山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

10年間着続けているダウンベストをコーダ洋服工房でお直しした理由。

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10年間愛用し続けているダウンベストをお直しに出すことにしました

僕は服飾専門学校でデザインとパターン( 型紙製作)を学んだ経験があるので、一通りの服は自分でつくることができます。 

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ミシンも普通に扱えるので服の修理も基本的には自分で行います。今までお直しに出したことはほとんどありません。

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ですが、今回珍しく服をお直しに出しました。出したのはこちら。マクレガーバッジドラゴンという、今はもう存在しないブランドのダウンベストです。

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LOCHCARRON社という、コムデギャルソンやヴィヴィアン・ウエストウッドといったチェック柄を特徴的かつ頻繁に用いるデザイナーズブランドも御用達のスコットランドの老舗生地メーカーのタータンチェックを用いています。

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購入したのは10年近く前。軽くて暖かく使い勝手が最高なうえに僕がタータンチェック柄マニアだということもあり、毎秋冬飽きずにずっとヘビーローテションしています。

さすがに10年間着倒していると、ダメージが目立つようになりました。大きなダメージは3箇所。一番目立つ襟の襟足が当たる部分は生地が薄くなって擦り切れそうになっています。

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こちらはポケット。外見上はわかりませんが、ポケットの玉縁(入り口部分)の生地が手の出し入れによってほつれています

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反対側のポケットも同様。

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ポケット部分は自分でも直せそうですが、生地の色に合う糸を揃えなければなりません。黒は手持ちにありますが、赤、緑、黄色は買う必要があります。実は生地の色に合う糸を揃えるだけでも一苦労で、わざわざこのダウンベストをユザワヤやオカダヤといった手芸屋に持って行って、糸売り場で生地と近い色の糸が本当に生地と同じ色なのか1つ1つ確認しなければなりません。はっきり言って面倒臭いです。

また、襟部分はどんな方法なら綺麗に直せるのか、見当も付きません

 

有名ブランドも信頼を置く池の上の名店に依頼

今回お直しをお願いしたのは京王井の頭線の池ノ上駅近くにあるコーダ洋服工房

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www.coda-kobo.jp

有名ブランドやショップがお直しを依頼する名店として以前から知っていたのですが、訪れるのは初めてでした。

ちなみにお直しをするにあたって、コーダ洋服工房ともう1つ候補にしていたのがジャーナルスタンダードなどを展開するアパレル企業ベイクルーズが運営するお直し屋、B REFORM WORKS STUDIO。こちらも良い評判を聞いていたので候補にしていました。

reformworks.baycrews.co.jp

手始めにB REFORM WORKS STUDIOとコーダ洋服工房にダメージ箇所の画像を添付して見積もりのメールを出したのですが、B REFORM WORKS STUDIOには断られてしまいました。コーダ洋服工房は見積もりは実物で状態を確かめてからとの返事だったので、池の上のお店に持って行き、その1週間くらい後に4,860円という見積り金額が出ました。

上述の手間を考えると妥当な価格だったので4,860円を振り込み、待つこと3週間ほど。修理が終わったとの電話があったので引き取りに行きました。

 

さすがプロ!な完璧な仕上がり

気になる仕上がりですが。まずは襟部分。…どうですか。ダメージがあったのがどこか、完全にわからないくらい綺麗になっています。これは縫製を解いてダメージ部分が隠れるように詰め、再び縫い直したそうです。これは素人には無理な方法ですね。少なくとも僕にはダウン生地の縫製を解こうなんて発想はありませんでした。

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ダメージ部分を詰めているので襟の高さは低くなっているはずですが、見る限り不自然さはまったくありません。あ、最初に使ったこの画像、実は修理後の写真なんですが襟部分が詰められているとは思えませんよね。着ても違和感はありません。

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ポケットも驚きのクオリティ。チェック柄に合わせてステッチが入っているの、わかりますかね?かなり細かい仕事です。

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裏側から見るとステッチが斜めに入ってるのがわかります。

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反対側も同様。

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裏側から見ないとわかりません。

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大好きな服を長く着続けること

 

これで4,860円は充分満足です。

また、こうやって綺麗にお直ししてもらえることがわかったので、今後も安心してこのダウンベストを着られることがなによりの収穫です。

正直エコだのサスティナブルだのということに対しては特に興味はないのですが、大好きだと思える服を見つけ、それを長く着続けることは素敵だなと思っています。服は着てナンボ。好きな服はもったいぶらずにガンガン着ましょう。壊れたら直せばいいんです。 

最後までご覧いただきありがとうございました。