山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

「かっこいい」が死んだ今、エディ・スリマンは「かっこいい」を蘇らせることができるのか?


・エディ・スリマン復活


現在開催されている2019春夏パリコレクションでエディ・スリマンによる新生セリーヌがお披露目されました。

エディ・スリマンは現代のトップデザイナーのひとり。今までディオール・オム、サンローランパリなどの名だたるブランドを手掛けてきました。特に、ディオール・オム時代は細身で洗練された男っぽいデザインのスキニーデニムが大ヒットし、メンズファッションに大きな影響を与えました。








その作風はセリーヌの前任デザイナーであるフィービー・ファイロとは正反対といえるでしょう。


2018春夏プレタポルテ - セリーヌ(CELINE) |コレクション(ファッションショー)|VOGUE JAPAN

フィービー・ファイロのデザインにはファンも多かったので、エディがセリーヌでどのようなコレクションを発表するのか話題になっていましたが、今回発表されたのはエディ・スリマン節全開のコレクションでした。













CELINE 2019年春夏コレクション | パリ

このまとめを見ると、ツイッターでは賛否両論、というか否のほうが多い印象ですね。

MARGOI: エディスリマンによる新生セリーヌ まんまサンローランと話題 [マーゴイ] - ファッション的つぶやきをまとめます

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・「かっこいい」が存在しない現在のファッション


エディ・スリマンのスタイルは「かっこいい」ファッションの答えのひとつだと、僕は思っています。


エディ・スリマンのディオール・オムの人気のピークは、僕の体感では2003年〜2004年くらい。その後、日本のマス向けファッションもエディ・スリマンの影響を受け、丸井系やお兄系など、「かっこいい」ファッションの人気が高まりました。



懐かしの「ガイアが俺にもっと輝けと囁いている」なんかは「かっこいい」ファッションの最局地かもしれません。(「実際に格好良いかどうか」は別問題ですが笑)



その後、「かっこいい」ファッション人気はゆるやかに下降線をたどります。



その変遷をご紹介したのがこの記事です。


メンズエッグの表紙で見る「お兄系」が「お兄系」でなくなっていく変遷。|山田耕史のファッションブログ

その後は原宿のゆる系ファッションやオジボーイなど、徐々に「かわいい」ファッションがヒットするようになります。


CHOKi CHOKiは何故休刊に至ったのか。|山田耕史のファッションブログ

2010年代半ばになると、かつてはお兄系の総本山だった109 MEN'Sも完全に「かっこいい」ファッションからは離れています。



そして2018年現在、のファッション好きの日本の若者に「かっこいい」という概念が存在していないと、座談会でもお馴染みの齋藤さんが指摘されています。





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・エディ・スリマンは世界を変えるのか?


今回のエディ・スリマンによるセリーヌには僕も注目していました。



エディ・スリマンは00年代以降最も影響力のあるファッションデザイナーのひとりです。そのエディが発信する「かっこいい」ファッションが、「かわいい」主流になっている現在のファッションを変えることができるのか。ひとりのデザイナーがどれだけ世界(日本)のファッションに影響を与えるのか。注目だと思います。

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