山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

毛玉取りブラシでニットの毛玉取ってみたら、服のメンテナンスが生む価値に気付かされた。

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先日、妻の誕生日がありました。

↑のアクセサリーと一緒にプレゼントしたのが、こちらの「洗濯塾の毛玉取りブラシ」

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妻が気に入ってよく着ているニットに毛玉が目立つようになったので代替のニットを探していたのですが、良いのがなかなか見つからないので、それなら今着ているのの毛玉を取ればいいのでは?ということで選びました。

僕は東急ハンズで購入したのですが、今調べたらAmazonでも売ってました。しかも、Amazonの方がちょっとお安い…

洗濯塾の毛玉取りブラシ(Amazon)

 

ソフトな豚毛とハードな猪毛のダブル植毛

さて、パッケージによると、ソフトな豚毛とハードな猪毛のダブル植毛が「洗濯塾の毛玉取りブラシ」の特徴のようです。

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豚毛で毛玉をキャッチし繊維を整え、猪毛で毛玉を絡め取る、というプロセス。

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編み目に対して平行にブラシを動かし、毛先に毛玉を引っかけて軽くひねるのが、上手に毛玉を取るコツだそうです。

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内容物がこちら。

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実は既に妻が数度使っているので、毛先に毛玉が付いていたりします。

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小さい金属のブラシは、↑のブラシに付いた毛玉を取るためのもの。

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今回、試しに毛玉を取ってみるのがこちら。コムデギャルソンオムプリュスの1999年秋冬コレクション、つまり約20年前に購入したニットです。

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結構厚手のニットで、リバーシブルになっています。このパープルの面は本来裏側ですが、あえてそれを表側として着用する、という提案です。

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購入した当時はよく着用していましたが、正直最近はほとんど着ていません。着用した年は、シーズン終わりにエマールで洗っていますが、洗濯以外のケアは20年間全くしていません

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編地に凹凸感があるおかげでパッと見はあまり目立ちませんが、よく見ると結構毛玉があります。特に目立つのは、この袖部分。

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前述しましたが、編み目に対して平行にブラシを動かし、毛先に毛玉を引っかけて軽くひねるというのが、上手に毛玉を取るコツ。

そして、商品説明では最後に手のひらで整える、とありますが、僕の手元には以前ご紹介したニット用のブラシがあるので、それを使って編地を整えてみました。

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ところが、試しているうちに、毛玉取りブラシで毛玉を取ってからニット用ブラシで整える、という手順よりも、ニット用ブラシで編地を整えると毛玉の所在がよりわかりやすくなるので、それを毛玉取りブラシで取る、という手順のほうが良いということに気付きました。で、最後にまたニット用ブラシで編地を整えます。

という作業を終えた、アフターの状態がこちら。

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背面の腰辺りにも毛玉が結構目立っていました。

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斜めから見るとわかりやすいですね。ここも、ニット用ブラシ→毛玉取りブラシ→ニット用ブラシの手順で毛玉を取っていきます。

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こちらがアフター。

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↑の画像を見てもあまり変化が感じられないかもしれませんが、ニット用ブラシと毛玉取りブラシを見ると、取れた毛玉の量がよくわかります。

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両方のブラシに付いた毛玉を、金属ブラシで取り除きます。

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ブラシは綺麗になりました。

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で、これがニット一着に付いていた毛玉です。

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で、こちらがアフター。と言っても、この画像ではどれくらい綺麗になったのかはちょっとわかりづらいかもしれません。が、実物を見ると確実に毛玉が取れてスッキリとした実感はあります。

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「毛玉取りブラシ」は万人にオススメできる?

自分で試してみてわかりましたが、この毛玉取りブラシで気軽に手軽に毛玉が取れる訳ではありません

多少は手間がかかりますし、コツを体得するのに時間も必要だと思うので、万人にオススメできる商品!といは言えません。

手間をかけてでも着続けたい服があるなど、ある程度服に対して思い入れが強い人じゃないと、面倒に感じてしまうかもしれません。

 

メンテナンスを通じて服に対する理解や愛着が深まる

ですが、こうやってメンテナンスを自分で行うことで、より服に対する理解や愛着が深まるので、服好きの人にはやっておいて損はないと思います。

今回のメンテナンスを通じて、これまで何気なく着ていたニットのどの部分にダメージがあるのかがわかりました。

袖口の外側の編地がかなり縮んでおり、そこに圧力がかかっていることに初めて気付きました。PC作業をするときなどに、机に押し付けられるなどして徐々に縮んでしまったと思われます。

そうやって、ストレスがかかっているポイントがわかると、そこを重点的にケアするようになるので、結果的に服はより長持ちするようになるでしょう。

また、その気付きによって着用や保管などの運用の方法も変わってくるかもしれません。

 

メンテナンスすることで生まれる価値

もし、袖口の縮みに気付かないまま着用し続けていると、そのうち取り返しのつかないダメージになってしまっていたかもしれません。

以前の記事で、ジャンク品として入手した黄ばんだ白シャツのエピソードをご紹介しました。

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このシャツは熱湯ワイドハイターで真っ白になって普通に着られるようになって服としての価値を取り戻しましたが、縮んだウール製品を元に戻すことの難しさは、こちらも以前の記事でご紹介したコムデギャルソンシャツの縮絨シャツで手痛く経験しています。

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ですが、こうやってメンテナンスをすることでダメージの存在に気付けたので、今後的確に対処していけば、致命傷になることは防げるでしょう。

メンテナンスをすることで、自分が快適に気分良く服を着られる。

メンテナンスをすることで、服の価値が落ちにくい

メンテナンスをすることで、自分が着用しなくなっても服の価値を次代に引き継げる。

このように、服のメンテナンスには沢山の価値を生むことに、今回気付かされました。