僕が前々職のファッション企画会社に入社したのが2008年のこと。
メンズの担当として入社したのですが、服飾専門学校ではレディスを専攻するなどしていたので、メンズファッションについては自分が好きなデザイナーズブランド以外の知識はあまりありませんでした。
特にその会社で必要だったマス層向けのメンズファッショントレンドの知識が乏しかった僕に、先輩が「SMAP×SMAPを観ておくように」とアドバイスをしてくれました。なぜなら、当時SMAP、というか木村拓哉さんが着用したブランドやアイテムは流行る確率が高かったからです。
なんとなくSMAP聴き始めたら普通に良い曲ばかりですね。で、いくつかの曲でなんとなくダンスも思い浮かぶのにもびっくりしました。そういや前々職入社直後、SMAPが着てる服は流行るからスマスマは観ておくようにって言われたから番組最後の曲のとこはできるだけ観てたんですよね。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2019年6月22日
今まで何度か言及していますが、日本のメンズファッションアイコンってほんとキムタク以降生まれてないですよね。もう生まれないかな? pic.twitter.com/PmwDTT55We
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2019年6月22日
10年以上ファッションリーダーとして君臨していたキムタク
木村拓哉さんの人気は1990年代中盤から高まりはじめ、僕がファッション企画会社に入社した2008年の段階でも日本のメンズファッションのトレンドに非常に大きな影響力を与えていました。
つまり、木村拓哉さんは10年以上日本のファッションリーダーとして君臨していたということです。
1995年ポパイ。CINEMAな夜の木村拓哉さん。#昔のファッション誌 pic.twitter.com/IOgCNe9vG0
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2020年7月28日
「ファッションリーダー木村拓哉」を象徴するエピソードが「エイプのキムタクダウン」でしょう。このように、「木村拓哉さんが着たから売れた」というアイテムが数多く存在しました。
キムタク以来不在が続いていた日本のメンズファッションリーダー
上掲のツイートで僕が触れていますが、木村拓哉さん以来日本のメンズファッション界には長年ファッションリーダーが生まれていませんでした。
2010年頃の美容師ブーム、サロン系ブームで奈良裕也さんが注目を集め、当時のヤフオクでは奈良さんが着用したアイテムが「奈良着」として高値で売買されていましたが、おそらくその人気は一部のファッション好きに限定され、その影響力の大きさや人気が続いた期間は木村拓哉さんと比べると小規模だったと言えるでしょう。
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ちなみに、こちらのインタビュー記事では奈良さんが当時のエピソードを語っています。
その後、エグザイルに代表されるLDH系タレントのファッションも注目を集めましたが、木村拓哉さん程の影響力だったとは言えないと思います。
三代目JSBとかジェネレーションズとかのLDH一派(総称はEXILE TRIBEでいいのか?)はキムタク以降ずーっと不在だった日本のメンズのファッションアイコンなのかも。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2016年7月15日
こちら↓は2018年のツイート。この時点では、木村拓哉さん以降「これ!」と言えるメンズファッションリーダーは登場していませんでした。
日本のファッションリーダーって未だにキムタクなんですねぇ。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2018年3月11日
キムタク愛用の人気ブランド店で中国人客が警備員を”集団リンチ”の顛末 https://t.co/hBng2U2P1C
キムタク以来のファッションリーダー菅田将暉
ですがこの後、木村拓哉さんの人気に肩を並べるくらい影響力を持つファッションリーダーが登場します。菅田将暉さんです。
うせやろ。菅田将暉パワーが凄いのか… pic.twitter.com/Zb4VqkUWx0
— K編集長📷古着屋情報サイトF-STREET (@kzm_fst) 2021年2月12日
木村拓哉さんと同じように、菅田将暉が着用したアイテムは「菅田着」というキーワードで現在メルカリで高値で売買されています。
また、菅田将暉さんが着用しているような古着の個性的なデザインのシャツは「菅田シャツ」という呼ばれているようです。
令和のファッションリーダーの最新コーディネート…昭和オジサンは理解が追い付かないっす… pic.twitter.com/dcRBiCxPHl
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2021年2月16日
お笑い芸人初のファッションリーダーEXIT
そして、一昨年あたりからファッション視点で語られる事が多くなったように感じるのが、お笑い芸人のEXITです。
ふと思ったんですが…お笑い芸人がファッションリーダー的存在になってブランドとコラボするってEXITが初めてでは?WEGOともやってますよね。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」(KADOKAWA)発売中! (@yamada0221) 2021年1月27日
これまではハマダーのときのハマタくらい?でもハマタはブランドとかやってませんね。所さんはDIY的な感じだし。 https://t.co/qG2YEAxCPx
2020年にはEXITプロデュースブランド「イグジー」が若者に人気のファッションブランド、WEGOの運営で展開を開始。
上掲の老舗バッグブランド、レスポートサックのコラボに加え、イタリアのメガネブランド、ポリスからカプセルコレクションを発売中です。
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このように、複数の名の通ったファッションブランドとコラボをする男性お笑い芸人はEXITが初めてだと思います。EXITはお笑い芸人初のファッションリーダーと言えるでしょう(多分そうですよね…誰か忘れてましたっけ…)。
菅田将暉とEXITのファッションは変化していくのか
木村拓哉さんは、90年代はアメカジ、00年代はディオール・オムやナンバーナインなどのロック系など、その時代に合わせてファッションがどんどん変化していきました。
現在、菅田将暉さんは古着、EXITはチャラ男とどちらも個性的なファッションを発信していますが、今後はどのように変化するのか、あるいは変化しないのか。そして、影響力はどうなっていくのか。注目していたいと思います。
この記事があなたのお役に立てれば幸いです!