製してから、ひっくり返し、再度台襟のフチにステッチを入れ、そこからシャツ本体と縫製します。
今回はこの手抜きの方法でどういう仕上がりになるのかという実験も兼ねました。 pic.twitter.com/byVPg0pdNC
こういった荒業を使った場合、裏側のステッチが乱れやすくなってしまいます。実際、今回も何箇所か台襟の縁にかかっているべきステッチが、羽襟に入り込んでしまいました。
手抜きをした罰ですね。
なので、そこは一度解いて縫い直しました。といっても、大した手間ではありませんでしたが。
羽襟と台襟を縫い合わせました。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中 (@yamada0221) October 14, 2022
2枚目が、元々擦り切れていた表側。
ですが、3枚目のように実際に着るときは裏側になるので、見えることはまずないでしょう。 pic.twitter.com/UrOXQW0KC7
4:出来上がり…で色々考えたこと
普段あまりミシンを使わないとはいえ、一応服飾専門学校を卒業しているので、僕の縫製のスキルは一般レベルより上だと思います。
そんな僕でも1時間以上かかってしまいました。
ということで、リペア完了。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中 (@yamada0221) October 14, 2022
ある程度縫製の経験がある僕でも1時間以上かかりました。
お直し屋さんに出すと3,000円前後。
クオリティは段違いに高いでしょう。
こうやって自分でリペアするのはコスパ面でのメリットはほぼありません。
が、服に愛着がより湧くというメリットは確実にあると思います。 pic.twitter.com/TRoTDAubLu
おそらく、普通の人ならもっと時間がかかるでしょう。
今回は擦り切れた部分が白だったので、手持ちのミシン糸で対応可能でしたが、白や黒以外の色の生地だったら、それに合わせてミシン糸を購入する必要もあるでしょう。
なので、お直し屋さんに出してしまったほうがコストパフォーマンス的には良いかもしれません。
また、そのほうが自分でリペアするよりもほぼ確実にクオリティは上だと思います。
なので、こうやって自分でシャツの襟のリペアをするのは、一般的にはあまりオススメはできません。
とはいえ、やはり自分で時間をかけてリペアすると、その分愛着が湧いたのは、以前ラルフ・ローレンのシャツをリペアしたときと同じでした。
今回の記事を書くにあたってツイッターを検索してみると、今回リペアしたランズエンドのシャツは3年前にポケットが破れ、それも自分でリペアしたことがわかりました。完全に忘れていたんですが笑
ランズエンドのネルシャツのポケットを補修。4歳長男とそのお友達と遊んでたら、4歳長男に引っ張られて破れました。手持ちの白糸は実際に使われているのより太いけど、「まぁ別にいいか」と思えるおおらかさがこのシャツにはありますね。 pic.twitter.com/PEzwY7U2oC
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中 (@yamada0221) 2019年12月1日
このシャツは本当に気に入っているので、こうやって色々リペアして、本当にボロボロになってリペア不能になるまで着倒したいと思っています。