山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

アイビーの最先端、関西学院大学。【ホットドッグプレス1982年4月10日号】

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90年代のファッション誌を中心に、昔のファッション誌のアーカイブを兼ねてご紹介する企画、ファッションアーカイブ。

これまでの記事はこちらから。

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今回も引き続き、ホットドッグプレス1982年4月10日号をご紹介します。

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同号のこれまでの記事はこちらです。

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40年前に既に語り尽くされたラコステ

メインの特集である”春のキャンパスブランド講座150”の続きです。

”ノベルティはぼくたちの宝島だ”。

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当時僕は2歳ですが、僕が子供の頃はこんな雰囲気のグッズが多かったことを覚えています。

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僕も小学生の時にハイネケンのベースボールキャップを被っていました。

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右ページ、トリオというメーカーのオーディオの広告。

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”僕の彼女は、トランジスタ・グラマー”。

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デザインは非常に洗練されていますね。

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”ポロシャツ。どんなボトムも大歓迎”。いきなり紹介されているのは、アロハシャツのイメージが強いレインスプーナー。

続いてポロ。”ラコステ君、キミには負けぬよボクだって”。

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そして、”もうラコステについては何も言うことがないくほどに語り尽くされてしまってる”そうです。40年前に、ですよ。

トロイのポロシャツもありましたねぇ。確か、僕の父が着ていたような気がします。

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デザイナー・ジーンズの代表はサッスーン

”もう、ジーンズのない生活なんて考えられない”というフレーズから、まだジーンズが新しいアイテムだったことが伺えます。

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一番に紹介されているのはやっぱりリーバイス。

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続くのはリーですが、その後ファラーやハーフなど、聞き慣れないブランドばかり。

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日本のブランドで一番大きく扱われているのはボブソン。

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”デザイナー・ジーンズの代表的な存在”、サッスーン。

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ヴァンズの広告でスケボーについて触れられていない理由

ページ端にヴァンズの広告。

”ウエスト・コーストの香りをのせて、最後のスニーカーの銘品只今到着!”

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メイドインUSA。モデル名はハイトップとレギュラーローカット。それぞれ3色、10色展開。ハイトップは12,500円と結構お高めです。興味深いのは、この広告でスケートボードについては全く触れられていないこと。ローラースケートの写真が使われています。

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書籍「東京スニーカー史」によると、

”日本でも1978年、渋谷の東急文化会館(現渋谷ヒカリエ)の屋上にハーフパイプ、バートランプ、ミニランプ、フリースタイルエリアと充実の設備をもった「カリフォルニアスケートパーク」が、アキ秋山氏の監修により完成し、平和島スケートパークなど多くのパークが賑わいを見せた。しかし、Z-BOYSは’80年代に入ると解散。それに引きずられるように、スケートブームは加速的に沈静化し、日本でもあちこちのパークが閉鎖していった”

とありますので、1982年当時スケボーはブームが終わった直後の冬の時代だったのかもしれません。 

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”ミニウォレットキーホルダー”、欲しいですね。そして、関西ではポピュラーなスポーツショップであるスポーツタカハシが当時の輸入代理店だったようです。担当者名前が出てるのとか、今では考えられないですね。

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ボブソンのブランド、アメリカンワーカーズの広告。

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”なんともカラフル、19色”。

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テクニクスのカセットテープの広告。

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ホンダのスクーターの広告。

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テニスコートにスクーターと一緒に白のスーツを着てラケットを持って佇むという謎の設定。テニスプレーヤーのビヨン・ボルグです。

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www.youtube.com

 

商品も広告もナイスセンスのホンダシティ

ホンダの自動車、シティの広告。

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僕は子供の頃自動車が大好きで、いわゆるデザインというものに目覚めたのは自動車がきっかけだったと思っています。で、昔も今も大好きなのがこのシティ。直線的なボディにはっきりとした発色の赤がたまりません。シティの広告は初めて見ましたが、やはり商品そのものと同じく非常にセンスが良いですね。

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デザインに文字数もぴったり合わせるこだわりっぷり。

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このフォントも良いですね。

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慶応大学のテニスクラブは美人ぞろいでグッチが主流

モノクロページの特集は”東西七大学キャンパス・ファッション比較大研究”。当時の大学生のライフスタイルがわかる貴重な資料ではないでしょうか。

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まずは慶応。”テニスクラブは美人ぞろいでグッチが主流です”。

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グッチの他、ヴィトンにロベルタ。

”法学部2年、竹内さゆりサン、マイカー、ソアラにぞっこん。絵になってます”。

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こちらが1981年のソアラの広告のようです。当時、デートカーとして若者に人気でした。

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立教、成城、青学。

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成城の”ヴィトン3人娘”。こうやって紹介されているということは、当時はヴィトンのバッグがかなりのステータスがあったことがわかりますね。

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青学。オーダーメイドのスタジャン。

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関西学院大学は今でもアイビーの最先端

続いて関西。

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我が母校、関西学院大学。当時も今も関学と言えば中央芝生、略して中芝。

”このビッグイーグルフットボールチーム、かなり昔からアイビーファッションでドン決まり。メンクラなんかでたびたび紹介されているから、知っている人は多いと思う”

という、知名度の高い存在だったようです。そして、

”今でもアイビーの最先端”

だったそうで、

”先輩から受け継いたアイビー精神をJ・プレスのBDシャツ、バリーのシェットランドセーター、エイボンハウスやファラーのスラックス、リーバイスのジーンズ、そしてクラークスのワラビーシューズやコンバースに包んでガンばっている。いってみれば関学のファッションはアイビーそのものということだろう”

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オリジナルグッズ。欲しいす。というか、実はTシャツは持っています笑

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東の学習院、西の甲南

甲南大学のグッズもいいですね。”東の学習院、西の甲南、といわれるくらいのハイソサエティ大学2校”…そうだったんすか。

ウィンドサーファーレーシングチーム、なんてのがあったんですね。

”ファッションもやはりシティサーファーの面目躍如。ロッキーマウンテンのジャケットにトニーラマ、JUNのパンツ、地元のサーファーたちの社交場「パイプ・ライン」のオリジナルトレーナーなど”という出で立ち。

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西のアイビー的カレッジ同志社大学

同志社大学。僕の第一志望でした。思いっ切り落ちました。

”西のアイビー的カレッジのひとつ”で、

”ファッションの中心はトラッド一色。ケント、J・プレス、エイボンハウス…足もとはリーバル、コンバース、ケッズ等々”

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まだまだる続きは次回にご紹介します。

この記事があなたのお役に立てれば幸いです!