栗野宏文さん。
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ユナイテッドアローズの立ち上げメンバーで、現在は上級顧問クリエイティブ・ディレクションを担当。
これまでブログで何度もご紹介しているように、栗野さんの考え方は共感するところが非常に多く、強く影響を受けています。僕が最も敬愛するファッション業界人のひとりです。
「アン・ファッション」をテーマにした。我らがUA栗野さんインタビュー。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) September 8, 2019
「オシャレや面白さの在り方ってもっと”パーソナル”で”タイムレス”なものだと思うんです」
「銀行の人に会うとかで相手にとってキチンと見えるためだけの格好をしたときこそファッションじゃないんです」 pic.twitter.com/3PHSpmEiX7
さすがに栗野さん、ええ事言わはる。 pic.twitter.com/CSdhaTwnAv
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) September 24, 2017
やっぱり栗野さんの考えには共感するところが多いです。
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) October 16, 2020
そこに愛はあるのか。ファッションと社会をつなぐ服屋の話|ユナイテッドアローズ上級顧問 栗野宏文さん【出版記念企画 第四回】|foufouは服屋さん @foufou_marl #note https://t.co/dyH5RYXbu7
”自分たちが大事にしているのは「普遍的」で「タイムレス」なもの”
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) October 16, 2020
”われわれが一番大切にしているのは、服と人との関係性におけるメッセージの伝え方なんです。服は使い捨てるようなものじゃないし、トレンドだけを追わなくてもいいんじゃないか?というメッセージを企業を通じて伝えている。”
”ファストファッションでも10年着る人がいればそれはサステナブルかもしれないですが、仕掛ける側がトレンドという言葉を使い続けているのが問題で、僕がトレンドを否定しているのはそこなんです”
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) October 16, 2020
”きっかけは流行りからでもいいからモノと真面目に付き合おうよ、ということを言い続けています。とにかく、モノを大事にしてくれればいい。それこそ愛の話ですね。”
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) October 16, 2020
”とくに「愛着」という言葉はすごくいい言葉で、もっと広がるべきだと思うし、それが世の中ハッピーになるキーワードなんじゃないかと思います”
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) October 16, 2020
そんな栗野さんの初の書籍。読まない訳がありません。
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Kindleで読んだのは正解でした。金言が満載だったので、蛍光ペン引きまくりです。
ファッション業界の方やファッションが好きな方には是非読んで貰いたい一冊なので、当ブログでは何回かに分けて僕が特に共感したポイントをご紹介します。
トレンドを追うことは、もはやトレンドではない
以前から僕は、「トレンドを理由に服を買う」というこれまでのファッション業界の常識は徐々に消滅していくだろうと予想しています。こちらは2017年に書いた記事です。
日本のメンズファッションのゴッドファーザー、石津謙介さんが55年も前に断言しているように、ファッショントレンドとはファッション業界が服を売るための手段です。
「ほしいものがない」「これが流行だと言いたてて、前のものを着せないようにする」(1965年石津謙介の対談)…日本のファッション業界は50年前から変わらないんですねぇ。(というかファッションってそもそもそーゆーもんか)出典:「アイビーら、永遠に眠らない」 pic.twitter.com/53EAHfNaJq
— 山田耕史 書籍「結局、男の服は普通がいい」発売中! (@yamada0221) 2016年10月15日
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モード後の世界では栗野さんも石津謙介さんとほぼ同義のことを書かれています。
振り返れば二十世紀後半の消費というのは、ネガティブな言い方をすると脅迫型の消費でした。「これを買わないとダメですよ」とか、「これがないと遅れますよ」とか。
脅迫型消費のもとを正せば、大量生産が一般化し、必要以上にモノができて、それを短期間で換金しなければ事業が継続できないモデルが定着してしまったからです。モノを流通させ、消費してもらう過程で、資本主義はあがきつつ、新たな消費形態を生み出してきました。例えば家電や自動車のモデルチェンジ。洋服はその最たるもので、この最新版を着ないと流行に乗り遅れますよということを声高に叫んで、買ってもらってきたのです。
ですが特に2000年代以降にインターネットやスマートフォンなどの新しいツールが普及したことによって、ファッション業界の構造は大きく変化しました。その結果…
本来、モードが依拠していた特権階級と非特権階級という図式は崩壊し、そういう意味ではモードは終わったと言えるでしょう。
トレンディなことも、トレンドを追うこと自体も、もはやトレンドではないのです。
「トレンドを追うこと自体も、もはやトレンドではない」。
日本のファッション業界の大御所とも言える、ユナイテッドアローズの幹部が断言しているのです。
気鋭の若手もトレンドを拒否
これまで当ブログで何度かご紹介してきた、片石貴展さん。インスタグラム古着メディア「古着女子」の運営から始まった片石さんが経営するyutoriは今年、ZOZOグループと資本業務提携契約を締結しました。
先日初めて参加させてもらったZOZO会!yutori頑張るぞ🔥 pic.twitter.com/FIyJDYnNcg
— ゆ と りくん🍵 (@katap_yutori) 2020年11月21日
そんな片石さんの先日のツイートがこちら。
洋服に"イベント性"が強く求められてる。
— ゆ と りくん🍵 (@katap_yutori) 2020年11月30日
トレンドを作って乗り遅れる恐怖を煽り流行り物を大量生産してくのではなく、コラボレーションなど含め今この瞬間でしか買えないイベントのお土産的な形に。
ワクワクするネットイベントのお土産がECで買う洋服。
ファッション&IT業界の気鋭の若手も、作為的なトレンドで恐怖を煽るファッションビジネスを拒否。そして、片石さんらしい柔軟な発想で新しいファッションビジネスを次々と打ち出しています。
9090@HOTELSHEEEE
— ゆ と りくん🍵 (@katap_yutori) 2020年11月21日
並びやばい! pic.twitter.com/wxMDglA7Xh
9090@TOKYO!!!
— ゆ と りくん🍵 (@katap_yutori) 2020年11月22日
東京も並びアツすぎます。 pic.twitter.com/hdnAwmcR4p
ファッション業界の今後
とはいえ。
今も、そしてこれからもファッション業界の大半はファッショントレンドを中心にビジネスを続けていくでしょう。
良心のある百戦錬磨の大御所も、時代の空気を敏感に察知する若者もファッショントレンドを否定する中で、ファッション業界は今後どうなっていくのでしょうか。
この記事があなたのお役に立てれば幸いです!