山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

日本はライフスタイル後進国?NYで知ったファッション文化の奥深さ。



こんにちは。

今朝くしゃみを連発して

もしかして花粉症デビュー?と不安になった山田です。



2月末にニューヨーク出張に行ってきました。

主な目的は店舗リサーチです。

アメリカは初めて訪れる国ですが、

今まである程度海外は経験しているので

今更ニューヨークに行って何か収穫があるのかな、と

あまり期待はしていませんでした。

しかし、実際に行ってみるとマンハッタンの摩天楼感や



広大で美しいセントラルパークなど



ニューヨークの街の魅力に圧倒されっぱなしでした。

最も印象深かったのはショップの雰囲気。

同じ海外のショップでも

伝統の色が濃いロンドン、芸術性が高いパリのショップとはまた違う、

都会的で洗練されたショップはニューヨーク独特のものだと思いました。



さて、肝心のファッションはどうだったかと言うと。

私が格好良いと思ったショップは

以前から人気が続いているBrooks Brothersや今話題のJCREWなどの

トラッドやプレッピーテイストが濃いショップが中心でした。

特にBrooks Brothersのカジュアルラインのショップ、

Brooks Brothers Flatiron Shopは圧巻でした。






画像引用元:http://www.haberdasherstandard.com/2012/08/snatch-that-cup-of-handsome-coffee-at.html


画像引用元:http://www.haberdasherstandard.com/2012/08/snatch-that-cup-of-handsome-coffee-at.html


画像引用元:http://preptige.tumblr.com/post/14314860824/dapperliving-brooks-brothers-flatiron-shop

長い歴史と確固たる独自のテイストがあるBrooks Brothersだからこそ可能なショップですね。

同じコンセプトのショップが日本にもありますが、

ブルックス ブラザーズのカジュアルショップ 日本初の旗艦店が横浜に | Fashionsnap.com

路面店とSCのインショップというショップ形式の違い以上の差を感じました。

JCREWは一時期の良さは失われているらしいですが

(私は初めて訪れたのでわからないのですが…)

私にとっては充分魅力的なショップでした。

マンハッタンにはいくつもJCREWのショップがあるのですが、

それぞれショップのコンセプトが違っているようで

同じ商品を置いていても格好良く見えるショップと

全く見えないショップの差がかなりあり、

VMDの重要性を痛感しました。


また、ライフスタイルとファッションの結びつきが

日本よりも格段に強固なのも印象的でした。

例えばTommy Bahama

アイランド・ライフスタイルをコンセプトにしているショップで

店内にはサーフボードやスケートボード、ビーチチェアなどの

リゾートグッズが随所に置かれているのですが、

それが全く演出臭くなく、

自然に、違和感なく洋服に馴染んでいるのです。


画像引用元:http://downtownbellevue.com/2013/04/29/new-stores-open-bellevue-square-tommy-bahama-bebe-camper/

ネットでその雰囲気が感じられる画像はないか

探してみましたが見つかりません。

上掲の画像で少しでも雰囲気を想像していただけたらな、と思います。

日本初バー&レストラン併設ショップ「トミーバハマ」銀座店公開 | Fashionsnap.com

昨年日本にもショップが出来たようですが、

どうも少し雰囲気が違うようです。


他にも沢山のショップをリサーチして痛感したのが

ファッションとライフスタイルの一体感

最近日本でもライフスタイルをテーマに打ち出すショップが急増していますが、

ニューヨークのショップを見てしまうと

日本のライフスタイルショップが薄っぺらく感じられてしまいます。

ニューヨークのショップは

内装や演出物、雑貨など店内にある全てのものが

洋服との統一感が取れており、

そのショップが打ち出すライフスタイルを客に強く訴えかけてくるのに対し、

日本のライフスタイルショップは

鉢植えや調味料や書籍を並べているだけで

置いてある服はどこにでもあるような売れ筋の服。

ファッションとライフスタイルの繋がりが感じられないショップが殆どです。

そんなショップをライフスタイルショップと呼んで良いのでしょうか。


おそらく今回私がリサーチしたショップは

日本のライフスタイルショップを運営している

アパレル企業やセレクトショップなど、

日本の企業の方々も視察で訪れている筈です。

それなのに日本のライフスタイルショップが薄っぺらくなってしまうのは

何故なのでしょうか。

日本はファッション(洋服)の歴史が浅い国だからでしょうか。

日本にはライフスタイルという概念はまだ馴染みが薄いからでしょうか。

日本のショップが売れ筋の服しか置かないからでしょうか。


日本でもニューヨークのように見ているだけで楽しくなるショップが

増えてくれる事を願ってやみません。




※注
ここで述べられている内容は書き手の所属する組織・団体の主張を
代表・代弁するものではなくあくまでも筆者一「個人」としてのものです。