僕は「トレンドのプロ」でした
僕は当ブログでずっと「トレンドを基準に服を買う」というファッション界の常識に疑問を投げかけてきました。
ですが、前々職のファッション企画コンサルティング会社では長年ファッショントレンドを売る仕事をしていたんです。メンズファッションを中心にコレクションからストリートスナップまで様々なソースを元にファッショントレンドを分析し、資料を作成し、アパレル企業などにレクチャーしていました。つまり、トレンドのプロだった訳です。
こちら↓の記事にも書いたように、トレンドのプロだったからこそトレンドの虚しさに気付き、今の考えに至ったのですが…。
「ファッションのジャンル」をアップデートします
当ブログでは誰もが簡単に自分が求める服にアクセスできるようにするために、ファッションのジャンル分けを明確にしています。
今まではこちらの画像で代表的な12のファッションのジャンルをご紹介してきました。
ですが、ファッションは移り変わるもの。特にトレンド性の高いファッションのジャンルはすぐに変化してしまいます。
ですので今回は「ファッションのジャンル」のアップデートバージョン、2019年春夏版をご紹介します。こちらが今回新しく選定し直した12ジャンルです。
<モード>が一躍トレンドのジャンルに
今までの画像にも掲載されていた<アメカジ><ビジカジ><アウトドア><スポーツ><ストリート>は変わらず引き続き掲載されています。この辺りはメンズカジュアルファッションの定番なので、年単位で変化することはまずありません。
ですが、今回は数は少ないものの一部からは一定の支持を受けてきた<モード>をトレンドのジャンルに設定しました。
理由は簡単。特に若い人の間で<モード>の人気が高まっているからです。 <モード>の特徴はモノトーンカラーと個性的なシルエット。そんな特徴がずばりと当てはまるヨウジヤマモトの最近の人気は凄まじく、原宿のストリートやインスタグラムでも着用している若い人がかなり増えています。
ヨウジヤマモトはかなり高価格なこともあり、着用しているのはファッションリテラシーが相当高いイノベーター層が中心。ですが、<モード>っぽいアイテムを取り入れるインスタグラマーも増えています。
今後<モード>がどれだけ広がるか。あまりマス受けはしないジャンルなのでDCブームの再来にはならないと思いますが、興味深いです。
シルエットも色もとにかくゆるゆる
ここ数年のメンズカジュアルファッションの動きで一番のトピックがルーズシルエットの拡大ではないでしょうか。ついこの間まではトップスかボトムス、どちらかがルーズシルエットのコーディネートが中心でしたが最近はトップス、ボトムス共にルーズなゆるゆるシルエットのコーディネートが増えています。
オープンカラーシャツや丸首ベストなどのゆるさが感じられるアイテム、ベージュやブラウンなどのナチュラル感のあるアースカラーが特徴。古着の多用も目立ちますね。
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縮小傾向の90年代スポーツ
<ゆるナチュラル>と着用する層は同じですが、やや雰囲気が異なるのが<レトロスポーツ>。
こちらは独特の配色や切替の90年代デザインが特徴で、ナイロンブルゾンやフリースなどがメインアイテム。
つまり、アウターが特徴のジャンルなのですが、アウターをあまり着なくなった5月現在、街で<レトロスポーツ>を見かけることは少なくなり、同じく古着をメインアイテムとする<ゆるナチュラル>に吸収された感があります。ですが、今後気温が上がるとグラフィックTシャツやスポーツブランドロゴTシャツなどのいかにも<レトロスポーツ>なアイテムが増えるかもしれないので引き続きチェックしていこうと思っています。
<ラグジュアリーストリート>はややマイルドに変化
一時期猛威を振るったオフホワイトやバレンシアガなどの<ラグジュアリーストリート>の人気はやや落ち着いて来た感があります。ですが、ブランドロゴなどのキャッチーでドヤ感が強いデザインは引き続きヤンチャ系の人の支持を集めています。この人気は当分続きそうです。
古着人気の影響を受け、スウェットパーカやジーンズなどの定番メンズカジュアルアイテムの着用率が高まってややマイルドになったのが<三代目ストリート>です。
とはいえモノトーンカラーに目立つロゴプリント、そしてダメージスキニーという<ラグジュアリーストリート>攻撃的なデザインは引き継がれています。
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知ることで感性をアップデートさせる
いかがだったでしょうか。
先述の通り、僕はトレンドを基準に服を買うことはオススメしませんが、自分の世界に閉じこもっていては、感性が古くなる可能性があるので、「横目で見る」くらいのトレンドの知識は無駄ではないと思います。
頭の固いオジサンにならないように適度に感性をアップデートさせることは、自分でも心がけようと思っています。