少し前にツイッターで盛り上がっていた話題。
「職場の20代の子たちと話していた時に驚いたんですが、パタゴニアは「オシャレが好きなオジサンが来ているダサい服」らしいんですよ。
— 山田耕史 ファッション×歴史のnoteはじめました (@yamada0221) 2023年2月28日
そのうちの一人は登山もするんですが、やはり「パタゴニアはイメージがダサいから着たくない」そうなんです。」https://t.co/Xa9TTkR7xS
キャンプやトレイルランニングなどのアウトドア系のブログにアップされた記事です。
パタゴニアはオジサンが着ているダサブランド
主要な部分を引用します。(強調引用者以下同)
職場の20代の子たちと話していた時に驚いたんですが、パタゴニアは「オシャレが好きなオジサンが来ているダサい服」らしいんですよ。
そのうちの一人は登山もするんですが、やはり「パタゴニアはイメージがダサいから着たくない」そうなんです。
マジか・・・と。ショックだったんですよね。
「バギーズショーツはダサくないよね!!?これは?ウェーブフェアラーは???こ、この麻のサスティナブ・・・」と食い下がってみましたがダメでした。
ちなみに、パタゴニアのバギーズショーツはこちら。
ウェーブフェアラーはこれ。ま、普通のアウトドアアイテムですよね。
「ダサい」と言われるような特徴的なデザインをしている訳ではありません。
ならば、「ダサい」と言われる理由はアイテムのデザインではなく、パタゴニアというブランドにあるのでしょう。
でもそれも仕方ないかな、と思いまして。
私の幼馴染の親友で、パタゴニアが大好きな男がいるんです。
圧倒的多数のパタゴニア好きと同じくパタゴニアのカジュアルラインが好きで、90年代のパタゴニアウェアや新品を買いあさったりしています。
普段着はほとんどパタゴニア。会うと必ずシンチラとかそういうのを着ています。
独身でお金を湯水の様に使えるからの購買力なので、羨ましいところですが、ただ、ダサい・・とまでは思わないものの、決してイケているとは言えないスタイリングではあります。
ライトニング系、といいますか、そういう感じです。
これはとにかく猛烈にダサいです。
確かに近年、グッチとかヴィトンとかのロゴがデカデカと入っているTシャツが流行りましたが、それとはまったく別で、こういうTシャツを着ちゃう層の人は太古の昔から恐らく未来永劫着ています。
パタゴニアのTシャツの他は全くファッションに興味のない人が履いている、謎のダメージジーンズと謎のトンガリシューズだったりするので、もうパタゴニアのブランドイメージもガタ落ちです。
などと考えると、若い子たちが「オジサンが来ているダサブランド」と認識してもおかしくは無いと思います。
この記事で紹介されているのは、実際に聞いた20代の若者の意見。
とはいえ、サンプル数は多くても数人レベルの少数かと思われます。
10〜20代はパタゴニアのバギーショーツに目もくれない
ですが昨日、繊研新聞のウェブにその若者の意見がある程度の規模感を持っていることを裏付ける記事が掲載されていました。
「パタゴニア」のバギーショーツなどが入荷したのだが、買うのは「30~40代の大人客ばかりで、10~20代は目もくれなかった」
— 山田耕史 ファッション×歴史のnoteはじめました (@yamada0221) 2023年4月12日
パタゴニアはおじさんブランドだということが、ここでも…
《めてみみ》世代交代 | 繊研新聞 https://t.co/nNDewGsPYw
こちらの記事です。
こちらも主要な部分を引用します。
実際、去年も大型連休の前後には、オリジナル商品や仕入れで毎年人気の「パタゴニア」のバギーショーツなどが入荷したのだが、買うのは「30~40代の大人客ばかりで、10~20代は目もくれなかった」。
原宿にオープンして50年近く経つその店には長年通う大人の顧客が多いが、若い客にも響くよう、品揃えを強化し、接客にも工夫を凝らしている。取り込みを狙う世代に響いていない短パンを今夏はどうするのか、店長に聞くと「若い人には売れないと思うが、店には置く」とのこと。
奇しくも、槍玉に挙がっているのは上掲のブログ記事同様、パタゴニアのバギーショーツ。
それもそうでしょう。
ちょっとググってみただけでも、パタゴニアのバギーショーツが夏の定番アイテムだとしている記事はいくらでも見つかります。
パタゴニアのバギーショーツをファッションアイテムとして推す記事は、僕もこれまでファッション誌でも散々目にしてきました。
つまり、おじさんにとってパタゴニアのバギーショーツは立派なお洒落アイテム。
ですがどうやら、今の若者にとってパタゴニアが「ナシ」なブランドな上に、短パンも「ナシ」なアイテムなので、パタゴニアのバギーショーツは「ナシ」と「ナシ」が掛け合わさった、相当なレベルで「ナシ」な服になっているようです。
若者が短パンを履かなくなり、オジさんと小学生の履き物になって久しい。
— 見習いDB (@minaraid_b) 2023年4月12日
チームの若い女子は、彼氏がデートに短パンで現れたら着替えさせるそうです。
それくらい若者にとって「無しなアイテム」という事だね。
若者にとっておじさんおばさんはダサい
あえて引用はしませんが、最初にご紹介した僕のツイート(若者にとってパタゴニアはダサいブランドである)に対して、否定的なツイートがいくつか見られました。
自分が好きだったり思い入れがあったりするブランドが「ダサい」と言われると、傷ついたりヘコんだりするのはまぁ当たり前のことでしょうが、よくよく考えてみると仕方のないことだなぁ、と思っての僕のツイートがこちら。
このツイートで過剰に反応している方もいるみたいですが…若者からしたら、たいていのおじさんおばさんはダサいんですから。自分が若者だった頃も、そう思ってませんでした?
— 山田耕史 ファッション×歴史のnoteはじめました (@yamada0221) March 1, 2023
すごいパワーワード>「たいていのおじさんおばさんはダサいんですから。」だが、後続を読むとさもありなんとも思う。>「自分が若者だった頃も、そう思ってませんでした?」 https://t.co/h1RitcHAmU
— 北区の赤い彗星@金曜日のライオン (@kita_akaisuisei) 2023年3月1日
上掲の繊研新聞の記事には、続きがあります。
「10~20代が好むスタイルは、10年後に10~20代になる世代に選ばれないことが多い」。例えばきれいめのモードっぽい服を好きな客層の次の世代は古着を好んで着るようになるとか「好き嫌いや格好良い、ダサいの感覚は周期的に入れ替わる」という。
記事では「好き嫌いや格好良い、ダサいの感覚は周期的に入れ替わる」というマイルドな表現になっていますが、僕はこう思います。
「10~20代が好むスタイルは、10年後に10~20代になる世代に選ばれないことが多い」
— 山田耕史 ファッション×歴史のnoteはじめました (@yamada0221) April 12, 2023
そりゃそうですよね。
おじさんおばさんが好むファッションは、若者にとってダサいのが当たり前。https://t.co/EgEYXbuSip
おじさんおばさんが好むファッションは、若者にとってダサいのが当たり前。
もちろん、若者が格好良いと思うおじさんおばさんはいない訳ではないと思います。
僕自身が若者だった20年前のことを思い返してみても、高橋幸宏さんや竹中直人さんなど、当時格好良いと感じていたおじさんはいました。
MR1998年12月号と1999年12月号。
— 山田耕史 ファッション×歴史のnoteはじめました (@yamada0221) 2023年1月15日
音楽と自分のファッションの結びつきがほとんどない僕ですが、これまでで一番が格好良いと思ったミュージシャンが、高橋幸宏さんでした。
今、改めて四半世紀前の服装を見ても、知性を感じさる洗練されたスタイルは全く色褪せませんね。
ご冥福をお祈りします。 pic.twitter.com/6mudea3G0M
ですが、ミュージシャンや俳優などはチート的な存在。
若者にとって自分の身の回りにいる一般のおじさんおばさんは、ほぼ100%ダサいのではないでしょうか。
そして、そんなダサい人が着ているブランドやアイテムなんて着たくないと思うのが、まっとうな若者の感覚でしょう。
オジサンが着る服を若者が忌み嫌うのは自然の摂理。くりかえされる諸行は無常 https://t.co/JYgOwvIyHV
— やま⚓ (@fukunokioku) 2023年3月1日
おじさんの好きなものはイコールダサいなのか。確かに。特にロゴドンTシャツは特にね。。
— スーパーおとうさん (@superotosan) 2023年3月1日
おじさんおばさんはどうすればいい?
じゃあ、おじさんおばさんはどうすればいいのでしょう?
パタゴニア好きのおじさんは、パタゴニアをメルカリで売っぱらって、若者に人気のノースフェイスを着ればいいんでしょうか?
僕は他人にどう思われようが、自分が好きな服を着るのが一番のお洒落だと思っています。
前から主張していますが、僕は他人にどう思われようが、自分が好きな服を着るのが一番のお洒落だと思っています。
— 山田耕史 ファッション×歴史のnoteはじめました (@yamada0221) March 1, 2023
もちろん、最低限の清潔感やTPOなどは配慮した上で。
全員に格好良いと思われるファッションなんて、存在しない訳ですし。
自分の着たい服を自由に楽しみましょうよ。
とはいえ。
「これが俺のファッションだ」というような感じで、頑固にその道を突き進んでいくのはなんか違うとも思っています。
あくまで個人的にですが、僕は「こだわり」という言葉があまり好きではありません。
柔軟性を失って、自分の世界に閉じ籠もっているような印象があるのです。
僕は、自分の「好き」には正直であり続けると共に、感性は時代に合わせてアップデートさせていきたいと思っています。
そして、僕が考える感性をアップデートさせる一番効果的な方法は、「若者が沢山いる街を歩くこと」だということは、以前の記事でご紹介しました。
僕はこの夏短パンを穿くのか?
これからも僕は感性のアップデートを続けていくつもりです。
僕はパタゴニアの服は着ませんが、短パンは穿きます。
その理由は涼しいから。当たり前ですが。
短パンが若者にとってダサいアイテムになっている今、僕は短パンを穿き続けるのでしょうか?
まぁ、なんだかんだで暑いのは嫌なので、夏になると結局は短パンは穿くことになるんじゃないあかな、とは思っています。
ですが、10年以上「楽だから」という理由で続けていた短髪を、感性のアップデートで一気に嫌になってしまったこともあったので、この夏僕が短パンを穿くかどうかは、現時点ではまだわかりません。
髪、伸ばそうかな…自分と似た髪型のオジサン(と言っても同い年くらい)を見て、「これはちょっと…」と思ってしまったので…
— 山田耕史 ファッション×歴史のnoteはじめました (@yamada0221) 2021年11月5日
どういう髪型がいいすかね。
この記事の答え合わせは4ヶ月ほど先でしょうか。
僕自身も楽しみにしていたいと思います。