山田耕史のファッションブログ

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【前編】タータンチェックの歴史。法律で禁止されたことのある柄。

こんにちは。兼業主夫/ファッションアナリスト/ワークマン公認アンバサダーの山田耕史(@yamada0221)です。

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僕はタータンチェックが大好きです。いつから好きなのか、好きになったきっかけが何なのかは全く覚えていませんが、とにかく圧倒的に一番好きな柄です。

これまでたくさんのタータンチェックの服を買ってきましたが、そのなかでも一番印象深いのが、コムデギャルソンオムプリュスの2000年秋冬コレクション。好き過ぎて一番たくさんお金を使ったシーズンです。当時は大学生だったから、バイト代を全部コムデギャルソンにつぎ込んでいました。今ではできない芸当です笑。

 タータンチェックが好き過ぎて、書籍まで購入しました。

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奥のはタータンチェックの画像データが入った書籍。服飾専門学生のときは、デザイン画を描くのに使っていました…が、久し振りに本棚から引っ張り出してみると、付属のCDが見つかりません笑。まぁまず使わないんでいいんですが…。

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手前のは大学生のときに旅行したカナダで買ったもの。英国文化が色濃く残っている街で見つけた記憶があります。 

 表紙に「150 tartans illustrated in full colour」とあるように、150種類のタータンチェックが紹介されています。

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それぞれのタータンチェックの由来も紹介されているのですが、いかんせん英語なので読む気が起こりません…。

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ですが最近、日本語でわかりやすく書かれている書籍を見つけたので、今回はタータンチェックの歴史を簡単にご紹介します。

図説 タータン・チェックの歴史

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ちなみに、英語ではタータンチェックとは呼ばずタータン(tartan)と呼びます。

 

 タータンチェックは登録制

タータンチェックは他のチェックと全く異なる特別なポイントがあります。

それは登録制であること。スコットランドの伝統的な織物として、政府の登記局によって保存、保護、登録管理されているのです。

こちらがそのスコットランド・タータン登記所のサイトで、ここに登録されていないタータンはタータンと名乗れないのです。

www.tartanregister.gov.uk

 

タータンチェックの起源

登録局があることからもわかるように、タータンチェックの故郷はイギリスのスコットランドです。

現時点でスコットランドの最古のタータンチェックとされているのが、紀元前3世紀におられたと推測される布地で、当時羊飼いたちがまとう日常的な織物として作られたとされています。

イギリスの正式名称はグレートブリテン及び北アイルランド連合王国。元々は別の国だったイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドが同君連合型の単一の主権国家を形成しています。

スコットランドの北部はハイランド、南部はローランドと呼ばれ、イングランドに近いローランドは絶えずイングランドから攻撃を受け、どんどんイングランド化が進みました。同じスコットランド国民ながらも、英語を話し、イングランド人と同じ服装をするローランド人と、ゲール語を話し、タータンを身にまとうハイランド人は大きな違いがありました。

16世紀にイングランドはウェールズを併合。その後、スコットランド王がイングランド王を兼ねる「同君連合」により、スコットランドはイングランドと連合しグレートブリテン連合王国が生まれます。

ですが、イングランドと1つの国になることに反発するスコットランド人は、スコットランドという国への愛国心を示すためにタータンをまとうようになりました。つまり、政治的な意味合いとしてタータンが着用されるようになったということです。

 

タータンが法律で禁止される

18世紀には、イングランドとスコットランドの間で起こった王位継承者問題が引き金となり、内乱が勃発します。政府はハイランドの暮らしや文化を徹底的に破壊するために、ゲール語やバグパイプ、そしてタータンの使用を禁じる法律を制定します。

ですが、禁止法があってもハイランドの軍隊だけはタータンがまとうことが許されました。そのため、軍用のタータンが大量に製造され続け、植民地拡大のために兵士たちがイギリス国外に派兵されることで、タータンが世界中に広く知られるようになりました。

機能性を追求した生まれたキルトスカート

タータンチェックと言えばキルトスカート。 

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キルトスカートが生まれたのは1720年頃。それまではタータンチェックの布をマントのように肩から羽織るプラッドという着方が主流でしたが、重くて動きづらいため、スカート部分だけを独立させたキルトが生まれました

 

ファッション業界の利益のために変えられたキルト

一般人のキルトや軍用キルトにはボックスプリーツが施されていました。ボックスプリーツは着用して擦り切れても、ほどいて擦り切れた場所を隠すように仕立て直すことができました。軍でも一般家庭でもキルトは仕立て直して着続けるものであり、小さな子どものために小さく仕立て直すこともありました。

ですが、そうなると困るのがファッション業界です。新しい服が売れずに困った仕立て屋はナイフプリーツという同じ方向に折れたプリーツが施されたキルトを作り始めます。この作り方は布地を大量に使う上に仕立て直しがしづらいので、キルト製造業者とタータン製造業者はかなり潤ったそうです。

19世紀に国王ジョージ4世がスコットランドのエディンバラを訪問しましたが、そのときにジョージ4世がタータンを着用したことでタータンブームが沸き起こります。その後、大英帝国を象徴する女王として知られるヴィクトリア女王がタータンを愛したことなどもあり、タータンにはイギリス王室を象徴する柄としても定着します。

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タータンチェックは家紋?

18世紀には領主が借地人や家臣に同じタータンを着せたという記録があり、制服としてのタータンが存在していたことがわかります。

タータンチェックは日本の家紋のようなもの、という話は結構有名ではないかと思います。家柄を示すタータンはクラン(氏族)タータンと呼ばれますが、これは前述のジョージ4世のスコットランド訪問によるブームがきっかけでした。それまで不人気だったジョージ4世が支持を得るために、愛国心の証として式典の出席者に自分の家柄を示すタータンを着用することを求めたのです。

ですが、クランタータンはまだ当時一般的ではなく、自分の一族に属するタータンがわからない氏族長が多くいました。タータン製造業者であるウィルソン&サンズ社は古いタータン柄を保存していたロンドン・ハイランド協会と提携し、営業で旅する行商人を利用し各地のタータンを集め、タータンの柄帳を作成しました。

既に存在したタータンが手に入らなかったクランは新しく作り出された柄を自分たちのタータンとして採用しました。

こちらがどのタータンがどの地方のクランのものかがわかるクランマップです。

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タータンには種類があります

クランタータンの他にもタータンには多くの種類があります。ブラックウォッチに代表されるミリタリータータン。

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王室が使用するロイヤルタータン。

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組織や企業などが作るコーポレートタータン。日本で有名なのは、百貨店の伊勢丹のタータンでしょう。

precious.jp

最近では僕の故郷である神戸もタータンをつくったというニュースがありました。

news.1242.com

 

ファッションや音楽とタータン

他に、ファッションタータンというタータンもあります。が、長くなってしまったのでタータンとファッションや音楽との関係のご紹介はまた次回に。

この記事があなたのお役に立てれば幸いです!