山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

山本耀司が語る「格好良い男の条件」。

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山本耀司。

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日本を代表するファッションデザイナーのひとりであり、コムデギャルソンの川久保玲と共に、ファッションに「革命」を起こしたことは先日の記事でもご紹介しました。

www.yamadakoji.com

「Dolls」などの北野映画の衣装を手掛けていることでも知られていますし、北野武本人もヨウジヤマモトの服を頻繁に着用しています。

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僕自身はヨウジの服はあまり持っていないのですが、作品を見るのは大好き。特に、ウールギャバジンという素材を扱わせたらヨウジの右に出るデザイナーはいないと思っています。

会社が倒産してしまったこともありましたが、今は完全復活。特に、若い人の間で人気が高まっています。

1998年に放送された情熱大陸がYouTubeにアップされているので、興味がある方は是非観てみて下さい。 

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全部A級にそろえるとかっこわるい

 さて、そんな山本耀司の書籍を偶然図書館で見つけたのですが、内容が非常に良かったので一部をご紹介します。

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過去のコレクションの写真だけでなく、雑誌に掲載されたインタビューも多数収録されており、読み応えたっぷり。その中で興味深かったのが、1991年にヨウジヤマモトとコムデギャルソンがコラボレーションして開催された伝説のコレクション、「6.1THE MEN」の後に収録されたと思われるインタビューです。

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メンズのコレクションなので、内容は「男」について。山本耀司が、どういう男が格好良いと思うかを語っています。

男はいつも“決まった”と思ったときに、おかしい”という感覚を共存させているのがいいね。きれい、渋い、だけじゃつまらない

山本耀司は新宿の歌舞伎町にある洋裁店の息子として生まれ育ったので、社会のど真ん中を歩む王道の男よりも、ちょっとひねくれたようなアウトローを愛する精神を持っています。

まず、A級とB級のセンスをわかっていなくてはいけない。そして粋と野暮、センスのいい部分とまぬけの部分を同居させる。全部A級にそろえるとかっこわるい。

一流の服でビシッと着飾った隙のない完璧な男よりも、弱さや駄目さが垣間見える男に魅力を感じるようです。

『ダイ・ハード』のブルース・ウィリスが大活躍の場面で、情けない顔してぐちこぼすでしょう。なんでこんな目にあうんだろうって。そこがかわいい。

他のインタビューではこのようにも語っています。

 

若いってかっこわるい 

そして、僕が一番面白いと思ったのが、この一節。

若いっていうのも、かっこわるいな。髪が薄くなって、細胞の破壊が始まった人たちがよく見える

「若いってかっこわるい 」 って、かなり衝撃的な言葉ではないでしょうか。

確かに80〜00年代のヨウジのコレクションでは若くスタイルが良いモデルではなく、背が低かったり太っていたりというような、世間一般の体型のオジサンを多く起用していました。

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もちろん格好良さの定義なんて人によって違いますし、ヨウジの考え方が全て正しいという訳ではありません。

ですが、ファッションデザイナーとして長年第一線で活躍してきたヨウジの言葉に励まされる男性も少なくないでしょう。

この記事があなたのお役に立てれば幸いです!