山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

ZARAの新ライン「オリジンズ」はユーロカジュアルの「普通服」。

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僕の著書「結局、男の服は普通がいい」では、シンプルでベーシックな「普通服」をご紹介しています。

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商品ページ:Amazon楽天ブックスヨドバシドットコム

「普通服」のベースにあるのはアメカジです。多民族国家で合理性を追求するアメリカで生まれたアメカジは、誰にでも似合い、機能的です。例えば、ジーンズはその日入った非熟練工でも縫製できるように、縫い目は直線がほとんど。シャツと違ってTシャツは伸び縮み自在なので、どんな体型にもフィットしてくれます。

ですが、その合理性や機能性が追求されたが故にスマートさに欠ける、というイメージを持っている人も少なくないでしょう。

スマートなファッションで思い浮かぶのはイギリス、フランス、イタリアなどのヨーロッパの国々

というより、現在のメンズファッションの基礎となっているのはイギリスです。アメリカのファッションはイギリスを中心としたヨーロッパのファッションをベースに、合理性や機能性を追求して育まれた、と表現する方が正確でしょう。

テーラリングがベースとなっているヨーロッパのファッションは基本的に細身。そして、色数は抑えられてシックな印象です。

そんな、スマートでシックなヨーロッパファッションのベースとなるブランドが登場しました。ZARAの新ライン、オリジンズです。

↑のツイートでご紹介している記事では、

ZARA Originsは「現在と未来の衣服における改革を起こすべく、衣服の進化を見つめ直す」というミッションのもとに始動。現代的なワードローブの構築に焦点を当てたプロジェクト

とありますが、僕としては、ザラオリジンズはザラによるユーロカジュアルファッションのベースとなるブランドに思えます

僕はザラ新宿店でオリジンズを見ました。新ラインのデビューということもあるでしょうが、売り場の中でかなり大きな面積を取って展開していたので、ザラとしてもこのオリジンズには相当力が入っているのではないかと思います。

 

シンプルでベーシックなザラオリジンズ

ファストファッションブランドの象徴とも言えるザラの服は、基本的にトレンドのデザインが強く反映されています。

ですが、ザラオリジンズの商品は、ほぼ全てシンプルでベーシックなデザイン。つまり、ユーロカジュアルの「普通服」といえる存在です。こちらがザラオリジンズのスタイリング。

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こちらが商品ページ。かなりの商品数です。

www.zara.com

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ポケット ウォーターレペレントジャケット 

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テクニカル スーツブレザー 

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フード カシミアセーター

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ベーシック Tシャツ

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ストレートフィット チノパンツ

 

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コットンソックス

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キャンバススニーカー

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M サイズ キャンバス トートバッグ

 

どのアイテムを選んでもシックでスマートな印象に

「結局、男の服は普通がいい」では主にユニクロや無印良品の商品をご紹介していますが、ユニクロも無印良品もベースにあるのはアメカジです。

合わせるアイテムを選べばユーロファッションの特徴であるシックでスマートな印象を持たせる事は可能ではありますが、ザラオリジンズはそもそもベースにユーロファッションがあるので、どのアイテムを選んでもある程度はシックでスマートな印象になるのです。

ザラオリジンズの商品は、↓のオックスフォードシャツで7,990円。ユニクロと比べると3倍〜くらいの価格ですが、他のザラの商品と同じく、品質を考えると高いとは思いません。

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オックスフォードカラー シャツ 

 

ザラが「普通服」ラインを展開する意味

僕はザラ新宿店でオリジンズを見ました。新ラインのデビューということもあるでしょうが、売り場の中でかなり大きな面積を取って展開していたので、ザラとしてもこのオリジンズには相当力が入っているのではないかと思います。

ザラがこのタイミングでベーシックなラインを大々的に展開する意味を考えてみたんですが、やはりコロナ禍以降のファッションマインドの変化という要因は外せないと思います。

コロナ禍により、長年隆盛を誇った、ドヤ感の強いラグジュアリーストリートファッションは終焉しました。その後、これ!といった大きなトレンドは生まれていませんが、だからこそ誰にでも似合い、トレンドの影響が少なく長い期間着られる「普通服」と言えるオリジンズを大々的に展開するのではないか、というのが僕の予想です。

 

大失敗をしてしまうことはない

最近の僕はポロラルフローレンのシャツやコロンビアのパンツなど、アメカジやアウトドアの服を着る事が多いのですが、ファッションに目覚め始めた大学生のときは、マルイ系→セレクトショップオリジナルなどのユーロカジュアルを好んで着用していた時期がありました。そんなとき、今のようなザラオリジンズがあれば重宝していただろうなぁと思います。

ざっくりと区別すると、アメカジはラフな印象、ユーロカジュアルはスマートな印象です。ですので、ラフがお好みの場合はGAP、スマートがお好みの場合はザラオリジンズで服を選べば、大失敗してしまうことはまずないと思います。