山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

1978年のパリを彩ったカルチャーと、パリが「芸術とモードの都」となるまでの政治と産業の歴史。

目次:

 

70sデサントアディダス広告

今回ご紹介するのは『POPEYE』1978年12月10日号です。

“パリを女のコに占領させておく手はない!”と銘打った、パリ特集です。

ちなみに、この頃の日本は竹の子族が流行っていた時代でした。

今年はオリンピックが開催されるということで注目度が高まっているパリ。

僕的には2003年〜2005年の2年半留学していた、思い出の街でもあります。

内容を見ていきましょう。

右ページはアディダスの広告。デサントがライセンス生産していた、いわゆるデサントアディダスです。

こちらの記事でも詳しくご紹介していますが、1970年代から80年代にかけて日本ではスキーが大ブームになっていたので、アディダスでもスキーウェアに力を入れていたのでしょう。

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ナショナル広告。“カーコンポがルーフについた”そうです。操作がしづらそう笑。

 

日本の未来の輸出品はアニメ?

“pop eye”というミニニュースのページ。

“pop eye”のパリ版。

一番右のニュースは日本アニメ「グレンダイザー」がフランスで人気という話。

で、このニュースの最後が“ひょっとすると未来の日本の輸出品は、音響機器でもTVでもなく、実はアニメ・キャラクターと、その関連商品てなことになっちまうかもしれない”と、非常に的確に未来を予言してしまっています。

左ページ端の広告のラジカセはなんと79,800円。

 

クールなパリのスケーター

右ページはフォークシンガー、高石ともやによるボブソンの広告。

そして、左ページからはパリ特集。

現地のスケーターでしょうか。めっちゃクールですね。いかにもフランスなトリコロールカラー、バスクボーダー柄のシャツ。左の青年はアディダスのスニーカーを穿いています。

まずはじめにディスコの紹介。

やはりフランスなのか、意図的にそういう写真をピックアップしたのかはわかりませんが、トリコロールカラーが目立ちます。

シャツ、パンツ、そしてキャンバススニーカーまで全部真っ白の男性。

超音速旅客機、コンコルド。調べてみると、この号が出る2年前の、1976年に運用が開始され、2003年に営業飛行を終了したようです。

 

パリのオートバイ少年

“モタール”という、パリのオートバイ少年たち。モタールはmotorのフランス語読みでしょうか。

レザージャケットにジーンズという装いが中心のよう。

750cc以上のオートバイを禁止する法案に反対するデモを行っていたようです。

 

フランスのワークウェアをファッション視点で楽しむ

パリの仕事着はスーパーモードだ”というファッションページ。ワークウェアを中心としたフランスならではの服をファッションの視点で楽しむという企画です。

まずは、“酒場やカフェの男たちの仕事着”

次は“海の男たちの荒くれ仕事に耐えてきたメルトン上着”と、“自転車乗りのマイヨー”と表記されているサイクリングシャツ。マイヨーはmaillotのことで、ランニングウェアなどのタイトフィットの服を表すフランス語です。

“自転車乗りのマイヨーは昔はウールで作られた。最近はもっぱらアクリル糸で作られる”

ちなみにこの企画は全てパリのメトロの名物である巨大広告風になっています。写真が小さくてよく見えませんが、右の彼は“肉屋さんとか食品屋さんの着るうわっぱり”だそうです。

 

1978年のパリカルチャー

右ページ、ニコンのカメラFE広告。左モノクロページはパリ特集続き。

“パリで一番、粋な男”として紹介されているのは、パリでレビュー(ショー)を手掛けていたジャン・マリー・リヴィエールという人物。

パリの名所、パサージュ。建物の中にある商店街です。

エッフェル塔の歴史。

“モンマルトルからベルヴィルまで”の“アラブ人街”。

僕が留学していた頃は、アラブ人街というより黒人街という印象が強かったです。

ポップなピンクのギンガムチェック柄が目印の量販店、タティ。日本で言うところのドンキみたいな感じのお店です。

僕も日用生活品などを買いによく訪れていました。

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SF的な書籍『HABITER LA MER』。

パリの玄関口、シャルル・ド・ゴール空港。

“フランスでは、1週間に1局以上の新しい海賊放送局が生まれている!”

人気ラジオ番組と、レコード。

フランス式ボクシングとウィンドサーフィン。

スポーツセンター。

 

フランスのウィンドサーファーファッション

カラーページでもウィンドサーフィンについて。

やはりフレンチウィンドサーファーの服装が気になります。カレッジスウェットにコーデュロイ?のパンツ、シューズはレザースニーカーでしょうか。

場所は内陸部にあるパリではなく、パリ市内から車で30分のところにある、サンクァンタンという湖。ここは“パリ近郊のウィンドっサーファーのメッカ”だそうです。

 

ちょっとスノッブなサンジェルマンでショップ巡り

パリに戻り、サンジェルマン。“ちょっとスノッブで、それでいて若々しいニュアンスを持った、プレタポルテらしいファッションを探すなら、この界隈がモードの標準と言えるだろう”とのこと。

“マルシェ・サンジェルマン界隈は、モード人間を有頂天にさせてくれる”

マーガレット・ハウエル、そしてなんと“日本のメンズブティックとしては、はじめてパリに進出した<メンズ・ビギ>のブティック<タケオ・キクチ>”

以前の“ファッションアーカイブ”でもご紹介しましたが、メンズビギのデザイナーだった菊池武夫がアパレル大手ワールドに移籍してタケオキクチをスタートさせたのが1984年。なので、1978年当時は菊池武夫はメンズビギのデザイナーでした。僕の予想ですが、フランスではメンズビギの屋号が使えかなったので、タケオキクチという店名にしたのではないでしょうか。

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イヴ・サンローラン・リヴゴーシュ・オムのショップ。あまりいい風に書かれていません笑。

 

エミスフェールは“最も今風な商品を選んで売っている”

グランダルメ大通りのスポーツ&乗り物ショップ。ヤマハやスズキのバイクショップもピックアップされています。

現在も東京青山に店を構えるセレクトショップ、エミスフェールは“最近オープンいたファッションの店”で“最も今風な商品を選んで売っている。ファッション人間が注目している店”とのこと。

パリの名物、カフェ。オムレツやクロック・マダム(オープンサンド)など。

 

“かつて<中央市場>だった“レアル街”に注目しよう”

僕が留学していた頃はスニーカーショップが立ち並んでいたレアル。この頃は前衛的な若者が集まるクールな街だったようです

タバコ。

閑話休題で、パイオニアのカーステレオの広告。かなりクール。

国立サーカス学校。

セーヌ川に浮かぶプール船。

こちらもかなりクールなヤマハのエレクトーンの広告。

 

70sパリのスケーターファッション

“パリのスケボー小僧たちは色彩の魔術師だ”。この頃は“フランスのスケボー人気が沸騰寸前”だったそう。

“ウェアの色彩感覚は、サスガにパリっ子だ”とありますが、確かにスケボーの本場、アメリカ西海岸のスケーターとは雰囲気は違いますね。

これは“スケート&ミュージック”というイベントのレポート。ゼッケンにデカデカとトレフォイルロゴが入っているので、アディダスがスポンサードしていたのでしょう。

“POPEYE探検隊が発見した、気になるGOODS”。

“とてもチャーミングなパリの仕事車たち”。

パリのランドマークのひとつ、ポンピドー・センター。

エドウィン広告。“キーリングはシティ感覚そのもの華麗な男の小道具”。当時流行っていたのでしょうか。

右ページはパリのお部屋探訪。

左ページ“HOTEYE”というページはコーヒーのAGFの企画広告。

凝った内容。

 

百貨店サマリテーヌで70sフレンチワークウェア祭り

左ページ、パリ特集続きは百貨店のサマリテーヌ。僕が留学していた頃は、パリの中心地であるオペラ界隈に店を構えるギャラリー・ラファイエットやプランタンといったモードな雰囲気もする最先端の百貨店に比べ、ちょっと垢抜けないイメージを持っていました。

最近大改装して、かなり雰囲気が変わったようです。

www.instagram.com

www.tokyoartbeat.com

が、この頃は百貨店というよりもホームセンターという雰囲気。のこぎりやヤスリなど、大工道具のオンパレード。

そして、特に注目したいのがこのページ。“宝石屋、床屋、八百屋、肉屋、バーテン、メカニシャンたちの機能美にあふれた仕事着がゴッチャリ!!”と、当時のフランスのワークウェアがこれでもかというくらい並んでいます。

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