昨日、目にしたこちらの記事。
タイトル通り、ベージュのチノパンツが盛大にディスられています。僕はベージュのチノパンツに強い思い入れがある訳でもありませんが、こんなにディスられたらベージュのチノパンツが可哀想!と思ったので反論記事を書いてみます。
この記事にがっつり反論する記事を書くために、クローゼットをひっくり返しています。
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) October 7, 2019
「ワークテイスト」はそんなにくたびれた印象を与えるのか?
まず、当該記事でのベージュのチノパンツに対する記述を引用します。
ジーンズに並ぶ、私服パンツの代表格「チノパン」。定番アイテムとして重宝しますが、着こなしを一歩間違えれば、オジサンに見えるリスクが一気に高まります。
というのも、そのルーツは作業着というイメージが強いため、着る人の年齢が上がるにつれファッションというより、「ガチの作業着」に見えてしまう、という落とし穴があるからです。
特に木材を扱う工場では、木くずが目立たないことから、作業着選定においてベージュ系の色は外せません。つまり、ベージュのチノパンは、まさにワークテイストを象徴するアイテムなのです。この雰囲気は、まだあどけなさが残る若い世代には合うでしょう。ワークテイスト特有の無骨さと相反する若々しい顔つきが相まって、カワイイ印象に昇華されるからです。ところが、年齢とともに生じた「顔つきの変化」とチノパン特有の無骨さによって、その印象はくたびれてきます。
ん〜〜。。。オジサンが穿いているベージュのチノパンツが「「ガチの作業着」に見えてしまう」ことってあります?そもそも「「ガチの作業着に見えて」しまっても別にいいじゃないか、とも思ったりもしますが…。
あと、チノパンツ=作業着というイメージがある一般の人ってそんなに多くないと思うんですよね…。
チノパンを作業着と認識している人ってそんなにいるの?
— やま (@book_bibouroku) October 8, 2019
「(チノパンの)ルーツは作業着というイメージが強いため、着る人の年齢が上がるにつれファッションというより、「ガチの作業着」に見えてしまう、という落とし穴があるからです」 https://t.co/VbP9PdBS2c
僕もそう思います。チノパンツはおろか、ジーパンも元々はワークウェアだと認識している人って業界人が思っているほど多くなさそう。 https://t.co/bIqkpOKJMM
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) October 8, 2019
まぁともかく。記事によるとどうやら「ワークテイスト」が悪者のようです。「ワークテイスト特有の無骨さ」がくたびれた印象を与える、ということですね。
僕はあと4ヶ月ほどで40歳を迎えます。40男と言ってしまってもいいでしょうから、僕がサンプルになって「ワークテイスト」がどれだけくたびれた印象を与えるのか、確かめてみましょう。
ベージュのチノパンツは僕も数本持っていますが、そのなかでも最も太く「ワークテイスト」が強く感じられる古着のドッカーズのチノパンツを選びました。もちろんベージュ。買ったのは随分前ですが、確かサンキューマートで390円だったような気がします。
チノパンツだけでは「ワークテイスト」が物足りないかもしれないので、トップスも「ワークテイスト」の服にしてみました。以前【男の育児服】でご紹介した、アメリカのワークウェアを代表するブランドレッドキャップのワークシャツです。
靴はスニーカーにして、記事にある「チノパンにスニーカーというカジュアル過ぎる組み合わせ」にしてみました。どうでしょう…
感覚は人それぞれなので、くたびれてる!って思う人もいるかもしれませんね。自分的には、そんなにくたびれてないかなーと思います笑。
もういっちょ、サンプルを。更に「ワークテイスト」を強めてみましょう。こちらも【男の育児服】で以前ご紹介した540円の古着のワークシャツです。ワッペンがあるとより「ガチの作業着」感が増すのではないでしょうか。
こんな感じになりました。どうですかね?更にくたびれたでしょうか。
最近増えた「○○な服を着てたらダサい!」的コンテンツ
実は僕の画像がくたびれてるかどうかは割とどうでも良いと思っています。繰り返しますが、感覚は人それぞれなんですから。この記事を書かれた方はチノパンツがお嫌いのようですが、もちろんその好き嫌いも他人がどうこう言う問題ではないでしょう。
この人はよっぽどチノパンが嫌いなんだなhttps://t.co/bVQ73DriJi pic.twitter.com/bcAzSNXlp6
— 齋藤 (@saito_d) October 8, 2019
最近、これと同じような○○な服を着てたらダサい!的なファッション系のコンテンツを目にすることが最近増えた気がします。多分こんなタイトルの付け方をするとPVが上がるんでしょう。どんなに扇動的なタイトルでも、ある程度ファッションの経験や知識がある人なら笑ってスルーできるでしょう。
個人的にはチノパンって、センタープレスのはいったツータックのパンツ。
— 山形 充/ミッツ (@point_d_ironie) October 7, 2019
だから「くたびれて見える」ってイメージないなあ…。https://t.co/5qBk7AwFEe https://t.co/N8UD9gxeQo pic.twitter.com/qJCptP8HdL
ですが、若い人やファッションにあまり興味がない人が見たら真に受けてしまう可能性はあると思うんですよね。
オススメのアイテムやコーディネートがあるのはわかります。今回の記事でもチノパンツはベージュよりもネイビーのほうがスマートな印象になることなど、同意できる内容もあります。ですが、そのために特定の何かをがっつりディスらなくてもいいんじゃないかなーと思います。
ファッションのアドバイスしようとするやつは、アレがダサいコレもダサいの話から入るからダメ。好みや流儀が違うだけ。カッコイイの価値基準が人によって違うのと同じくダサいの価値観も人によって違う。俺にとってはジャケパンがこの世で一番ダサい。
— 齋藤 (@saito_d) October 8, 2019
「そのスタイルを目指すなら、こっちのアイテムもあるよ」というアドバイスなら分かるんですが、スタイルそのものを否定するって、その人のライフスタイルを否定する行為ですよね。ファッションのアドバイスって、それぞれのライフスタイルを熟知してなきゃできないはずなのに……って思います
— Takanori Kuroda /// (@otoan69) 2019年10月8日
アメカジが冷遇され過ぎじゃないですか?
ベージュのチノパンツはジーンズやTシャツと並んでアメカジを代表するアイテム。今回の件で再認識したのは今の日本のメンズカジュアルファッションにおけるアメカジの冷遇っぷり。僕は少し前にこんなツイートもしていました。
そういや、いわゆるメンズファッション指南的な本でアメカジが推されてるのって見たことないですね。これは先日本屋で見た本の帯なんですが、これもアメカジディスでしょう。
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) 2019年10月3日
アメカジが推されない理由はメンズカジュアルファッションの基本のような存在で、あまりに日常的過ぎるからでしょうねぇ。 pic.twitter.com/hxI81IdBkG
ですが、最近僕はアメカジの良さを再認識しています。特に長谷川昭雄さんのスタイリングや原宿のショップ、PROPS STOREの影響が強いですね。
カジュアルファッションに非日常的なアイテムを取り入れればファッションに気を遣っている(いわゆるオシャレ)ように見えるけど、それって気恥ずかしいんですよね。若い頃はいいんですが、僕ぐらいの年齢になると特に。だから僕は最近アメカジを着ることが増えたのかもしれません。
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) 2019年10月3日
アメカジは今や世界中のメンズカジュアルファッションのベーシックになりましたが、その理由はやはり服としての合理性が高いからだと思うんですよね。第二次世界大戦後にアメリカが占領や統治した国で軍放出品が広まったから、という要因もありますが。
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) 2019年10月4日
それでも合理性が低ければここまで広まっていないと思うので、やはりアメカジは衣服として相当ポテンシャルが高いんだと思います。そんなアメカジが冷遇されているのは忍びない、というかせっかく合理性が高いアメカジなんだから利用しないともったいないですよね。
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) 2019年10月4日
ファッションってブランドとかトレンドとか、モテとか格とかって話になりがちですよね。僕はそんなことはどーでもいいなと思ってて。自分が心地よくいられる服が一番だと思うんですよね。精神的にも肉体的にも。精神的な心地よさはデザイン、肉体的な心地よさは機能に拠ることが多いかな?
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) 2019年10月3日
アメカジを扱うメンズファッション誌はいくつかありますが、どうしてもこだわりが強い内容になってしまうんですよね。ディティールがどうのとか年代がどうのとか。
— 山田耕史 ファッションをカンタンに。 (@yamada0221) 2019年10月3日
もちろんそういった楽しみもありますが、もっと気軽にアメカジの良さをお伝えできたらなぁとも思っています。
アメカジの格好良さを知ってもらいたい
当ブログでは以前から「普通の服」をオススメしてきました。
オックスフォードシャツやチノパンツ、コンバースオールスターなど、僕が「普通の服」としてオススメしているものの多くはアメカジアイテムです。
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今までは誰にでも似合うことや、汎用性が高いことといった利便性を「普通の服」のメリットしてアピールしてきましたが、そういったことに加えて最近は「普通の服の格好良さ」、つまり単純にファッションとしてのアメカジの格好良さを多くの人に知ってもらいたいと思うようになりました。
ということで「普通の服の格好良さ」(仮)と題して、アメカジの良さをご紹介していこうと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!