【普通の服で格好良く】では、シンプルで本質的なデザインの服である「普通服」の良さをご紹介します。
時代を超えて愛される普遍的な価値がある「普通服」にはたくさんのメリットがあります。
・誰にでも似合う
・コーディネートに悩まなくていい
・いつまでも着られる
・手頃な価格で手に入る
3月18日発売の書籍「結局、男の服は普通がいい」。
2つあるテーマのうちの1つが、当ブログでオススメしている「普通服」。
前回の記事では「普通服」の基本中の基本、白のカジュアルシャツについてご紹介しました。
今回は白シャツに継ぐベーシックアイテム、チノパンツについてご紹介します。
どんなファッションにもマッチする万能アイテム
チノパンツの起源についてはブルックス・ブラザーズのサイトにあった文章がわかりやすかったので引用します。
チノパンツの生みの親は、19世紀中頃にインド駐留の英国軍司令官だったハリー・ラムデン卿です。当時、軍人たちが着用していた白い軍服がすぐに汚れてしまうことを杞憂した彼が、白い軍服をコーヒー、カレー粉、桑の実で黄褐色=カーキに染めたのです。
この色は汚れが目立たないばかりか、兵士たちをカモフラージュするときにも非常に有効でした。ちなみに“カーキ”はヒンディー語で「埃の色」を意味します。そして1880年代には英国陸軍にカーキの軍服が制式に採用されました。
1898年、フィリピンでスペインと戦っていたアメリカ軍の軍服にも同じような色のコットン素材が採用されますが、一説ではこの素材が中国を経由したものだったので、中国を意味する「チノ」と名付けられたと言われています。
さらに第二次世界大戦後、帰国したGIたちが日常着としてチノパンツを着用し、軍の余剰品が市場に出回るようになると、機能的で履き心地がよく、堅牢なこのチノパンツは一気に市民権を得るようになりました。アイビーリーガーに代表される学生たちから、ジョン・F・ケネディ、スティーブ・マックイーンなどの有名人も愛用し、アメリカンスタイルを象徴するアイテムへとなっていったわけです。
つまり、チノパンツは元々ミリタリーアイテムだったということです。つまり、ファッションのジャンルは<ミリタリー>。
ですが、以前ディッキーズのチノパンツをご紹介した記事でも触れた通り、<ワーク>や<スケート>などとも深い関係性があります。
他にも<アメカジ><アウトドア><ヒップホップ><ナチュラル><アメトラ>とはかなり相性は良好、<ブリティッシュ><ロック>などにも合わせられます。
また、上掲のブルックス・ブラザーズのサイトで紹介されてるのは、このようなビジネスシーンでも充分着用可能なビジカジパンツ。
つまり、<フォーマル>にも対応可能。まさに万能アイテムと呼べる存在です。
チノパンツの圧倒的王者ユニクロ
そんなチノパンツの圧倒的王者として、これまで当ブログでもオススメしてきたのはユニクロです。
ユニクロは2種類のチノパンツを定番的に展開しています。
「ヴィンテージレギュラーフィットチノ」はゆったりとしたシルエットと、綿100%の粗野な印象の生地で、カジュアル向け。
「スリムフィットチノ」はストレッチ素材で細身のシルエットと、やや光沢感があり上品な印象の生地で、ビジカジなどのキレイ目向け。
両方とも2,990円という定価では考えられないほど、生地も縫製も非常にクオリティが高く、他の低価格ブランドの追随を許しません。高額商品になると、さすがに生地やシルエットなどの違いが出てきますが、よほどこだわりのある人でない限り、チノパンツは基本的にユニクロ一択で問題ないでしょう。
チノパンツの新定番ワークマン
僕もユニクロのチノパンツを長年愛用していますが、最近は穿く機会がとても多いのがこちらのパンツ。
ワークマンのチノパンツ「WM3122 綿混スラックス」です。
同生地のカーゴパンツ「WM3123 綿混カーゴパンツ」もかなり愛用しています。
ワークマンオンラインストアでもご紹介していますが、まずこの両商品の魅力はユニクロの3分の1の980円(税込)という超お手頃価格です。
両商品とも、オンラインストアには「安くて丈夫な定番ズボン」という説明がある通り、ワークマンで1年中取り扱われている、ガチのワーク用に加えオフィスワークにも用いられている定番パンツです。
ですので、ワークアイテムとしての機能性と、オフィス(ビジカジ)アイテム としての上品さを併せ持つという、非常に面白い特徴を持ったチノパンツなのです。
オンラインストアのコラム最新回でもご紹介している、ワークマンの定番チノが非常に良いです。いかにもワークウェアな生地とシルエット。の割に上品な印象のネイビーカラー。ガチワーク向け商品ってやっぱり好きです。 pic.twitter.com/yzWAv2josv
— 山田耕史 3月18日発売「結局、男の服は普通がいい」Amazon他予約受付中! (@yamada0221) 2020年2月14日
丈夫でガンガン洗えるので、街着だけでなく公園遊びとしても大活躍。
詳しく見ていきましょう。まずは「WM3122 綿混スラックス」。
ポリエステル65%、綿35%でやや光沢感がある生地。強度や速乾性を考慮してのポリエステルが多めになっていると思われますが、それが逆に生地に光沢感を与え上品な印象を生んでいます。
バックショットです。
左後ろのポケットはマチあり。
こちらは「WM3123 綿混カーゴパンツ」。
ベルトループが「WM3122 綿混スラックス」よりも太く、更にワークな印象。
カーゴポケットは小さすぎず大きすぎずの良いバランス。
左後ろのポケットは「WM3122 綿混スラックス」同様マチありです。
唯一残念なのは、多くのカラーバリエーションを展開するユニクロに対し、ワークマンのチノパンツはネイビー一択なこと。カラーバリエーションでライトグレーがあるのですが、ガチワーク感があまりにも強く、さすがにカジュアルウェアとして着用するには難しい色合いです。
とはいえ、チノパンツはメンズファッションのベーシックカラーであるネイビーがあれば、それで充分。現在大人気のワークマンの商品のなかでもまだほとんど注目が集まっていないでしょうが、チノパンツの新定番として強くオススメしたい商品です。
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