山田耕史のファッションブログ

ファッションは生活であり、文化である。

ワークマンがユニクロを超えるかもしれない3つの理由。



・知られざる超優良企業、ワークマン



僕は1ユーザーとしてワークマンが大好きです。当ブログでも何度か記事を書いたことがありました。

 

www.yamadakoji.com


その甲斐あって(?)先日開催されたワークマンの商品発表会に招待していただきました。

秋冬商品の詳しい説明をしていただき、写真もたくさん撮影したのですが、その記事はまた後日アップします。

今回は発表会の途中でワークマンの偉い方(すみません、役職失念しました)から、ワークマンの現状と今後の展望のお話がありました。お聞きしながらライブでツイートしていたんですが、この​ ワークマンの優良企業っぷり​は僕も知りませんでした。









そして、僕の心に一番残ったのが、この一言です。



 

 

・ユニクロに対抗しうる、数少ない企業



僕は​ ファッショントレンドが近い将来消滅する​と考えています。

www.yamadakoji.com



そうなったら、どんなブランドが生き残るでしょうか?もちろん色々例外はあるでしょうがざっくりと分類すると、」一部のファッションマニアに向けたこだわりのあるブランドを除けば僕は​ 消費者のニーズを汲み取って即商品化する、進化型ファストファッション​と、

www.yamadakoji.com


ベーシックデザインの商品を低価格で提供するブランドしか生き残らない​と思っています。

現在ユニクロはベーシックデザインの商品を低価格で提供するブランドとして最も支持され、日本一、そして世界でもトップを争うほどの売り上げを実現させていますが、​ ユニクロは国内市場では伸び悩んでおり、ファション性を高めることをその打開策のひとつに選んでいます​。クリストフ・ルメールやJ.W.アンダーソンといった、コレクションブランドを手掛ける一流デザイナーとのコラボレーションラインを続々リリースしていることがその証拠でしょう。

www.yamadakoji.com

 

・ファッションは必要とされているか?



ですが、多くの一般人にとって、一流デザイナーとのコラボレーションがどれほど意味を持つのでしょう。

クリストフ・ルメールやJ.W.アンダーソンはファッション業界人やファッション好きにとっては誰もが知っている有名デザイナーですが、一般的な知名度は高くはないでしょう。というか、業界人やファッション好き以外では、知名度はほぼゼロでしょう。

そもそも、僕は​ 一般人がそれほど「ファッション」を求めていない​と思います。ファッションがステータスだった時代は終わりました。今や服は生活必需品のなかのひとつ、という価値観の人が増えているでしょう。

www.yamadakoji.com


このような、僕が考える現状と今後の展望を前提に、タイトルの「ワークマンがユニクロを超えるかもしれない3つの理由」を考えてみます。

理由1:カジュアルウェアの機能性はまだまだ高められる



ワークマンの最大の強みは今まで長年作業服を製作することで培った素材やディティールなどの機能性のノウハウや開発力​でしょう。今回の発表会で中の人とお話を聞いて、認識を強めました。(詳しい内容に関してはまた後日記事にします)

僕はカジュアルウェアの機能性はまだまだ高められる余地があると思います。

機能性が高い服はスポーツブランドやアウトドアブランドを中心に以前からたくさん存在していました。いかにもスポーツやアウトドア色が強いデザインで、普段着としては取り入れづらい商品がほとんどです。この↓商品もアウトドアブランドの商品にしてはシンプルですが、普通の人が普段着に取り入れるには難しいデザインです。

​​ARC`TERYX:¥ 11,902 - ¥ 47,770 (価格は記事執筆時のものです)



普段着として使えるようなシンプルでベーシックなデザインで機能性の高い服は、まだほとんどありません。数少ない例のひとつが、僕がずっと推しているグンゼのレギンスパンツ、TucheHOMME。

 

www.yamadakoji.com



これだけのストレッチ性と軽量性が高い生地は以前からあったのでしょうが、TucheHOMMEの素晴らしい点はそれをシンプルでベーシックなデザインの商品に仕上げたことです。

シンプルでベーシックなデザインはファッション的に汎用性が高くなるので、誰にでも似合いますし、どんなファッションにも合わせられます。

 

www.yamadakoji.com

 

現在はトレンドが服を選ぶ大きな基準になっていますが、それが消滅すると、服の機能性への注目度が今よりもさらに高まると思います。そうなった場合、ワークマンの機能面でのアドバンテージは他の追随を許さないでしょう。

 

理由2:実は多い、ワークマンの店舗数


以前、色々なお店の店舗数を調べてみたことがありました。


これを調べたときは忘れていましたが、しまむらがこのなかでは圧倒的に店舗数が多く、1,365。それに続くのはユニクロ、そしてワークマンなのです。これは意外でした。

ユニクロと同程度の店舗数のワークマンがカジュアルウェアを本格的に売り出したら、かなりの売り上げが見込めるのではないでしょうか。

理由3:ユニクロ以上、GUなみの低価格



そしてなによりも
低価格がワークマンの魅力です。こちらのジャケットは防水、透湿、ストレッチと機能満載なのに2,900円


商品カテゴリー:ヤッケ|ワークマン オンラインストア

今回の発表会でも脅威的なコストパフォーマンスの商品がたくさんありました。この
低価格っぷりを実現させているのはワークマンならではのこの仕組みでしょう。

 

この仕組みに加え、一般的なカジュアルウェアはトレンドに左右され、値引き販売をせざるを得なくなりますが、品揃えをシンプルなベーシックデザインに限定すると、商品価値がいつまでも変わらないので値引き販売することもなくなります。ワークマンはユニクロを上回るコストパフォーマンスのカジュアルウェアブランドになるかもしれません。

・ワークマンのディレクションがしたい!



僕は以前からワークマンが自分の理想の服をつくってくれるのではないかと、とても期待をしていました。こちらは1年半前に書いた記事です。

 

www.yamadakoji.com

  

今回の発表会で色々お話を聞き、商品を見ているとワークマンの今後にさらに強い可能性を感じました。



こんなところで言うのもなんですが、僕は今、ワークマンさんと一緒にお仕事をさせてもらいたいと思っています。本気で。



僕は前々職のファッション企画会社在籍時に、数多くのブランドやショップのブランディングやディレクションを行っていました。主にGMS(誰もが知っているスーパー)関係のブランドや、ジーンズカジュアルブランドが中心に、ブランドのコンセプトや方向性を考えたり、品揃えやデザインを提案したりしていました。

ワークマンは今後、既存カジュアルウェアブランドが無数に存在するなかで、どのようなブランドイメージやデザイン、品揃えで立ち位置を確立していくのかが課題になってくると思うので、是非そのお手伝いをさせてもらえたらなと思っています。

ということで、それを実現できるように、今自分ができることをやっていこうと思っています。

最後までご覧いただきありがとうございました!