先日、「チャールズパッチ」で有名なチャールズ3世(チャールズ皇太子)のファッションについてご紹介しました。
英国王室とファッション、というとロイヤルワラントという言葉を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
royalは王室、warrantは認可、つまり王室御用達という意味です。
イギリスのロイヤルワラントについては詳しい記事がありましたので、引用します。
英国ロイヤルワラントの歴史は古く1155年までさかのぼります。発端は、ヘンリーⅡ世が、狩猟用の衣類等を提供していたThe Weavers’ Company(生地屋の組合)に与えたRoyal Charter(公式勅書)。衣服が最初であったことからも推測されるように、王族たちが気に入った商品に与える、という図式は今も変わらぬロイヤルワラントの本質といえるでしょう。
権限を持つのは直径の王位継承者のみ。現在はエリザベス女王、エディンバラ公フィリップ、ウェールズ大公チャールズの3名。以前はエリザベス女王の母にも権利があり、4名だった時代も。ゆくゆくはケンブリッジ公ウィリアムもこの中に加わると言われています。
エリザベス2世とチャールズ3世の2人からロイヤルワラントを与えられているジョン・スメドレーのサイトには、ロイヤルワラントを表すそれぞれの紋章と共にこう記されています。
“ロイヤルワラント”とは、王室御用達を意味します。紅茶やチョコレートなどの飲食物から、衣服、それに香水や傘などの日用品まで。しかしロイヤルワラント、つまり「王室の紋章」がつくものは、必ずしも“高級品”ということではなく、クラフツマンシップと伝統を受け継ぐ“名品”です。名誉なことに、ジョン スメドレーは2013年にエリザベス女王陛下から、そして2021年にはチャールズ皇太子殿下から、このロイヤルワラントを授かりました。
イギリスのロイヤルワラントを与えられるのは、エリザベス2世、エリザベス2世の夫であるエディンバラ公フィリップ、そしてチャールズ3世の3人。
ですが、エリザベス2世はつい先日、そしてエディンバラ公フィリップは2021年に亡くなっています。
↓の記事によると、発行者が亡くなると、その人物からのロイヤルワラントは無効になるとのこと。また、チャールズ3世の長男であるウェールズ公ウィリアム王子に新たにロイヤルワラントの発行権が与えられるだろうということです。
そんなロイヤルワラントですが、ロイヤルワラントを与えられているブランドに関する「ザ・ロイヤルワラント・ホルダーズ」というサイトがあります。
そして、「ザ・ロイヤルワラント・ホルダーズ」は記事執筆時点で744もあるロイヤルワラントを与えられたブランドの検索ができるようになっています。
検索は、ロイヤルワラントを与えた人物、
ブランドのカテゴリー、
ブランドの所在地などで絞り込みができます。
今回は新しい英国王となったチャールズ3世がロイヤルワラントを与えた182ブランドの中から、「クロージング&アクセサリーズ」つまりファッション関係の23ブランドをピックアップしてご紹介します。
検索結果にはそれぞれのブランドの歴史や特徴などがまとめられた紹介文も掲載されているので、その和訳もご紹介します。
アンダーソン・アンド・シェパード
アンダーソン・アンド・シェパードは、1906年の創業以来、サヴィル・ロウを代表する老舗テーラーです。テーラー・パー・アンダーソンの流れるようなカッティングスタイルは、創業当初からメゾンの特徴でした。動きやすさと自然なボディラインへのこだわりは、21世紀に入っても変わることなく、脈々と受け継がれているのです。
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ベンソン&クレッグ
1937年の創業以来、ベンソン&クレッグは、歴史上最も目の肥えた紳士たちにサービスを提供し、服を提供してきました。ブレザーのスペシャリストとして、またメンズアクセサリーの豊富な品ぞろえで知られています。80年以上にわたる経験により、比類のないクラフトマンシップと卓越した品質で高い評価を得ています。
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バーバリー
バーバリーは、イノベーション、クラフツマンシップ、デザインの伝統を持つ英国のラグジュアリーブランドです。1856年、トーマス・バーバリーは探検家を風雨から守るために耐候性のあるギャバジンを発明し、現在もバーバリーのビジネスの中核となっているアイコニックなトレンチコートの基礎を作りました。
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キャンベル・オブ・ボーリー
1858年創業のキャンベル・オブ・ボーリーは、家族経営のオーダーメイドテーラー&カントリー服の象徴的な個人経営店です。フルタイムのテーラーと5人のお針子で構成されるテーラリング部門では、すべてのオーダーメイドの服が店内で作られ、キャンベルの名は、質の高いクラフトマンシップと細部へのこだわりと同義語となっています。
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コーギー
1892年の創業以来、コーギーはウェールズ南西部のカーマーゼンシャーにある自社工場で、最高品質のソックスとニットウェアを生産しています。最高級の糸を使用し、代々受け継がれてきた製造方法で、妥協のない品質へのこだわりを持ち続けています。
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クロケット&ジョーンズ
クロケット&ジョーンズは、その上質なブーツと靴で世界的な名声を獲得しています。1879年に設立されたこの5代目のファミリービジネスは、現在もノーザンプトンのペリーストリートにあるオリジナルの工場で伝統的なクラフトメイドのフットウェアを製造しています。
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ダックス
1894年に設立されたダックスは、100年以上前に確立された品質、信頼性、革新性を守り続けながら、メンズとレディースの高級仕立てとアクセサリーを専門とする、英国で最も典型的な高級ブランドの1つになっています。
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デンツ
デンツは240年以上にわたって上質な革手袋を製造してきました。1777年、ウスター市で創業。現在も伝統的な手袋作りの技術を継承し、上質な手袋を作り続けています。デンツの手袋は、世界中の一流店に供給されています。
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イード&レイヴェンスクロフト
1689年創業のロンドンで最も古いテーラー兼ドレスメーカーで、法服、式典用、学術用ドレス、紳士服、婦人服、そして卒業生向けのサービスを行っています。
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フランク・ホール
フランク・ホールは伝統的なオーダーメイドのテーラーです。紳士淑女の乗馬服、紳士のスポーツ・市民衣料を専門としています。レスターシャー州マーケットハーバーにある当社の工場でサービスを提供していますが、特別な手配によりロンドンでもサービスを提供しています。
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エッティンガー
1934年に設立されたエッティンガーは、現在、英国で最も優れた革製品メーカーおよび革小物ブランドの一つとして、英国内外でその名声を確立しています。
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ギーブス&ホークス
紳士用英国高級ブランドの真髄として、ギーブス&ホークスは2世紀以上にわたる事業の歴史を持ち、100年以上にわたってロンドンの象徴的な住所であるサヴィル・ロウ1番地に店を構えています。
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バブアー
バブアーは、1894年に設立されたイギリスのブランドで、タイン・アンド・ウィア州のサウス・シールズに本拠地を置いています。現在ではグローバルに展開し、バブアーヘリテージ、バブアーインターナショナル、バブアーライフスタイル、バブアーカントリーウェアのコレクションで、男性、女性、子供向けのアウターウェア、衣類、アクセサリー、靴などの製品を販売しています。
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ジェームズ・ロック
2016年に340周年を迎えた世界最古の帽子店は、メンズ、レディース、キッズの帽子を扱う最高の存在であり続けています。1676年にロバート・デイビスによって創業されたセントジェームズストリートのショップは、世界で34番目に古い家族経営のビジネスです。
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ジョン・ロブ
1849年に創業したジョン・ロブ社は、現在、ロブ家の5代目が経営する、靴作りの世界ではユニークな会社です。ハンドメイド・トゥ・メジャーの靴やブーツを作るだけでなく、さまざまなオーダーメイドの革製品も作っています。
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ジョン・スメドレー
230年以上にわたり、ジョン・スメドレーは革新的で現代的なニットウェアをデザインし、最高品質で製造してきました。伝統的な技術と最新のテクノロジーを融合させ、手仕事で仕上げられた贅沢な衣服を作り続け、世界中に送り出しています。
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ジョンストンズ オブ エルジン
ジョンストンズ オブ エルジンは、220年以上の伝統と経験を持つテキスタイルメーカーです。1797年の創業以来、最高級の繊維を使った最高級の織物製品を生産しています。歴史ある町エルジンのロッシー川沿いにある創業当時の工場は、現在もこの有名ブランドの本社として使用されています。
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キンロック・アンダーソン
1868年に設立され、現在6代目となる家族経営のキンロック・アンダーソンは、タータンとハイランド・ドレスのエキスパートであり、高級スコットランド服の製造・販売業者でもあります。また、個人、団体、企業のために、特別なタータンやツイードのデザイン・製作も行っています。
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ラモント・スポラン
30年前にケアンゴーム国立公園の中心に設立されたラモントスポランは、家族経営の小さな会社ですが、スコットランドのハイランド・ドレスに特化した会社です。また、修理も承っております。
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マルコム・プルーズ
50年以上の経験を持つマルコム・プルーズは、真の仕立て屋であり裁断士です。
トリッカーズ
190年以上にわたり、トリッカーズはノーサンプトンでハンドメイドされています。最高品質のヘビーブローグシューズとブーツで有名で、長年にわたりカントリーレジャーとタウンユースの両方に適応してきました。トリッカーズは世界中に輸出され、その靴はイギリス諸島発の最高品質のハンドメイドシューズとして受け入れられています。
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ターンブル&アッサー
1885年に創業したターンブル&アッサーは、英国のシャツメーカーで、豪華なシャツとネクタイを英国の工房で作っています。優れたクラフトマンシップとパーソナルなサービスを誇りとするターンブル&アッサーは、既製服、メイド・トゥ・メジャー、ビスポークのシャツを製造しています。
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ウェンディ・キース・デザインズ
ウェンディ・キース・デザインズは、4本の針で手編みするというユニークな技術を駆使して、デザイナーズキルト靴下や射撃・ストーキング用ストッキングを作る、世界有数の手編み靴下メーカーの一つです。また、ウエストリー・リチャーズやジェームズ・パーディーといった大手射撃用品店にも製品を供給しています。
多数のロイヤルワラントブランド
時期的にサイトのトップにエリザベス女王の画像を掲載しているブランドが多いですね。
こうやって見てみると、世界を股にかけるラグジュアリーブランドから、日本の百貨店やセレクトショップでもお馴染みのブランド、僕は全く知らなかったブランド、そしてウェブサイトすらないブランドまで、多種多様なラインナップであることがわかります。
「ザ・ロイヤルワラント・ホルダーズ」のサイトでは、今回ご紹介したファッション系以外のカテゴリーのブランドも数多く掲載されています。
「ほぉ、こんなブランドが」なんて発見もあるので、面白いですよ。