山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

フランス人がファッションに無頓着なのに格好良く見える、たった1つの理由。

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パリを歩いてもオシャレなフランス人には出会わない

今朝偶然目にしたこちらの記事。

gendai.ismedia.jp

10年以上前になりますが、僕はパリに2年半留学していたこともあるのでフランス関係の話題には食いついてしまいます。 

日本におけるフランス、特にパリのイメージ=オシャレ、ですよね。この記事にも取り上げられていますが、「フランス人は10着しか服を持たない」という本が話題になったこともありました。

フランス人は10着しか服を持たない

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というか、今Amazonで調べてみると、こんなにもシリーズが出てたんですね。それだけ売れたのでしょう。

フランス人は10着しか服を持たない2

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フランス人は10着しか服を持たない ファイナル・レッスン 「凜とした魅力」がすべてを変える

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フランス人は10着しか服を持たない コミック版 ファッション&ビューティ 編

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フランス人は10着しか服を持たない コミック版 ダイエット&ライフスタイル 編

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ちなみに記事でも指摘されていますが、「1年を通してわずか10着ではさすがに無理」です。というか、そんなフランス人本当にいるんでしょうか。まぁ「10着」というのはちょっと大袈裟に表現しているだけかもしれませんが。

オシャレなイメージのあるパリでのストリートスナップは定番ファッション誌の定番コンテンツ。ネットでも「パリ スナップ」で検索するとオシャレな服装に身を包んだフランス人のストリートスナップ画像がヒットします。

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でも、パリを歩いていてもこんなにオシャレな人なんてまず見ません

記事ではこう指摘されています。

日本ではよく女性誌で「街で見かけた着こなし上手のパリジェンヌ」という特集が組まれています。これだけ何人もの素敵な写真を撮るためにいったい何時間いえ、何日かかったのかと考えてしまうのは私だけでしょうか。

おそらくこういったストリートスナップは漫然と道端でオシャレな人を待ち構えているだけではないと思います。そう簡単に偶然オシャレな人が通りがかることなんてないでしょう。既にリサーチ済のオシャレな人に連絡をして、街中に出てきてもらって撮影をしているのだと思います。

なので、こういったストリートスナップを見て「パリの街中にはオシャレな人がいっぱいいるんだ!」なんてイメージを持ってパリに行ってもがっかりすると思います。

 

フランス人よりも日本人のほうが圧倒的に「ファッションに気を遣っている」

それどころか、パリよりも日本のほうが圧倒的に「自分のファッションに気を遣っている人」は多いと思います。僕がパリに留学したのは23歳のとき。まだ若かった僕は日本にいるときは毎日ヘアワックスで髪型を整えて外出していましたが、パリで生活し始めてしばらくするとそれを辞めてしまいました。なぜなら、パリでそこまで「自分のファッションに気を遣っている人」って全然いないからです。

僕がパリで通っていた服飾専門学校にも、「自分のファッションに気を遣っている人」はほとんどいませんでした。日本人の服飾専門学生のように、トレンドファッションに身を包んでいるフランス人学生もまずいません。みんな普通のスウェットにTシャツ、ジーパンといったラフな格好にラフなヘアスタイルです。

上掲の記事にもこんな内容があります。

カッコ良くセンスのよいスタイルは、日本の方が上でしょう。そもそもフランスの場合、高級ブランド品は一部の富裕層のものだと考えられています。

自分の給料で手が届かないということは、自分に似合わないということ。似合わないものを無理に手に入れようとはしないのです。高級ブランド品で身を固めたり、ブランドバッグを持った人は滅多に目にしません。

 

フランス人にとって他人の目なんかどうでもいい

また、上掲のようなストリートスナップを見ているとフランス人はみんな細身のスラっとした体型の人ばかりかと思ってしまいますが、現実はそうではありません。僕がパリにいたときはスキニーパンツが流行っていたのですが、スキニーパンツのウェストのうえにお肉が乗っかっている若い女の子がたくさんいることに驚いた記憶があります。

当時、日本でそんな人なんてまず見ませんでした。僕も昔は太っていたので気持ちはわかるのですが、「太っている自分がスキニーパンツを穿いていたら、他人はどう思うだろう?」と考えてしまう日本人は少なくないと思います。

ですが、フランス人は他人の目なんか気にしません。記事でもこうあります。

フランス人女性には年齢にかかわらず、他人を気にせず、そして自分の人生に責任をもって生きるという逞しさを感じます

太っていようがなんだろうが、自分がスキニーパンツを穿きたいから穿く。フランス人はそんな考え方なんだと思います。

 

 

格好良さは自信から生まれる

このように、トレンドの服も着ず、他人の目も気にしないフランス人ですが、やはり日本人と比べて素敵に見える人は多い気がします。

僕はフランスの全てが優れているとは思いません。当たり前ですがフランスには良いところ悪いところがありもちろん日本にも良いところと悪いところがあります。ですが、洋服に関しては日本に比べるとフランスのほうが圧倒的に長い歴史があります。そんな洋服先進国のフランスから学べることは少なくないと思います。

記事ではこう結論付けています。(太字は引用者)

「街で見かけ着こなし上手のパリジェンヌ」というのは本当です。でもそれは、素敵な洋服を着ているからではありません。自分に本当に似合うものを知って、そして中身を磨き、さらに姿勢がよいなど複合的な要素が混じり合って、その自信が着こなしに表れてくるのでしょう。

今までも当ブログでご紹介してきましたが、結局格好良さは自信から生まれるんだと思います。以前、野口強さんの記事でもご紹介したように「中身が薄っぺらいと洋服着せても薄っぺらい」のです。

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他人の目を気にせず、自分が好きな服を着て自分に正直でいることの大切さは「セーラー服おじさん」の記事でもご紹介しました。

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なので、自分の好きな服がある人はそれを着るのが一番です。

今までのファッション業界は毎年消費者に新しい服を買わせるためにトレンドという名のマッチポンプを繰り返してきました。ですが、インターネットの普及によりパリやミラノのコレクション(ファッションショー)を頂点とする既存のファッション業界のトレンドは力を徐々に失いつつあります。

今後消え行く存在であるトレンドで服を選ぶよりも、僕は自分が好きかどうか、自分らしいかどうかで服を選ぶことを提案します。

自分の好きな服が特に思いつかない人も少なくないでしょう。そんな人も簡単に自分の好きな服に出会える仕組みをつくることが僕の目標です。その目標を達成するために、現在新しいサービスを企画中です。

 

姿勢ってファッションよりも大事だと思います

ちなみに記事にもありますが、姿勢って大事だと思います。それこそファッションなんかよりも。姿勢についてはこちらの記事にまとめていますので、是非ご覧下さい。

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最後までご覧いただきありがとうございました!