山田耕史のファッションブログ

服選びをかんたんに、自分らしく。

TOKYO BASE(STUDIOUS)の「成長の余地」を考えてみました。

こんにちは。兼業主夫/ファッションアナリスト/ワークマン公認アンバサダーの山田耕史(@yamada0221)です。

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・何かと話題のTOKYO BASE​



接客方針や原価率など、最近話題が豊富なTOKYO BASE(STUDIOUS)。ファーストリテイリングやスタートトゥデイなどの一部の企業を除いては暗い話題ばかりの​ アパレル業界のなかでも数少ない成長企業​であることは間違いないでしょう。


引用元:業績ハイライト | IR | TOKYO BASE CO., LTD.

今回はTOKYO BASEが今後どれだけ成長余地があるのかを、「ファッションテイスト」という視点から考えてみます。

TOKYO BASEが運営するSTUDIOUSもUNITED TOKYOも、年齢が若くファッション感度がかなり高い層をターゲット​にしています。


引用元:平成29年2月期 決算短信

セレクトがメインのSTUDIOUSはデザイナーズブランドが中心。


引用元:平成29年2月期 決算短信

STUDIOUSのオリジナルアイテムもデザイナーズブランドと同じテイストのデザインです。

 
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そしてオリジナルアイテムがメイン(全て?)のUNITED TOKYOもSTUDIOUSと同じファッションテイスト。

 
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どちらもいわゆる「モード系」というファッションテイストに分類されると思います。

・モード系の人口は?​



では、このモード系のファッションはどれくらいの数の人が着ているのでしょうか。参考にするのは僕の古巣であるファッション企画会社、ココベイの資料です。


売れるファッション企画 ココベイ株式会社

ココベイではストリートリサーチという資料を発行しています。


調べる | 売れるファッション企画 ココベイ株式会社

メンズは毎月渋谷で300人超のストリートスナップを撮影し、ひとりひとり着用しているアイテムの服種や色を分析しています。





この資料には、撮影対象をこのようにファッションテイストでも分類しています。



STUDIOUSやUNITED TOKYOのファッションテイストである「モード系」は、この資料では「きれいめセレクト系」に分類されるでしょう。



2017年5月のストリートリサーチによると、「きれいめセレクト系」は323人中37人で11.5%です。意外に多い、と思われるかもしれませんが、これはあくまでも日本有数のファッション感度が高い街、渋谷の数字。東京以外の都市では、この数字はもっと下がると思います。

ちなみに僕がココベイにいた頃、とある首都圏郊外のショッピングモールの同じストリートリサーチの作成を担当していました。大手セレクトショップや有名ファストファッションブランドも入店している超大型ショッピングモールだったのですが、そこでは「モード系」人口はほぼゼロでした。

つまり、TOKYO BASEはオシャレさんが集まる街、渋谷でも10%ほどしかいない、かなり限られた層をターゲットにしているのです。

このように「モード系」の人口は限られていますし、ファッションに対する関心がどんどん低下しつつある日本市場で今後「モード系」が大幅に増加することは予想しづらいので、僕はSTUDIOUSとUNITED TOKYOの国内市場での成長の余地はあまりないと思います。

・TOKYO BASEの今後の成長戦略は?​



他の大手セレクトショップも「モード系」を扱っているところもありますが、ココベイのストリートリサーチでは「カジュアルセレクト系」や「ジーニングカジュアル系」「エレカジ系」に分類されるファッションテイストをメインに据えています。


 
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「カジュアルセレクト系」は16.7%、「ジーニングカジュアル系」は45.5%、「エレカジ系」は13.6%。合計で75.8%と、「きれいめセレクト系」の11.5%と比べると圧倒的に高い割合になります。

 


TOKYO BASEのIR資料には、ターゲットの拡大を検討していることが記載されています。


引用元:平成29年2月期 決算短信

このなかでも触れられていますが、「カジュアル市場」はユナイテッドアローズやビームスといったセレクトショップだけでなく、ユニクロやH&Mといった世界市場で激戦を繰り広げている超強豪も競争相手になります。これらの強豪に対し、どのような対抗策を考えているのでしょうか。個人的には、「カジュアル市場」で大きく成長するのはかなり難しいと思います。
IR資料にはSTUDIOUSとUNITED TOKYO海外進出のことも触れられています。

 

引用元:平成29年2月期 決算短信

確かに東京に来ているインバウンド客を見ていると、日本人よりもよっぽどファッション感度が高い人が多いので、特にアジアでの展開は期待できそうです。

今後TOKYO BASEは、なにを武器にどれだけ成長するのでしょうか。楽しみにしています。

最後までご覧いただきありがとうございました!