90年代のファッション誌を中心に、昔のファッション誌のアーカイブを兼ねてご紹介する企画、ファッションアーカイブ。
これまでの記事はこちらから。
今回からご紹介するのはメンズノンノ2001年7月号です。
2001年ってどんな年だった?
誌面のご紹介の前に、2001年はどんな年だったのか、振り返ってみまうs。
経済
アメリカを中心に1990年代末期に始まったドットコムバブル、いわゆるITバブルが2001年年明けの連邦準備制度理事会による短期金利を引き下げを契機に崩壊へ向かい、世界経済は2001年の世界経済は減速。
その後9月11日にアメリカ同時多発テロ事件が発生するも、アメリカは政府の積極的な金融、財政政策により株価は早期に回復した。
1999年初めから回復を続けていた日本経済は2000年10月に景気の山を超え、景気後退局面に入る。
構造改革を掲げて発足した第1次小泉内閣はいわゆる骨太の方針を決定するも、完全失業率は5%を超えるなど厳しい雇用、所得環境から個人所得は年間を通じ低調に推移し、消費者物価も下落傾向が続き、デフレ傾向が更に強まった。
出来事
・ジョージ・W・ブッシュ米大統領に就任。
・ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが大阪市に開業
・さくら銀行と住友銀行が合併して三井住友銀行誕生
・第1次小泉内閣発足
・東京ディズニーシー開園
・アメリカ同時多発テロ事件
・日本国内初の狂牛病 (BSE) 感染牛が発見される
・AppleがiPod発表
・JR東日本がSuicaのサービスを開始
・イチローがアメリカンリーグの新人王に選出
・テレビ朝日で第1回M-1グランプリが放送
ヒット曲トップ5
当時、僕は21歳の大学3年生。このヒット曲のラインナップを見ると「青春時代だったなー」と強く感じます。夏のゼミ合宿に行く車中で流すMDに「波乗りジョニー」を入れていたことなんか、とてもよく覚えています。
1位 宇多田ヒカル:「Can You Keep A Secret?」
2位 浜崎あゆみ:「M」
3位 CHEMISTRY:「PIECES OF A DREAM」
4位 桑田佳祐:「波乗りジョニー」
5位 モーニング娘。:「恋愛レボリューション21」
その他のヒット曲
三木道三:「Lifetime Respect」
B'z:「ultra soul」
ミニモニ。:「ミニモニ。ジャンケンぴょん!/春夏秋冬だいすっき!」
ZONE:「secret base 〜君がくれたもの〜」
BUMP OF CHICKEN:「天体観測」
インディーズヒット曲トップ5
1位 Hi-STANDARD「Love Is A Battlefield」
2位 175R「From North Nine States」
3位 山嵐「WIDE VISION」
4位 SHAKALABBITS「Let's PARTY!!」
5位 POTSHOT「SMILE」
ヒット映画トップ5
1 位 千と千尋の神隠し
2位 A.I.
3位 パール・ハーバー
4 位 ジュラシック・パークIII
5 位 ダイナソー
今見ると新鮮な色合いの00s
さて、まずは表紙。90年代終盤を代表するファッションリーダーのひとり、浅野忠信さんです。
表紙裏は資生堂unoのブリーチとブリーチもどしの広告。中居正広さん。
タグ・ホイヤー広告。
セブンスター広告。
右ページ、日産のエクストレイル広告。サーフィンやMTBなど、濡れや汚れなどが気になるアウトドアスポーツとの相性の良さをアピール。
右ページ、東芝の携帯電話の広告。”パラメロ!”という画像と音楽付きのメールサービス。ちなみに僕はこんなサービスがあること自体知りませんでした。
特殊”ボーダー&ストライプ2001”。右ページの極太でパキッとした色合いのボーダー柄が新鮮なTシャツはカバン・ド・ズッカのもの。デザイナーは小野塚秋良。イッセイ・ミヤケ系列のブランドで、当時大人気だったという訳ではありませんが、一定の支持を得ていた印象があります。現時点では日本でも海外でも再評価されている気配は感じられませんが、もしかしたら今後再評価される可能性はあるかもしれません。
ボーダー柄。
ウォレットチェーンはナンバーナイン。
ア・ベイシング・エイプのTシャツ。
右ページ右のデニムジャケットとTシャツは、コズミックワンダーのラインの1つであるフリーダムリーフ・コズミックワンダー・ジーンズのもの。
コズミックワンダーはジーンズを中心に当時人気を集めていた日本のデザイナーズブランドです。そう言えば随分長い間見ていないな、と思って調べてみると、現在はかなり和な感じのブランドになっている模様。京都の古民家を製作拠点にしているそうです。
かなり深い襟ぐりのと、目を引く派手な色使いの七分袖Tシャツはミスターハリウッドのもの。マルチカラーストライプのパンツはポール・スミス。
ボーダー柄とストライプ柄のアイテム集。やはり、色合いやピッチなどは今の感覚からするとかなり新鮮です。
ちょっとお高い?チープコーディネート
”チープ&ピース!夏スタイルを極める”という”ファッション大特集”。まずは”12300円〜23500円新進スタイリスト6人のワザありコーディネートバトル”。”安くてもおしゃれに見える、この夏おすすめのスタイルを指南”ということで、激安コーディネート特集なんですが、最低でも1万2千円というのは今の感覚からすると結構お高いのではないでしょうか。
というのも、当時はまだファストファッションブランドはメジャーな存在ではなく、低価格ブランドの象徴的存在であるユニクロもフリースブームでブレイクはしたものの、当時はまだまだファッショナブルとは程遠い存在でした。
ということで、この特集に使われている低価格アイテムは古着やミリタリーものがほとんど。安くておしゃれに使える服というのは、当時それくらいしかありませんでした。
メンズのノースリーブ
”クール&スタイリッシュ ノースリーブ攻略マニュアル”。
2021年の今、街中でノースリーブの男性はほぼ見ないと思います。今号後半のストリートスナップのページでも登場しますが、当時は男性のノースリーブは今ほど珍しい存在ではありませんでした。
とはいえ、広く一般的だったという訳ではなく、僕も当時はノースリーブだけで外出することはありませんでしたが。
今後、メンズのノースリーブが復権する時代は来るのでしょうか。
次回に続きます。