山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

メンズファッションはゲイのためにある!

 


↑やや誇張した表現ですが、

特にハイファッションに関してはあながち間違ってはいないと思います。



 

そう思ったのは今日の繊研新聞のある記事を見たからです。

最終面に載っていた

FITでシンポジウム

同性愛者のファッションを討議

というタイトルで

ニューヨークのファッション工科大学で開催中の

同性愛者や両性愛者、性転換者のファッションに焦点を当てた

「ファッションの奇妙な歴史-クローゼットからキャットウォークまで」展で行われた

シンポジウムの内容に関する記事です。


私の興味を引いたのはメンズウェアデザイナー、

ジョンバートレットのコメントです。

以下引用~

エディターやバイヤーの大方がゲイという状況の中で、

彼らを喜ばせることと、一般の客にファッションとして

認められることの間でもがいてきたようだ。

アンダーウエアだけを着用したモデルたちをランウエーにずらりと並べ、

最前列のエディターやバイヤーを見つめる演出をしたとき、

「多くのエディターやバイヤーが、とても心地よく感じた」

~引用終わり


これを見て私が長年ぼんやりと持っていた疑問が氷解しました。


以前からずっと、

メンズのファッションショーで下着姿のルックが多数あるのに

なんとなく疑問を持っていたのです。

カルバンクラインに代表されるような

アンダーウェアに力を入れているブランドなら理解出来るのですが、

そうでもなさそうなブランドでも下着姿のルックは

沢山登場しています。

例えば今年発表されたミラノコレクションでも



http://www.style.com/fashionshows/complete/slideshow/S2014MEN-VERSACE/#6

VERSACEではガウン×ブリーフのコーディネイトでランウェイを闊歩していたり

DSQUAREDでは


http://www.style.com/fashionshows/complete/slideshow/S2014MEN-DSQUARE/#1

こんなエロチック(と表現すればいいのかな?)な
 
プレゼンテーションが行われていました。
 
 
これは全てゲイの業界人向けだったのですね。
 
 
欧米のメンズファッション界におけるゲイの割合は
 
一般の日本人の想像よりも遥かに高いものだと思います。
 
まずデザイナー。
 
ジャンポールゴルチェなんかは有名ですが、
 
それ以外でも欧米の有名デザイナーでゲイではない人を私は殆ど知りません。
 
多分ほぼゼロに近いのではないかと思います。
 
また、ファッション誌のエディターやショップスタッフ、
 
ファッションモデルでもゲイはかなりの割合を占めています。
 
私がパリでファッションを学んでいた時の
 
同級生や先生の男性の多くはゲイでした。
 
 
ファッションショーの主な客は
 
世界各地のショップのバイヤーや
 
ファッション誌のエディターです。
 
ショップに買い付けてもらったり
 
ファッション誌に取り上げてもらう為に
 
ブランドは高いコストをかけてファッションショーを開催します。
 
メンズウェアのバイヤーやエディターの多くはゲイ。
 
彼らに好感を持ってもらう為に
 
メンズファッションショーでは下着姿のルックが多数登場していた、
 
という事です。
 
 
モーターショーで車の横にセクシーな女性コンパニオンが
 
立っているのと同じ意味合いだったのですね。
 
 
 
 
 
そう言えば何故日本のファッション業界人は
 
欧米に比べゲイの割合が低いのでしょうかね。
 
少なくとも私の会社ではゲイはゼロ。
 
以前勤めていた会社も私の知る限りではゼロでした。
 
こんなにゲイのファッション業界人が少ない国って
 
世界でも珍しいのではないでしょうか。
(基本的にアジアは少ないのかな?)